艦これ×落語劇場「カ号入れ」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

い、いや、ちょっと待つであります。首をかっ切るのは少し待つのであります。元からぽやぽやっとしたまるゆ殿であります。カ号入れなど発見せずにそのまま……と言う可能性もあるのであります。その時は何も自決する必要はないでありますな……。

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

そうだ、明日まるゆ殿に会った時に、何も気付かない様子のいつもの通りだったなら……それはバレてないと言う事でありますな！　明日まるゆ殿に会って、万一まるゆ殿が怒っていたら……そしたら、地の果てまで逃げて、そのあとに思いっきり自決すれば良いのでありますな！！　成る程成る程～！！

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

全然眠れなかったのであります。うええ、眠れなさすぎてゲロ吐きそうでありますぅ……。死にたい、逃げたい……。

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

……まるゆ殿はいつも朝早いでありますからな……多分この時間にはすでに食堂にいるような……。……いた、であります。一人で朝食を食べているでありますが……む、難しそうな顔で新聞読んでるでありますな……！？ あれは、見つけた顔か、見つけていない顔か……。

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「……ま、まるゆ殿ー？」「あら、おはようございます、あきつ丸。珍しいですね、こんな朝早くに。お寝坊さんのあきつ丸がこんなに早く起きてくるなんて、何かあったんですかあ？（にこっ）」え、笑顔が怖いのでありますぅ……！

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「じ、実は……ちょっと挨拶をと、思いまして」「挨拶？」「ええ、ちょっと……その、暇乞いと言うか」「暇乞い！？ え、あきつ丸、軍を辞めちゃうの！？」「ええ、その、辞めるというか、脱走するというか」「脱走？」「ななななんでもないであります」「？？」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「どういうことなの、あきつ丸。ちゃんと説明して」「その、実はまずいことになったのでありますよ……」「まずい事？ 任務……の事は、あきつ丸はちゃんとやってるし……もしかして、あっ！ れ、恋愛とか！？」「しーっ！しーっ！」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「でも、あきつ丸が恋愛かあ……でもこの泊地って、女の子ばっかりだし、やっぱり艦娘の人？」「あぅ……」「わーっ、わーっ//// なんかあきつ丸意外だなあ、そう言うの興味ない人かと思ってました。で、相手はどんな人なんですか？ 戦艦？ 空母？ まさか駆逐艦……？ 犯罪ですよ、それはっ」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「でもね、どんな艦種の女の子の事を好きになっても仕方ないけれど……誰かと付き合ってる女の子とだけは、横入りして恋愛しちゃダメなんだよ！」「ぶっ！！！」「……え、あきつ丸、その反応……まさか……」「……（顔真っ赤で硬直）」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「もーあきつ丸なにやってるの！ ダメなんだよそんな事しちゃ！ いい？ 昔から『人の女房と枯れ木の枝は登り詰めたら命懸け』って言うんだよ！ でも、それで夜逃げするなんて…もしかしてあきつ丸、その相手にこの事、知られちゃったの？」「…知っちゃったでありますか？」「私が聞いてるのぉ！」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「実は、仲のいい艦娘の人と付き合ってる人なんでありますが、その人から手紙が届いて、今から部屋に来てくれって言われて…そのまま部屋に行って、酒などを酌み交わしているうちに、その、段々と…」「うん、うんうん！ なんだか、凄い話になってきたね！ どんな風になったのっ！」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「どんな風にって、こう…頬を触られて、唇をなぞられて、気づいたらベッドに押し倒されてしまい…。自分は、ええと、服がはだけて、帽子が脱げて、相手の手が、段々とすかあとの中へ…」「きゃーっ、もぐもぐしちゃいそう！ それでそれで、どうしちゃったのあきつ丸！？////」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「で、その時に、自分の友人が扉を叩いてやってきたのであります」「もーっ！ 間の悪い艦娘だなーっ！ こんなに盛り上がってきたのに…でも、それでどうしたの？」「…自分は体を押しのけて、窓から飛び出したのであります」「窓から！？ 怪我しなかった！？」「中破したであります」「あらぁ…」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「でも、ちゃんと逃げられたなら、大丈夫じゃないですか？」「それがダメなのであります。その…自分、まるゆ殿から貰ったカ号入れを忘れてしまったのであります…」「えっ、前に私があげた、あれ？ もー、お馬鹿さん！ それで、そのお友達はあきつ丸の物だって知ってるんだよね？」「ええ、まあ…」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「わー、それは大変だぁ…。で、そのカ号入れは、お友達に見られちゃったの？」「…見たでありますか？」「だから、私が聞いてるのぉー！」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「それに、その中にはつい入れてしまった例の手紙も…」「ええっ、それはまずいね…凄くまずい気がする…。やっぱりそういう手紙は持ち歩いたりしちゃあ、駄目だよぉ。気をつけないと…でも、これは言い訳もできないよ…。…ね、木曾さんも聞いてあげてよ、あきつ丸が大変なんだよ」…木曾さん？

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

やってきたのは、お盆の上に朝食を乗せた木曾殿でありました。…その表情は明らかにやつれていて、眠れなかったのか、ひどいクマが出来ておりました。と言うか、あきらかに震えているであります。テンパりまくってるであります。食器、かたかた言ってるであります。

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「ど、ど、どどどうしたんだ、まるゆ」「聞いて下さいよ木曾さん。あきつ丸ったら、昨日の夜に友達の付き合ってる相手の艦娘に呼ばれて夜中に遊びに行って襲われちゃったんですって」「そ、そそそれは大変だったな、ははははは」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「それで、襲われてる最中にその友達がやってちゃったんだって。なんせ間女だもん、殺されたって文句、言えないですよね？ だから慌てて逃げたんだけど、大事なカ号入れを忘れちゃったって、その中に貰った手紙も入ってるって、すっごく心配してるんですよ」「そ、そそそれは偉いこっちゃだなははは」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「それであきつ丸夜逃げしようとしてるんですよ、木曾さんも何か言ってあげて下さいよ」「え！ あ、そ、そそそ、そうだな。えー、あー、その、なんだ！ …付き合ってる相手のいる艦娘の手を出す、浮気するようなことは。よくない、よくないぞ、な！ な！」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「で、ででも！ でもだ！ よーく考えて見ろ、付き合ってる艦娘が遠征任務……とかな！ 例えばな！ で、で、でもそういう任務の間に、他の艦娘を引っ張り込んで遊ぼうって奴だぞ。……そこに抜かりはないと、俺は思うけどなァーッ！！」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「その付き合ってる相手が帰ってきたら、まず証拠になりそうな酒とかを片付けて、あきつ丸が何かを忘れてないかちゃんと探しておく…と！ 俺は思うけどなー！ で、カ号入れを見つけたら、そっと懐にしまって、後でこっそりあきつ丸に返そうとする…と！ 俺はそう思うけどなー！ なあ！ まるゆ！」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「うふふ、そうですよ。それに、例えカ号入れを見つけたとしても、好きな人を別の人に取られるような、お間抜けな艦娘だよお？」

落語好きのあきつ丸 @RAKU_AKITSU

「そこまでは気がつかないよぉ〜（にこっ）」