- Ishimizu008
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迫るエンジン音。なるほどね、轢殺。でも前のあいつよりは遅いな。ぼんやりとそう考えることしかできなかった。 #tsgrismz
2015-07-19 13:05:43…どうやら気を失っていたようだ。ここは?天井が見える。建物の中だろうか? 何故だか死んでいないことを理解していた。と言うよりも感じたというか。 まだ、回は進んでいないようだ。 #tsgrismz
2015-07-19 13:06:33そこまで考えた時、扉が開き少しだけ歪な者が現れた。「よかった、目が覚めたんだね。」 「いやぁ、びっくりしたよいきなり飛び出してくるんだもん」 目の前にいるのは歪ながらも、紛れもなく"ヒト"だった。 #tsgrismz
2015-07-19 13:07:38銀髪ショートカットのその人は全体的にモノクロの服に身を包み、いわゆる猫耳のようになっている変わった帽子をかぶっていた。ところどころ異形と化していたが、まだ、精神的にもヒトだった。 始めてヒトに会えた。不意に涙がこぼれる。 #tsgrismz
2015-07-19 13:08:50話を聞いたところ、車に乗っていたのはこの人でなんとか衝突を回避したものの私は気絶したらしく、ここまで運んでもらったようだ。恥ずかしい。 「あ、私は砅といいます。」あまりに恥ずかしいので自己紹介してしまった。バカか。 #tsgrismz
2015-07-19 13:09:15「あぁ、どうも。えーっと僕は…ごめん。名前、思い出せないんだ。」どうやらこの人も記憶がないらしい。 「まぁ、でもどうせ今日だけだ。そんなに困ることもないでしょ。」 …どういうことだろう。 #tsgrismz
2015-07-19 13:09:52「君は死なずに一日を終えたことがないっぽいね。」「まぁ、はい。」 「ここは黄昏時しか存在せずに、日がくれるとしななくても意識が飛ぶんだ。どんなに頑張ってもね。」 知らなかった…。 #tsgrismz
2015-07-19 13:10:33「で、次に気がつくとまた黄昏時。しかも知らない場所。」そこは一緒なのか。どうやらここの先輩らしく、自分は食い入るように聞いた。 「だから、明日以降どこでいつ会えるか、そもそも再会出来るかすらわからないんだよ。」 #tsgrismz
2015-07-19 13:11:34なんと。次回はまた一人なのか。「丁度、そろそろ日が暮れる頃だね。」辺りがスゥっと暗くなって行く。「また、あえるといいですね。」「そうだね。」静寂と闇に包まれ行く中で黄昏について考えを巡らせてみた。 #tsgrismz
2015-07-19 13:12:54黄昏時、誰そ彼時。逢魔時。この世の一部とあの世の一部が繋がる時。だとすれば、よもつへぐい… 食べ物を食べるとどうなっていたのだろうか。 …いや、考えすぎだろう。きっと。 #tsgrismz
2015-07-19 13:13:35そうだ、意識があるうちに聞いておこう。「その後ろに浮かんでる小さな翼、どうやって?」ネクタイを緩めながら返事が返って来た。「自前だよ。元々。」 少しだけ羨ましかったのだ。 #tsgrismz
2015-07-19 13:14:12【3日目】 [ハンドアウト]気が付くと、君は明かりの消えたコンビニにいる。腹は減っているのに、何を見ても不味そうに目に映り、君はその場を後にした。 [町]狭い路地から大通りを伺う君の背を、誰かが思い切り突き飛ばした。エンジン音が近付く。所持異形2つ以下なら保護される【魂+1】
2015-07-19 13:15:31‐4日目‐
…… … …どうやら新しい日のようだ。交差点のど真ん中でぼんやりした頭を無理やり回転させる。 やはりというか、残念ながらというべきか、あの人の姿は見えない。 やっぱり一人は心細いな。 #tsgrismz
2015-07-20 10:19:45前回もそうだったが、大通り同士の交差点だというのに車どころか人の気配すらない。信号機もその役目を放棄して眠りについている。コンビ二もそうだ。まるで町全体が廃墟のような、そんな雰囲気。その空気もあいまって世界は橙色に染まることを受け入れている。 忌々しい、橙に。 #tsgrismz
2015-07-20 10:21:47