固体ロケットエンジンの推力制御について201507

ケイロン_MさんとLH2さんが固体ロケットエンジンの推力制御について語っていたので記録してみました
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ケイロン_M @Sgr_198X

ウィキの”固体燃料ロケット”を眺めてる。 ”その一方で、燃焼の制御が難しく、点火後に燃焼の中断や再点火、火力の調整を行うことは原理的に非常に困難である。” これ自体はよく聞くけど,正しい内容と不適切な内容がまざっちゃってる。 ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BA…

2015-07-19 19:37:49
LH2 @LH2NHI

@Sgr_198X 「点火後に燃焼の中断や再点火、火力の調整」で想定している内容って、デュアルスラストパルスやグレイン設計みたいなものじゃなくて、誘導計算機で切ったり点けたりできない、という意味ではないかと。 さすがに前端解放とかTMCは一般的な技術じゃないですし…

2015-07-19 20:04:12
ケイロン_M @Sgr_198X

@LH2NHI TMCはThurust Magnitude Controlですね。 まず燃焼中断と再点火が非常に困難なことは議論の余地はないですね。問題は”燃焼の制御”と”火力の調整”です(両者は 推力制御 でまとめるべきと思いますが)。趣旨はプログラム的制御ではなく(つづく)

2015-07-19 20:14:11
ケイロン_M @Sgr_198X

@LH2NHI 能動的な制御のことだとは理解しますが,それとて現在は実現可能な技術レベルに達しています。(つづく)

2015-07-19 20:24:03
ケイロン_M @Sgr_198X

@LH2NHI 例えば現行の迎撃ミサイルであるSM-3Blk.IAの弾頭部には固体推進薬と制御バルブ,ノズルの組み合わせで軌道修正・姿勢制御を行うDACSが装備されています。 youtu.be/W8efpDBvTDE (つづく pic.twitter.com/yxTuvh61tY

2015-07-19 20:35:14
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LH2 @LH2NHI

@Sgr_198X DACSはどっちかというとSMRCやSMSJのようなもので、 一般的にイメージされる推力制御とはちょっと違うような… ノズルスロートを可変にしてチャンバ圧を変化させ、あえて燃焼速度の圧力依存性の大きい推進薬の燃焼速度を変化させる、とかそういうイメージでした…。

2015-07-19 20:41:42
LH2 @LH2NHI

@Sgr_198X ガスハイブリッドロケットのGAPガスジェネレータのような感じ…

2015-07-19 20:48:48
ケイロン_M @Sgr_198X

@LH2NHI スロットリングをするものについては,TDACSといって,SM-3Blk.IBとIIA向けに実用化済のようです(詳細は見つけられていません)。 rocket.com/sm3-blk-2a1b-t… また,狭義のロケットモータではないですが,(つづく

2015-07-19 20:48:56
ケイロン_M @Sgr_198X

@LH2NHI 固体ガスジェネレータからの燃料と空気で作動するダクテッドロケットには流量制御バルブが付いています。たとえばMBDAのミーティア(meteor en.wikipedia.org/wiki/Meteor_(m… )

2015-07-19 20:55:21
LH2 @LH2NHI

@Sgr_198X ああ、ダクテッドロケットのガスジェネレータですか! GAPガスハイブリッドロケットのガスジェネレータもそうですが、燃焼速度の燃焼圧依存性をうまく利用した例だよなあと思います。

2015-07-19 20:57:07
ケイロン_M @Sgr_198X

@LH2NHI まあ,まさにミーティがは開発中の機種で実用化まであと一歩ですが,基礎技術は既に確立していると考えられます。これを持ってしても”固体ロケットは燃焼の制御,火力の制御は極めて困難である”と書くならば,他に適用例があることを併記すべきと思います。

2015-07-19 20:58:38
ケイロン_M @Sgr_198X

@LH2NHI そうですそうです。固体推進薬はちゃんと工夫すれば流路を絞るだけで流量がコントロール出来るので便利といえば便利ですよね。

2015-07-19 21:00:14
LH2 @LH2NHI

@Sgr_198X まあおっしゃることもわかるんですが、ミーティアのダクテッドロケットガスジェネはどっちかというとラムジェットエンジンですし、TDACSも対向するノズルの推力配分比を制御できるようになりました!という話ぽく 主推進としてSRMが制御性が良いかというとやはり疑問が…

2015-07-19 21:04:58
ケイロン_M @Sgr_198X

NASA Orion Launch Abort System Attitude Control Test youtu.be/tzge0_uc3I0 あとこの巨大なアボートシステムね。。これだけやられると”あいつら固体で推力制御してる!”って言いたくもならない?(笑)

2015-07-19 21:08:38
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LH2 @LH2NHI

@Sgr_198X 私も最初に思ったのはこれですこれ! ただ固体の推力制御って、液体と違って「反対側のノズルで逆噴射する」というものが多くて、Divert推力ならわかるのですがRS-68とかSSMEのような「推力制御」とは別物だなあ…という…

2015-07-19 21:11:10
LH2 @LH2NHI

@Sgr_198X たとえばエアロスパイクの中心のスパイクが動いてノズル径を変化させ、固体推進剤の燃焼速度とスロート面積を変えて…というのだといかにも「液体と同じ部類の推力制御」だと思うのですが…ミーティアやGAP GGの例も近いですが、ラムジェットやハイブリッドロケットですし…

2015-07-19 21:13:11
ケイロン_M @Sgr_198X

@LH2NHI まあ主推進システムとして推力制御するのはまず耐熱が厳しそうですよね。それに,ポストブーストステージでΔVが調節出来るなら,主モータ側の推力はグレイン形状でプログラム的に制御すれば事足りますし。

2015-07-19 21:14:45
LH2 @LH2NHI

@Sgr_198X 西側・東側どちらでもいいので、そういう珍妙な固体ロケットとかないんですかね? 私もそういう例があったら面白いなあと思っています。

2015-07-19 21:14:56
LH2 @LH2NHI

@Sgr_198X そうですね…ん、PBS… そうだ、ロシアのICBM Topolは固体推進のPBSがついてますね。これなんかはいかにも「固体の主推進」に近そうです(結局逆噴射ノズルをON/OFFする形態のような気がしますが…)

2015-07-19 21:19:29
ケイロン_M @Sgr_198X

@LH2NHI 同意します(笑)ただ,やはりそこまで頑張って推力の臨機的な制御を行うよりは,ロケットモータ自体はシンプルさを是として構造重量比と信頼性を上げるほうが,システム全体として幸せになれる気がします(というかシステムのケーススタディの中で残る気がしません・・・)

2015-07-19 21:19:40
ケイロン_M @Sgr_198X

@LH2NHI いずれにしても,あのwikiの表現は,人によってプログラム的な推力制御と臨機的なスロットリング,どちらとも取れる内容なので,もう少し丁寧に書いてもよいと思います。まがりなりにも百科事典ですしね。

2015-07-19 21:22:52
LH2 @LH2NHI

@Sgr_198X そうですね。あまり複雑にしても固体の良さを失う気がします。 複雑にして制御性を高くしようとすると複雑になり、液体に勝てなくなりそうですし…(制御可能=バルブの耐熱温度以下=2液式スラスタでいいのでは?SM-3は艦に積むため液体推進剤を使えなかったからですし…)

2015-07-19 21:23:03
LH2 @LH2NHI

@Sgr_198X 固体ロケットに推力パターンがあるの、宇宙クラスタでは常識かもしれませんが知らない人もいそうですよね…。

2015-07-19 21:24:12
ケイロン_M @Sgr_198X

@LH2NHI 高校生や大学入りたての子だと「固体は花火と同じ,火薬で火をつけたら燃えっぱなし,危なくて性能も低い」くらいのイメージじゃないでしょうか(子供の頃の私のイメージではLE-7は最強でした)。他を圧倒する大推力に気付くのはもう少しあとですね(旧ソの凄さに気付くのもまた

2015-07-19 21:32:19
ケイロン_M @Sgr_198X

バイコヌール行きたかったなあ。色々重なってしまって無理だったけど。

2015-07-19 21:54:49