禁忌や適応の判断根拠を得る問診は診察の一種であり、医行為である。

生理上危険を生ずるおそれのある断食療法の日数の判断根拠を得る問診は診察の一種であり、医行為である。 そんな裁判の解説を。 ついでに厚生省が出したカイロプラクティックに関する通達のおかしさも。
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びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

この裁判、断食療法自体は医師法違反とはしてない。 この時の医行為の定義が「医学の専門的知識を必要とする診断、薬剤の処方、投与または外科的手術を行うことを内容とする」 なので薬剤処方以外に患者に指示する行為は医行為と解釈されてなかったか。

2015-07-20 00:08:46
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

今は「医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生じるおそれのある行為」なので断食の指示行為も含まれるのかな?

2015-07-20 00:09:06
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

まず弁護人は「医行為とは人の疾病を診察し、よって治療を施すことをいい、診察を絶対必要条件とするものであるにもかかわらず、被告人は入寮者に対し断食道場への入寮目的等を尋ね、これによって入寮日数を取り決めたにとどまり」と述べている。

2015-07-20 00:09:26
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

まあ、被告人は「診察していませんよ」、と言っているのである。 そして「治療を施」してはいない。断食療法は他者が施術できるものではないので。

2015-07-20 00:09:41
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

警察・検察は問題だと考えたのだろうが、施術してない以上、断食療法そのもので立件はできないので問診を診察の一種と捉えて、無免許医行為で立件したか。

2015-07-20 00:09:55
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

裁判所は症状・病歴を尋ねたことに関して 「本来医学の専門的知識に基づいて認定するのでなければ生理上危険を生ずるおそれのある断食日数等の判断に資するための診察方法というほかない」 と述べている。

2015-07-20 00:10:22
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

断食療法は医学の専門的知識無しで行えば生理上危険を生じますよ、と。 そして、入寮目的、症状、病歴を聞いたのは断食療法の行い方に必要な情報だから、と。 だから診察の一種の問診であると判断している。

2015-07-20 00:10:42

断食療法から離れます。

びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

整体やカイロプラクティック、その他医業類似行為において、大抵禁忌症は在ると思われる。 実際、厚労省のカイロプラクティックに関する通達では禁忌症が書いてあったりする。 mhlw.go.jp/topics/bukyoku…

2015-07-20 00:10:58
リンク www.mhlw.go.jp 医業類似行為に対する取扱いについて|厚生労働省 医業類似行為に対する取扱いについてについて紹介しています。
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

そもそも施術自体、何も判断せずに行えば危険が生じるおそれがあるのは無免許業者でも認めるところであろう。 そして普通は患者に対する問診・検査法から「診断」し、適切な施術方法を選んでいるはずである。

2015-07-20 00:11:18
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

「医学の専門的知識」というと高度なイメージがあるが、「人体・疾病に関する専門知識」と読み替えてもよかろう。

2015-07-20 00:11:38
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

さあ、整体師やカイロプラクターと称する無免許業者の皆さん、あなた方は人体・疾病に関して素人かね? 法的には素人ですがね。

2015-07-20 00:11:55
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

自分は素人ではないから安全に施術できるという無免許業者の方、こちらの最高裁判決、高裁判決を読みましょう。 courts.go.jp/app/hanrei_jp/… courts.go.jp/app/hanrei_jp/… 解説のまとめは作っております。 togetter.com/li/838020

2015-07-20 00:12:22
まとめ 技術・能力があったり、民間資格があっても無免許医行為は許されません。 無免許眼科医のニュースがあったので。 私がまとめるからには医業類似行為の視点からです。 眼科医が医療系国家資格を持たない従業員Aに、コンタクトレンズの処方のための検眼、テスト用コンタクトレンズの着脱をさせたとして医師法第17条違反(無免許医行為)に問われた事件。 医師が医師法第17条を職業選択の自由を定めた憲法第22条違反と主張するという事件でもある。 11821 pv 18 1
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

つまりいくら民間資格とか持っていても、仮に私より知識があってもそんなことは医師法違反の判断に何の関係もないんだ。

2015-07-20 00:12:46
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

人体・疾病の専門知識に基づいた判断なしに行えば保健衛生上、危害を生じるおそれのある行為安全あるいは効果的に行うために患者に問診すれば医師法違反なんだ。

2015-07-20 00:13:20
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

つまり無免許業者に許される行為は ・症状・病歴がなんであれ、誰に対して行っても安全な行為。 である。

2015-07-20 00:13:39
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

禁忌症が存在する時点で、問診や検査法を行う必要がある。 この判断が必要な行為な時点で医師法違反の施術行為である。

2015-07-20 00:13:57
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

さて、この裁判を見たあとに厚生省が平成3年に出したカイロプラクティックに関する通達を読んで違和感を感じないかね? mhlw.go.jp/topics/bukyoku…

2015-07-20 00:14:12
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

この裁判に従えば、療法の危険を避ける判断をするために問診をすること自体が無免許医行為である。 そして通達に書かれている「脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究」(通称、三浦レポート)によれば禁忌症の判断は問診ぐらいしかないようである。 jac-chiro.org/research_02.ht…

2015-07-20 00:14:45
リンク www.jac-chiro.org 三浦レポート::一般社団法人日本カイロプラクターズ協会(JAC) WFC日本代表団体、日本カイロプラクターズ協会のサイト。日本でWHO基準のカイロプラクティックの啓蒙とカイロプラクターの倫理規定を設けています。

三浦レポートより


しかし徒手調整の手技によって症状を悪化し得る頻度の高い疾患、例えば椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、環軸椎亜脱臼、不安定脊椎、側彎症、二分脊椎症、脊椎すべり症などがあり、これらは禁忌の対象に含められるべきである。

禁忌の除外は、日本においては、各種医学的検査等の診断が術者自身では行えないので、問診が中心となる。多くの場合、他の医師の診断を受けているため、問題となることはないと主張している。


びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

生理上危険を生じる療法の判断に資するために病歴(既往症)を聞くのはこの裁判によれば医師法違反である。 なぜ当時の厚生省はカイロの禁忌症判断に問診が行われることを把握しながら、無免許医行為として禁止する通達を出さなかったのか?

2015-07-20 00:15:55