第111回日本精神神経学会学術総会実況北山精神分析室　北山修先生の教育講演「劇的な精神療法」

aikider @sayoarashi

劇的な精神療法　北山精神分析室　北山修先生

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人生を「劇」的に見てみる、治療を「劇」的に行う。劇のように見る。

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役割としてやることと自分のやりたいことの解離

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その選択が「私」である

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「劇場」としての診察室　患者の『劇場』『私的な楽屋』　「行動化」は「劇化」　「アクティングイン」　「転移」とは反復する「心の台本」　「人生の反復」を読む

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フロイトはシャルコーの講義について、あたかも演劇のようであるとの手紙を書いている。

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精神科医が治療にあたる診察室も劇場として見ることができる

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行動化と訳されたacting inのactには演じると意味もあるが、行動化ではその意味が伝わらない。わざわざacting in としているのは、患者が演じている、メッセージを発しているという意味合いも込められている。症状にも、あるいは治療にも演劇的要素がある

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「劇」としての人生　シェークスピアやダンテの「神のための演劇」　「浮き世」と「人生演劇説」　精神科診察室は患者の「人生の楽屋」

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小泉純一郎の劇場型政治や、テレビを賑わす劇場型犯罪。それだけでなく我々の日常も演劇としてとらえられる。たとえば私小説という分野も

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臨床を劇場としてみる。高野良英、前野・・・

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基本：心の台本を読む　楽屋（治療構造）を守る　反復の発見（過去、最近、今ここ）　比喩で反復をなぞる

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治療構造・・・面接の時間、守秘義務など・・・はじめ楽屋だった診察室が舞台になる

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反復の発見・・・転移として考える　心の底で考えたものが心の中で再現する。　比喩で反復をなぞろうとする

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それは悲劇ではない。悲劇的であったならば台本を読み返したほうがよい。生き直すために

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比喩の発見と使用　問題を文字通りに言葉で表す　反復をなぞる比喩を発見する　物語として人生を描き直す　それを語り直し、生き直し　人生物語を紡ぎ直す

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「ブレーキを踏んでいる」と言っても車を運転しない人にはわからない　「雪の肌」と言っても雪を知らない人には伝わらない。相手が伝わる言葉で

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治療者も舞台に参加する

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ここで治療者は自分という変数を演劇の中に組み込むことになる。いかに標準化しようとしても自分というものがそこに表れる。自分の生き方、考え方とはどのようなものかという型が表れる。それは逆転移と呼ばれるもの

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訓練：治療者の反復について　自己分析（自分という変数）　スーパービジョン　自分を説明するための発達理論　自分の「台本」を読む楽屋を得る　訓練分析　私達の古典的物語から学ぶ

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モーズレーで、ロジャース派と精神分析と雑談を録音して聞かせたら区別できなかったという笑い話

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楽屋で台本を読み返してみる・・・自分がこう言ったから相手がこう言ったという図式、習性、変化の歴史が見えてくる

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自分を分析し自分の発達理論を発見し自分を知ることが患者を知ることになる。これが訓練分析である。これを徹底したのは精神分析だけではないか

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私達の物語を知るためにフロイトが援用したのがエディプス・コンプレックス　ソフォクレスのオイディプス王

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帰って来たヨッパライの話。ヨッパライは自分であり、ねえちゃんは母親であり、神様は超自我である。不安と衝動。畑に落ちるのは治癒であり防衛である。