鋼鉄の咆哮×艦隊これくしょんSS「超兵器の金剛6」

今回から順次更新式にしていきます。 ご容赦を。
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さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「はははは! この装甲甲板が20cm砲ごときで壊せるものか!」 「だったらワタシが……!」 「お前の相手はこいつらがする!」 アルウスから射出された機体は同じくバンシーだったが、翼の下に大量のロケットを積んでいた。(74 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:16:51
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

ロケット搭載のバンシーは、金剛を集中的に攻撃していた。 重い主砲を積んでいる金剛は、回避に精いっぱいで攻撃に集中できない。 「こんなものか艦娘! 播磨を沈めたとは思え……」 アルウスの目の前に、バンシーが落ちた。 黒い煙を上げながら海中に沈んでいく。(75 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:21:00
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

アルウスが視線を感じて顔を上げると、そこには弓を構える赤城の姿が。 よく見れば、彼女の烈風隊は少しずつではあったがバンシーの攻勢を押し返しつつあった。 「艦娘を、舐めてもらっては困るわね」 「貴様……! 我がバンシーをよくも!」(76 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:23:08
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「確かにあなたの艦載機は強力だし、数も多いわ。でもね……撃墜できないわけじゃない!」 「そういう、ことっ!」 叢雲の高角砲がバンシー一機を捉え、撃墜する。 彼女はこの短い間に、ジェット機の速度に対応していた。 それはほかの皆も同じだった。(77 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:24:41
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「戦場で動きを止めるなんて、馬鹿ですわねっ!」 アルウスが苦痛に顔をゆがめる。 装甲甲板の隙間を高雄が狙い撃ち、アルウスの本体へ砲弾が直撃したのだ。 服が破け、脇腹あたりが黒く焦げている。 「調子に、乗るなァ!!」 装甲甲板が展開し、ランチャーが覗いた。(78 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:27:25
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「対艦ミサイル!? 皆サン回避を……!」 「違うっ! そいつの狙いは金剛さんよ!」 四方にばらまかれたミサイルは上空で急旋回し、金剛へと降り注ぐ。 「金剛さんっ!」 「あっ!?」 動きを止めていた金剛を高雄が横から突き飛ばした。 直後、炸裂。(79 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:29:23
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

金剛は小破で済んだが、高雄は直撃を受けて大破していた。 艤装はもう鉄くずと変わらないほど破壊しつくされている。 「死ね! 死ね! 死ねェ!」 アルウスは目を血走らせ、ミサイルを連射していた。 バンシーも狂ったハチドリのように飛行がでたらめだ。(80 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:32:09
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「くっ、戦闘機は対応できるようになったけど……アイツいったいどうしたっていうのよ!」 瑞鶴はもう何機目になるかわからないバンシーを撃墜し、アルウスを警戒する程度の余裕はできていた。 先ほどの軍人然としていた面影はもはやなく、発狂でもしたのかと思うほどだ。(81 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:35:30
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「金剛! 高雄は私に任せてあいつを撃て!」 「タイプスリー、ファイアアアアアア!」 那智の声にこたえて金剛の主砲が放たれた。 三式弾がアルウスの上で炎となり、彼女はあっという間に火だるまと化す。 「アアアアアア! 熱いィ! 熱いィィィ!」(82 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:37:20
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「徹甲弾装填! 次で終わりに……」 「ガアアアアアアアアアアア!」 アルウスが絶叫する。 火災は自動消火装置で鎮火していたが、彼女は体を大きく悶えさせ、頭を抱えて苦しんでいた。 「アガア……アアアアアアア!」(83 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:40:07
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

ぶち、ぶちぶちぶちぶちっ。 それは肉を無理やり引きちぎるような音だった。 彼女が背負っていた艤装が剥がれ落ち、海に沈んだかと思うと、次の瞬間彼女の背中が風船のように膨れ上がったのだ。 そして、肉を裂いて飛び出してきたのは、船だった。(84 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:41:38
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

ただの船ではない。 アングルトデッキを備えた空母が、彼女の背中から生えているのだ。 金剛を含む全員が、絶句した。 常識破りもいいところだ。 「あり得ナイ……! ワタシ、ガ、日本の軍艦などニイイイィィ! おええェェェええ!」 アルウスは、吐いた。(85 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:44:17
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

血とも燃料とも区別がつかないどす黒い液体とともに、アベンジャーやヘルダイバー、そして先ほどまで操っていたバンシーなど。 彼女は彼女自身が運用していた艦載機を、吐き出した。 「まダ……終わって、ない。私ハ、こんナ……とこロで……!」 『いいや、終わりだよ』(86 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:46:41
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

それは脳に直接響いてきた。 声なのかテレパシーなのかわからないが、言葉が響いてきたのだ。 アルウスだけではなく、金剛たちにもはっきりと聞こえている。 『そんなみっともない姿で戦おうとするなんて。もう見たまま蜂の巣じゃないか』 「黙レ……! 私はまダ……!』(87 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:48:20
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

『はあ、わかったよ。じゃあね、アルウス……』 「待……!」 バチバチバチバチッ。 「ギャアアアアアアアアア!」 突然の落雷だった。 急に空が光ったと思うと、アルウスめがけてそれが降ってきた。 アルウスは一瞬にして全身を焼かれた。(88 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:53:31
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「ア……ァ……」 足元から炭のように砕けて散っていくアルウス。 海面に倒れていくその最期、彼女は腕を空に伸ばした。 「なゼだ……私は……」 その姿が完全に沈み、後には彼女が背負っていた艤装の残骸だけが浮かんでいた。 「今のは……いったい……」(89 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:56:46
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

謎の声は消えていた。 ノイズも観測されず、アルウスが沈んだことは全員が理解していた。 でも、動けなかった。 目の前で起こった現象が信じられなかった。 「こ、金剛さん……今の……」 赤城の唇は震えていた。 「……鎮守府に帰りまショウ。今は、何も話せナイ」(90 #超兵器の金剛6

2015-10-15 01:59:12
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

誰も反論しなかった。 大破した高雄は金剛が背負い、残りの艦は周囲を警戒する形で、鎮守府への航路をとる。 最後尾の瑞鶴は、アルウスの残骸の中に何かを見つけていた。 情報になるかもしれないと回収し、金剛たちの後を追う。 アルウスの残骸は、静かに沈んでいった。(91 #超兵器の金剛6

2015-10-15 02:04:02
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

<どこかの海、どこかの島> 「まさか、アルウスが発狂しちゃうなんてねえ」 少年のような声が森に響く。 「みっともないなあ。みっともないよ」 こつん、と小石を蹴飛ばした。 「でもあいつら、ビビってたなあ。私がちょっとプラズマしただけなのにさ! くすくす」(92 #超兵器の金剛6

2015-10-15 02:07:15
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「まあこの海域も僕だけになっちゃったし。ほかのやつが来る前にやっちゃわないとねえ」 バチバチッ。 腕に稲妻が奔る。 「艦娘みぃんな、焼き殺しちゃおうかな。あははは!」 身体に電気をまといながら、彼女は森の中へ消えていった。(93 #超兵器の金剛6

2015-10-15 02:09:41
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

<どこかの海、どこかの氷山> 「かわいそうなアルウス……自分が負けるだなって思ってなかったのでしょうね」 「ええ、お姉さま。でも次のあの子はやってくれるはずよ」 「そうね、あの子の武装なら艦娘でも一瞬で沈めてくれるはず」 「そうね。だって……」(95 #超兵器の金剛6

2015-10-15 02:11:37
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

ーーーーーこの世界に、電磁防壁はないものねーーーーー (96 #超兵器の金剛6

2015-10-15 02:12:20
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

獲得アイテム<F4Uコルセア、FH-1ファントム、P-47サンダーボルト>(97 (終わり #超兵器の金剛6

2015-10-15 02:15:07
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