八尺ヒヅメ決着篇

0
前へ 1 ・・ 14 15 次へ
―― @tometis_story

「どういう息の吹き返しだ?用済みの役者さんよ」

2015-08-01 03:02:04
―― @tometis_story

「私は用済みの役者だ。この生に意味は無い。ローズは居ない。私は朽ち果てるだけの存在だ」包丁をくるりと回して、構える。

2015-08-01 03:05:48
―― @tometis_story

はっきりと黒い影を捉えて、投擲。黒い影の額に突き刺さり、影は消える。

2015-08-01 03:06:14
―― @tometis_story

「知っているとも。誰もいなくなったくだらない結末を、お前は踏みにじろうというのだろう。まあ、ソレは好きにしろ。だがな――」

2015-08-01 03:06:51
―― @tometis_story

影から放たれる包丁を、同じ黒い包丁で撃ち落とす。切り飛ばして、からりと、包丁が床を滑った。

2015-08-01 03:07:11
―― @tometis_story

「ローズが居ないから、何だというのだ」

2015-08-01 03:07:42
―― @tometis_story

貫くような言葉を放った口から、今度は疑問が上がる。

2015-08-01 03:08:28
―― @tometis_story

「何?手前、まさか――」

2015-08-01 03:08:37
―― @tometis_story

「私の役(いのち)は、ローズの為に。いなくなっても変わりはしない」

2015-08-01 03:09:03
―― @tometis_story

「馬鹿が」自分自身を嗤う。「そりゃ、破綻してるぜ、糞にもならねえ言葉だ」

2015-08-01 03:09:26
―― @tometis_story

「いなくなった女を思い続けるだぁ!?そりゃ、流行らねえよ。クソッタレだ。まるで動物のフンにも劣るぜ、おい!ははははは、冗談きつ――」

2015-08-01 03:10:18
―― @tometis_story

チョークが、”避けた”。殺意の一閃。その首元に、影の糸が放たれたからだ。転がりながら、チョークが嗤う。そのチョークを、白磁が笑い飛ばす。

2015-08-01 03:10:55
―― @tometis_story

「それが、私の役割だ。彼女がいなくなっても変わらない。誰に嘲らられようが、どうでもいい事だ。私は、薔薇を思い続ける」

2015-08-01 03:12:04
―― @tometis_story

人影から、黒い包丁が放たれるより尚疾風く、黒い線が包丁を切断する。

2015-08-01 03:12:38
―― @tometis_story

チョークが嘲りながら、自信の首を切断しようとするより尚疾風く――その切断しようとした包丁を、黒い糸が鮮明に刃だけを切り落とす。高速で操られる影の糸、物質化したソレは、まさしく白磁の異能だ。

2015-08-01 03:13:29
―― @tometis_story

白磁】「私は、ローズを愛している」

2015-08-01 03:14:10
―― @tometis_story

チョーク】「は、ハハハハハ!そりゃ、無駄な熱烈だ。愛とやらってのはなァーッ!」男の声から笑い声。

2015-08-01 03:14:59
―― @tometis_story

影が走る。黒い人の形をしたソレは、一歩前に出た瞬間、切断された。

2015-08-01 03:15:20
―― @tometis_story

白磁】「私を演じる理由は、それだけで十分だ」

2015-08-01 03:15:52
―― @tometis_story

チョークが主導権を取ろうとするより早く、白磁が主導権を握りこむ。腕を横に振るえば、影が沈み消え去る。

2015-08-01 03:16:20
―― @tometis_story

黒い影はソレでも起き上がる。アレラは無数だ。しかし、黒い影は、自分自身の力。腹から、前身からこみ上げる笑いを抑えこみ、男は逆に告げるのだ。

2015-08-01 03:16:57
―― @tometis_story

「さあ、チョーク。私を殺すのは構わんが――覚悟を決めろよ、エンターテイナー」

2015-08-01 03:18:12
―― @tometis_story

これ以降、語る必要はないだろう。エンターテイナーとして、チョークは悪意を振りまくだろう。

2015-08-01 03:27:45
―― @tometis_story

そして、翫茶白磁は、この戦いの果てに得た答えを抱き、その薔薇を思う役を張り続ける。

2015-08-01 03:28:25
―― @tometis_story

幾度、自分自身の命を、自分自身に晒そうと、彼は役を降りないだろう。

2015-08-01 03:32:43
前へ 1 ・・ 14 15 次へ