- entry_yahhoo
- 1231
- 0
- 0
- 0
駆逐棲姫はトゥンヌスを見た。瞳の紫と蒼の光は理性的に輝く。「私は、嘗て海を駆けたモノ。ただ一人沈んだモノ。嘗て与えられた憎悪で世界を壊そうとした者。そして…」駆逐棲姫は一瞬だけ、春雨を見た。「艦娘の春雨の、友だ!」「戯言ヲ!」トゥンヌスは再び奇妙な構えを取る! 72
2015-08-12 02:24:44構えと同時に、トゥンヌスの周囲に4発のマグロ・カラテミサイルが顕現する!「狂ッタ姫メ!引導ヲ渡シテヤロウ!イヤーッ!」マグロ・カラテミサイルが駆逐棲姫目掛け迫る!アブナイ!だが、駆逐棲姫は臆さなかった!「イヤーッ!」フロートシステムを最大出力!上昇と同時に独楽めいて回転! 73
2015-08-12 02:27:38フロートシステムたる鋼鉄が、殺人的加速で回る!「イヤーッ!」マグロ・カラテミサイルがフロートユニット金属部に命中し、四散する!「何ト!」「イヤーッ!」春雨が後ろから回転を続ける駆逐棲姫を押し出すように蹴る!「イヤーッ!」駆逐棲姫はトゥンヌス目掛け回転を強める! 74
2015-08-12 02:29:43「イヤーッ!」トゥンヌスは跳び逃れんとした。「イヤーッ!」独楽回転する駆逐棲姫の金属凶器がトゥンヌスの右足を抉り飛ばす!「グワーッ!」空中でバランスを崩し、トゥンヌスは墜落する!「拙イ!」トゥンヌスは叫んだ!だが、既に全てが決した!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!」 75
2015-08-12 02:32:51それは、最後まで虎視眈々と機会を窺っていた天龍と若葉の攻撃であった。若葉の精密射撃はトゥンヌスの心臓と頭部を穿ち、天龍の刀が十字にトゥンヌスを斬り裂いていた。「必殺・十字斬…墓標代わりになるだろ?」天龍は努めて獣めいて笑った。「サヨナラ!」トゥンヌスは爆発四散した。 76
2015-08-12 02:35:35一陣の風が吹き、塵となったトゥンヌスが風化していく。若葉は“菊月”甲板上を、駆逐棲姫と春雨を見た。「上手く、いったか?」若葉は問うた。「はい!」春雨は笑顔で答えた。駆逐棲姫も頷く。「良かった…任務達成、だな」若葉は目を閉じ、笑った。 77
2015-08-12 02:39:44かくして、二度と再会せぬはずの二人は出会った。だが、前途は多難だ。疑わしげな目を向ける他の艦娘達、そして何も知らぬ瑠奈花を説得せねばならない。深海棲艦は本来敵である。この駆逐棲姫のみが、今のところの例外であった。故にリカルドも、春雨も、若葉も、事情を説明しなかった。 78
2015-08-12 02:42:34これから先、多くの困難が待ち受けるだろう。だが、別離を乗り越え、春雨は更に強く心に決めた。何があっても、隣の存在を守ると。月を見上げ、心に誓った。月は、微笑んでいるようであった。 79
2015-08-12 02:44:01おまけ(スペシャルサンクス:えみゅう提督)
@entry_yahhoo 一撃でハートをわしづかみにされました。 pic.twitter.com/jY5qaXY8az
2015-08-12 02:46:29