- hachisu716
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某askで見たんだけど、魔理沙ちゃんに弟or妹がいたとして、でも触れあう期間とかほとんどなく家出してしまったとして、弟or妹がいたことをアリスにぽろっと漏らしてしまったときに、別に隠してたわけじゃないんだけどさ、とかってその話ぽつぽつしだすところ想像したら胸がキュンってなった
2015-02-28 08:11:38お姉さんだったのね、ってアリスに云われて、 魔理沙「や、実は、会ったことはないんだ。生まれるのは、知ってたんだけどさ。家を出てからしばらくして、無事に生まれたって、香霖が教えてくれたんだよ」 きっとあの店主のことだから、情報を仕入れてきて、何気なく魔理沙に伝えたのだろう
2015-02-28 08:17:35とアリスが想像してる間に、魔理沙がぽつぽつと言葉を選んでる様子で語り出す 魔理沙「だから、お姉さんってことはないんだな。弟(妹)と居る期間がないから、性格ってもんがあるんだとしたら、一人っ子と変わらない」
2015-02-28 08:20:31アリス「ふうん」 促すように相づちを打つアリス。 魔理沙「里に行ったとき、遠くから見たことは二度くらいあったかな。うちは里でもかなり奥にあるから、私の活動範囲内でばったり鉢合わせる機会なんてないんだが、ほんのちょっと入り用で奥まで行ったとき、たまたま」
2015-02-28 08:23:49会ったことがないのに分かったのか、とちらりと思ったアリスの表情を見てとったのか、魔理沙が小さく笑う。 魔理沙「親と一緒にいたから、きっとそうじゃないかなって。二回とも、別の里の子かもしれないけどな。予感とかあったわけじゃないさ」
2015-02-28 08:26:07そうやって、初めて見た弟(妹)についてどう思ったのか等思い返して、自分の気持ちを整理しながら納得するように、少しずつアリスに話しながら、最後に 魔理「……でもさ、弟(妹)のことを憎んじゃいないんだ。むしろどっちかっていうと、私の方が救われてる気がする。気が楽になった、っていうか」
2015-02-28 08:29:30魔理沙「私という子供を失っても、家(うち)にはあの子が居る。あの子は普通の髪と目の、普通の人間だ。母に似て、父に似て、ちゃんとふたりの子供に見える人間なんだと思う」
2015-02-28 08:32:14魔理沙「だから、弟(妹)っていうよりはさ。生まれるはずだったものが、今度はちゃんと正しく生まれたっていうか。……そうだな、私の“人間”の部分を、あそこに置いて来られた気がして、なんとなく、救われるんだよ」 そういいながら優しい眼差しで目を細める魔理沙
2015-02-28 08:35:06弟はさ……きっと両親に似てるんだよ……眉の作りは厳格なお父さんに似て、きゅっとひきしまった印象を与えるけど、顔の線や眼差しはどっちかっていうとお母さんに似て丸い感じ。だから基本的にはお母さんと一緒で物腰柔らかそうに見えるけど、父親譲りの厳格眉で隙が消えてる感じかな
2015-02-28 18:15:36人当たりは良さそうだけど油断ならない感じで、商いをする人間としてはいい感じのつくりになってて。 魔理沙「やっぱり、似てるな」 弟「……?」 魔理沙「お父さんとお母さんにさ。目許の感じは、母親そっくりだぜ。眉とか顎とかが父親似って感じだな」
2015-02-28 18:18:58弟「……、姉さんも……」 魔理沙「私は、どっちにも似なかったから」 両親の面影をさがそうとする弟に、無理するなというように笑いかける魔理沙。 魔理沙「お前がふたりに似て、きっと喜んでるよ」
2015-02-28 18:22:03それから何処どこにはまだあの店があるのかだの、誰々の家の犬に子供が生まれただの、仕入れ先を開拓した話だの、もっぱら父親にならって家業の手伝いをして勉強しているところだの、主に弟のほうの近況を聞く形で他愛のない話をして過ごす姉弟。
2015-02-28 18:26:35しばらくして、風で魔理沙の帽子が飛ばされたところで、腰をあげて取りに行った弟が振り返ると、もう箒でふわりと宙に舞い上がっている魔理沙。
2015-02-28 18:29:12魔理沙「欲しけりゃやるけど」 弟「……行ってしまうんですね」 魔理沙「お別れだな」 ぎゅっと帽子のつばを握る弟。その様子を見て、ゆっくりと離れていく魔理沙。 弟「姉さん!」 よく通る、初めて聞いた大声に魔理沙が振り返ると、投げつけられた帽子が胸にあたり、腕の中におさまる
2015-02-28 18:33:46こんなところまで、よく狙いをつけて飛ばしたものだ。まばたきする魔理沙に、 弟「これは返すよ。商人は、見合う価値がないと取引しないんだ」 まっすぐに見据える眼差しは、父のそれだ。うって変わった態度に、魔理沙は愉快になる。 魔理沙「そうか。ならこの帽子に見合う、お前の価値とは?」
2015-02-28 18:39:58弟「……出世払い。つけておいたよ」 そう言って小さく笑う弟の、その笑顔は。人を食ったその顔は、一体。 そう、一体、誰に似たのだろう。 答えを考えあぐねる魔理沙に、 弟「また逢えるかな」 と弟が呼び掛ける。 魔理沙「お前が帽子を欲しいと思えば」
2015-02-28 18:48:52逆さまに受け取った帽子を、片手でひらりと広げて見せて煙に巻く。 弟「じゃあそれまでは、さようなら。姉さん」 魔理沙「さようなら、弟。楽しく暮らせよ」
2015-02-28 18:50:49魔理沙が帽子をとって中を覗き、すぐに帽子の裏地の、厚手のレース飾りのなかに隠した、隠しポケットの中を探る。弾幕勝負などで、取って置きの魔法をつめた小瓶を仕込んでおくためなどに重宝するスペースで、その場所を誰かに話したことはない。
2015-02-28 19:04:41