『アバウト・トゥ・エクスプロード』#1

ジュセー @shiroboshi2

「おいおい……」トログロダイトは肩を竦める。ミリピードはフシギそうに彼を見た。「何か？」「いや、何も」彼は五体不満足ヤクザを見る。ヤクザは無言だ。「ニンジャとはいえ、度胸のある小娘だこと」トログロダイトはボソリと呟き、『アナゾコ・イワト』を出ていった。14 #S57Ninja

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POW！POW！POW！POW！『火災が大変。近寄ると消火活動に多大な迷惑が重点』消防車がけたたましいサイレンを轟かせながら、火災発生地点へ向かう。それを高層ビルから見下ろす男あり。「あれだけの爆発。生きてはおるまい」彼の装束にはクロスカタナのエンブレム。16 #S57Ninja

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彼はIRC端末を取り出し、通信を始めた。「ドーモ、ギスセライ=サン。イグニッションです。ミリピードの殺害に成功」《ドーモ、イグニッション=サン。ギスセライです。それは本当か？》「ああ、間違いない。大爆発だ！奴をガソリンスタンドに誘い込みカトン・ジツで！」17 #S57Ninja

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《……死ぬ瞬間は見たのか？》「見ていない！だが間違いない！大規模爆発！カブーム！カブーム！」イグニッションは笑い、眼下に広がる炎の海を見渡した。ネオサイタマの夜を照らす強烈な赤を。《イグニッション=サン。周囲を探せ。場合によっては減給処分だ》「なに！？」18 #S57Ninja

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《こちらからも、グリムジャンパー=サンを派遣する。ミリピードを確実に殺害せよ。撮影でもしておけ》「待てよギスセライ=サン！ヤバイ級の大爆発だぜ？生きてるはずが」《ダマラッシェー！》ギスセライからの通信が切断された。イグニッションは舌打ちし、跳躍した。19 #S57Ninja

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トログロダイトは、地上に出ていた。そして例のバーの屋根に潜んだ。この路地裏に自主的に入っていく者は少ない。そして、あのマンホールに向かう者などは、それよりももっと少ない。彼は後者に声をかけ、暗号を知る者であれば通し、知らぬ者であれば徹底的に排除するのだ。21 #S57Ninja

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注意深く観察を続けながら、彼はミリピードの言葉を想起していた。『ソウカイヤに目をつけられました』「……厄介過ぎる奴を抱え込んじまったな。大事にならなきゃいいんだが」トログロダイトは呟く。呟きながら、人影を認めた。その者はマンホールの方を見、そちらに向かう。22 #S57Ninja

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「待て。そこの者」トログロダイトは声をかけた。その者は答えることなく、マンホールへ向かった。トログロダイトは跳躍し、その前に立ち塞がる。そして、「山を渡らせぬ」と言った。次の瞬間、「イヤーッ！」その者はカラテシャウトを放ち、鋭い蹴りを繰り出したのだ！23 #S57Ninja

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ソウカイ・ニンジャか！ #S57Ninja

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「イヤーッ！」トログロダイトはこれを回避。カラテを構え、叫ぶ。「ドーモ、トログロダイトです。何者だ！」その者は下卑た声で答えた。「カハハァッ！ドーモ！グリムジャンパーです！」そしてカラテを構える。深緑色の装束、バッタじみたメンポ。クロスカタナのエンブレム！24 #S57Ninja

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

グリムジャンパー……あ、前回生き残ったグリムアーチャーとは別忍か #S57Ninja

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「野良ニンジャを探しに来てみれば、もう一匹野良ニンジャ！貴様を殺し、もう一匹も殺せば俺の昇給は揺るぎない！」グリムジャンパーは言い、トログロダイトを指差す。「何ならもう一匹を出してきてもいいのだぞ。二人まとめて殺せるのならそれに越したことはないからな！」25 #S57Ninja

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「ほざけ。死ぬのはお前だ！イヤーッ！」トログロダイトは懐から剣を取り出すと、勢いよく振るった。「カハハァッ！」グリムジャンパーはこれを尋常ならざる跳躍で回避。常人の三倍の脚力の為せる跳躍！「イヤーッ！」高高度からの流星めいたケリ・キック！「グワーッ！」26 #S57Ninja

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トログロダイトはゴロゴロと地面を転がった。彼のトカゲめいたメンポがひしゃげる。「ウーム。いかんな、そのデザインは……歪む前から気に食わんデザインであったが！」グリムジャンパーはバッタじみたメンポの顎部をカシャカシャと鳴らしながら、トログロダイトの元へ。27 #S57Ninja

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

組織所属のニンジャはある程度トレーニング積んでるから強いのだなあ #S57Ninja

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「イヤーッ！」「グワーッ！」トログロダイトは横っ腹を蹴りつけられ、吹き飛んだ。「カハハァッ……このまま殺してもよいが。先に、ターゲットから始末させてもらおうか」グリムジャンパーはマンホールに近づく。「ヤメロー！」トログロダイトが剣を投擲！だが躱される！28 #S57Ninja

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「直ぐにもう一人来る。そいつが相手をしてくれるだろうさ」グリムジャンパーはマンホールを開け、下に降りていった。トログロダイトは立ち上がり、追おうとする。そこへ「イヤーッ！」恐るべき炎が飛来！「イヤーッ！」彼はこれを辛うじて回避。その前に現る新手のニンジャ！29 #S57Ninja

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「ドーモ！イグニッション、でっす！」新手のニンジャは己の手から炎を噴き上げさせながら、頭だけを下げるアイサツをした。「ドーモ、イグニッション=サン。トログロダイトです」トログロダイトは舌打ちし、カラテを漲らせ、この新手のニンジャと対峙した。30 #S57Ninja

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「ソウカイヤを……なめてはいけなぁい！俺のカトン・ジツで焼き払ってくれよう！」イグニッションは演舞じみた動きを始めた。トログロダイトは苦笑する。「上手くやってくれよ、ミリピード=サン……！」そしてイグニッションへと飛び掛った！「「イヤーッ！」」31 #S57Ninja

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「イヤーッ！」グリムジャンパーは『アナゾコ・イワト』内へと勢いよく侵入した。「「「……ア……？」」」アナゾコに暮らす者達は闖入者を胡乱な目で見上げる。グリムジャンパーは哄笑した。「これはこれは！ゴミクズの溜まり場か！……ヌゥーッ！そこのお前！」33 #S57Ninja

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彼は焦点の合わぬZBR中毒者を指差した。そしてその元へ近づき、胸ぐらを掴み上げる。「アイエ？」「お前。顔のデザインが気に食わん！イヤーッ！」グリムジャンパーは彼の顔にカラテチョップを放った。ナムアミダブツ！その顔面がスライスされた！「アイエエ！アバーッ！」34 #S57Ninja

ジュセー @shiroboshi2

途端、「「「アイエエ！？ニンジャ！？ニンジャナンデ！？」」」アナゾコの者達が急性NRSを発症した！ただ一人、ヤクザだけは無言である。「カハハァッ！イヤーッ！」グリムジャンパーはZBR中毒者の腹部へカラテチョップ。ナムサン！臓物が零れ落ちる！「アバーッ！」35 #S57Ninja