『アバウト・トゥ・エクスプロード』#1

ジュセー @shiroboshi2

「その内臓のデザインが気に食わん！イヤーッ！」グリムジャンパーは臓物を荒っぽく掴み取ると、乱雑にカラテチョップを放った。「アバババーッ！」ZBR中毒者は壮絶な断末魔を上げながら息絶えた。その様を見ていたアナゾコの者達は喚き散らしたが、ヤクザは無言だ。36 #S57Ninja

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「フゥーッ……おい、そこのヤクザ。なんだその態度は。俺を恐れよ！……右脚、左脚、右腕が無いにも関わらず、左腕だけが残っている、その身体デザインが気に食わん！」グリムジャンパーはバッタじみたメンポの顎部をカシャカシャと鳴らしながら彼に歩み寄る。彼は無言だ。37 #S57Ninja

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グリムジャンパーはヤクザの胸ぐらを掴み上げた。「今からお前のその中途半端に残った身体部位を除去する！」「……ザッケンナコラー！」ヤクザが叫んだ！「ア？」「スッゾコラー！」「アー？」「チェラッコラー！」「なめてんじゃねぇぞ！」「イヤーッ！」「グワーッ！？」38 #S57Ninja

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突然の衝撃によってグリムジャンパーは吹き飛び、壁に激突した。ヤクザが地面に落ち、不敵に笑った。そんな彼を拾い上げる少女。「時間稼ぎしてやったのに、戻ってきやがったのか小娘」ヤクザは言う。少女は答える。「どのみち、ここで始末しておかないと後々面倒なので」39 #S57Ninja

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少女はヤクザを、彼のテリトリーに戻すと、油断ならぬカラテを構えた。「ヌゥーッ！おのれ……」グリムジャンパーが苛立ちながら復帰する。少女は先手を打ってアイサツした。「ドーモ、ミリピードです」「ドーモ、ミリピード=サン。グリムジャンパーです！」40 #S57Ninja

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グリムジャンパーもカラテを構える。「お前がミリピードか！……その身体デザイン！……が……気に食わん！」「そうですか。具体的にどこが？」「ア？アー……とにかく気に食わんのだ！修正、除去重点！イヤーッ！」グリムジャンパー跳躍！ミリピードは動じぬ！41 #S57Ninja

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「イヤーッ！」グリムジャンパーの飛び蹴り！「イヤーッ！」ミリピードは彼の蹴り足に、自らのサイドキックをぶつける！「イヤーッ！」「グワーッ！？」グリムジャンパーの足があらぬ方向に折れ曲がった！彼は姿勢を崩し、落下！「バカな！高度が足りなかったのか！？」42 #S57Ninja

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然り。彼の流星めいた飛び蹴りは、常人の三倍の脚力を活かした高高度から放つことによって真価を発揮する。だがここは、『アナゾコ・イワト』は、洞窟のようなものだ。彼はキンボシに目が眩み、カラテが完全に発揮できぬ場へと自ら入り込んでしまっていたのだ！ウカツ！43 #S57Ninja

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ミリピードは仰向けに倒れるグリムジャンパーを蹴り飛ばした。「イヤーッ！」「グワーッ！……イヤーッ！」彼はバッタじみたメンポの顎部を開き、恐るべき噛みつき攻撃へ移行。「その足が気に食わん！除去してデザイン修正！」「イヤーッ！」ミリピードがハイキックを放つ！44 #S57Ninja

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「アバーッ！」ハイキックはグリムジャンパーの顔面へ直撃、彼のメンポは砕け散った。そして盛大に吐血！「アバーッ！こんな、こんな、ああ！メンポが！デザインが！崩れてしまった！」グリムジャンパーは喚き散らしながら後ずさる。「イヤーッ！」ミリピードがケリ・キック！45 #S57Ninja

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グリムジャンパーの首がシャンパンの蓋めいて飛んだ！「サヨナラ！」爆発四散！ミリピードはそれを一瞥することなく去ろうとする。「おい、待て小娘」背後でヤクザが声をかけた。ミリピードは振り向く。「餞別だ」ヤクザがスシ・パックを投げた。彼女はそれを受け取った。46 #S57Ninja

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「安心しろ、まだ開封してねぇ」ヤクザは不敵に笑いながら言った。ミリピードは無表情のままに頷き、『アナゾコ・イワト』を出て行った。アナゾコの者達はNRSを未だに引き摺っており、口々に悲鳴を上げている。ただ一人、ヤクザだけは無言だった。47 #S57Ninja

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『アバウト・トゥ・エクスプロード』#1おわり。#2へつづく。 #S57Ninja