近侍当直部屋日誌IV
- shositu_mitubot
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みつ「じゃーぼくはたおけっと君のとこに戻るね」 長谷「あれはここのところ肌寒いから風邪を引かないようにと買ってきたもので、」 みつ「うん。ちょーふわふわだよ! タオルみたい」 長谷「俺とどっちが!!」 みつ「たおけっとのがふわふわ」 長谷「そうじゃなくて……!!」
2015-09-05 23:35:38長谷「まあ……かわりにぬいぐるみを噛まなくなったからいいか。タオルケットも顔をうずめているだけのようだし……。うっ……しかし以前は俺の肩や胸やわき腹に顔を推しつけて休んでいたのに……う、……うう……ううう……」
2015-09-05 23:36:24長谷「分かりますか!! この!!! 小さな顔や頬や唇や鼻や目のところを、俺の体に押し当ててくるのが!!! あああああ俺に顔をくっつけて安心しきってるんですよ!!!! どれだけ! これがどれだけあああああ言葉にできないです主……ああ……もう一度……もう一度やってくれ……」
2015-09-05 23:44:55長谷「タオルケットを抱えた光忠をさらに背後から抱える俺……。俺は背中から抱くのは好きじゃないんです、主。寂しくないですか。……と思っていつものように腹の上に載せてみると、俺とこいつの間にタオルケットが入ってくる。向き合って横向きに寝ても同じこと。なぜ寝るときにまで体位を真剣に考」
2015-09-05 23:57:47長谷「新婚さんでこれはないな……これは……ない……」 みつ「むふむふ」 長谷「……お前はタオルケットと仲良しだな……」 みつ「むふむふもふもふ」 長谷「……。間男は燃やしてもいいってなんか前の主か誰かが言ってた気がする。前の主色々やらかしてたから正直なんでも言ってた気もする」
2015-09-06 00:01:14長谷「ぐすっ……間男……燃やす……どうせ化繊だろう……燃やす……」 みつ「(ぶつぶつ言ってる……っていうか泣いてる……)」 長谷「石油経済の異物が……あ、刀より石油の方が年寄り……くっ……年功序列など……」 みつ「もー。ぼくが寝たらたおけっとどっかやっていいよ」 長谷「!!」
2015-09-06 00:07:39長谷「(早く寝ろ早く寝ろ早く寝ろ早く)」 みつ「(こわい……)」 長谷「(顔の下半分にタオルケットを押しつけて眠っているこいつの顔……うっかわいすぎて涙が……なんだこの生き物)」 みつ「すやー……」 長谷「よし。顔を俺に押しつけて。はせべくんが一番安心するはせべくんが一番安心す」
2015-09-06 00:11:51みつ「……すー…………」 長谷「はせべくんが一番はせべくんが一番はせべくんが一番……」 みつ「……くにしげ……さま…………」 長谷「……」
2015-09-06 00:32:42みつ「ひぐしっ……。……うー…………さむ……。……もぞもぞ」 長谷「今日は多くの学びを得た日だったな」 みつ「はせべくんはなぢ出てるよ!? おかえり!!」
2015-09-06 10:15:57長谷「ん……? 今くしゃみをしてなかったか」 みつ「うーん……さむくて……」 長谷「やはりタオルケットごときに保温を任せたのが間違いだったな。俺というものがありながら風邪を引かせるとは……!」 みつ「たおけっと君きらいなの?」 長谷「俺とお前の間に布は要らない直接温める」
2015-09-06 10:20:45みつ「ひゃぐしっ……ひぐじゅっ……ひゃぇあぐしゅんっ…………くちゅんっ」 長谷「つらそうだな……よしよし」 みつ「あうー……。ぐて」 長谷「(何もせずともぐったりさせてくれるとはくしゃみ最高か)」 みつ「おとーさんすきー……ぐりぐり」 長谷「くしゃみ最高か」 みつ「??」
2015-09-06 13:24:25長谷「……帰った」 みつ「おかえりなさー。……ぺたぺた」 長谷「?」 みつ「つらい顔してるね。なんかあれだね、……あの子が折れた後みたいな顔だね。……そんな顔してぼくのこと見にきたでしょ。折られる前のぼくを」 長谷「……」ぎゅぅう みつ「くるし、」 長谷「……光忠…………」
2015-09-06 22:25:52みつ「日記、見つかったの?」 長谷「ああ」 みつ「ちゃんとしゅめーはたせたんだねー。えらいえらい。よしよし。なでなで」 長谷「……(ぎゅうう)」 みつ「……ぼくもーそろそろ折れちゃうよー」 長谷「(びくっ)」 みつ「あ、えっと、体が……その……ぎゅーってされすぎて……」
2015-09-06 22:31:55長谷「風邪気味のところ、一緒にいてやれなくてすまなかった」 みつ「いいよ」 長谷「……」 みつ「うーん、こっちおいでよ、はせべくん。ベッドねーふかふかであったかいよ。あっためといたから。ぼくね、すっごくあったかいんだよ。ぎゅーってして寝るとしあわせだよ? お洋服着替えてさー」
2015-09-06 22:33:55みつ「……ね、あったかいでしょ」 長谷「光忠……」 みつ「うん」 長谷「……(ぎゅうう)」 みつ「けほ、……」 長谷「……また俺のを分け与えれば、お前の風邪も治るのか?」 みつ「それはまた別のもんだ……、……治るかもね?」 長谷「……、」
2015-09-06 22:36:06長谷「……どうしてお前が泣いてるんだ」 みつ「だって……だってはせべくんが泣かないんだもん……」 長谷「ああ、……、」 みつ「……よしよし、」 長谷「泣いてるのは……お前のほうだ……」 みつ「そうだねぇ……なんでぼく……泣いてるんだろうね……」
2015-09-06 22:42:59みつ「(はせべくんねえ、……あの子のこと、折れたことだけじゃなくって、もっと記憶がなかった頃のことでも、色々、……みんなに言えないこと、後悔したこと、大事な思い出、いっぱいあるのに……ぼくのこと大事大事にするって決めてから、ぼくにも言わないように言えないようになっちゃったねえ)」
2015-09-06 22:55:46長谷「……子どもを子どもでいさせないとは……父親失格だな。……すまない。……お前に……子どもと……母親と……伴侶と……すべて負わせるつもりはなかったんだ。……光忠。…………なあ。……すまない。……俺が……俺もあいつみたいに、何もないふりして笑えれば……よかったのにな……」
2015-09-06 22:59:49長谷「泣き疲れて眠っているのもまたかわいいな。……明日は存分に甘やかしてやるからな。もちろん子どもとして、だ。待ってろよ。光忠。鶴丸国永あたりには”明日も”だろ、とか言われそうだが……俺がふがいないばかりに……心配かけたな。気を遣わせたな。……もうこんなのは、……。……、……」
2015-09-06 23:09:17