【邪悪の樹――三ツ牙】最終戦闘フェイズ――黎明の樹

これで終わり、これで、
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【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

【最終戦闘フェイズ——黎明の樹】 『引き裂く者』より『貪欲(@Ja3_donyoku)』及び『醜悪(@laidugly)』 『断ち切る者』より『無神論(@toe_atheis)』及び『無感動(@Apatheia_3)』 #邪悪の樹

2015-08-17 00:58:58
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

——それはかつて。 「世界は何処から始まるか?」 少年が問いかけたのを覚えているだろうか。 「世界は世界を支える二本の樹から始まる」 少年が語ったのを覚えているだろうか。 「生命が境界線を越えて生命を食べるのはこの樹が弱ったせい。世界の支えが無いせいさ」 #邪悪の樹

2015-08-17 00:59:58
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

【最終戦闘フェイズ——黎明の樹】 …さて、其処は街の姿をしていた。 煉瓦の並ぶ、暖かな空気の流れる街だ。 人の気配は無い。けれど、並ぶ石畳や、ベランダにかけられた洗濯物は、人の手によるものだ。 不気味な街だ。 遠くに時計塔が見えた。十二時を指し、鐘を鳴らしていた。 #邪悪の樹

2015-08-17 01:00:09
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

今、足りないものは何か 扉をくぐる瞬間の夢物語 少年は語ったことだろう 今、この世界に、足りないものは何か? #邪悪の樹

2015-08-17 18:00:03
【無神論】アシーズモス @toe_atheis

扉を越えた。その先で、『無神論』は街を見た。レンガを積むことによって造られた家の数々。風にそよぐ複数の洗濯物。窓から覗き込めば、先程まで誰かが其処にいたかのようにテーブルの上で湯気を立てている。そんな、普通の街並み。 「なんだ、ここ……」 思わず呆然と呟いた。

2015-08-17 19:07:00
【無神論】アシーズモス @toe_atheis

鐘の音が聞こえる。人は何処にも見当たらない。気配の一つも感じられない。なのに、まるで其処に人がいるかのように街が動いている。足下には石畳が敷かれ、それは真っ直ぐ時計塔へと続いている。針は十二時を指し、空は青く透き通って見えた。

2015-08-17 19:07:02
【無感動】 アパティア @Apatheia_3

その建造物は西のものだった。およそ見慣れたよな、あるいはあちらでの生活が長かったから、いまいち見慣れぬよな。 釈然としない表情を浮かべながら、"無感動"は浅く息を吐いた。 人の気配はなかった。それでも生命の営みが見えた。鳥でも飛んでいないか、とぼんやり空を眺める。

2015-08-17 19:43:10
【無感動】 アパティア @Apatheia_3

「……私達のいる建物が増えたと思えばいいさ」 楽観的に手をゆぅらりと振りながら先行する。呆然と呟く彼に対して無感動的に、抑揚のない常通りの声を届けながら。 はたと瞬きしながら、どこへともなし。とりあえず目に付いた時計塔へと突き進む。周囲に人はいないだろう。そんな"期待"を寄せて。

2015-08-17 19:45:48
【無神論】アシーズモス @toe_atheis

「ああ……ああ、そうだな」 『無感動』の言う通りだと、気を取り直す。何も気にすることはない。何があろうと此処が戦場であることには変わりは無いのだから、別に動揺することでもない。 歩き出した『無感動』に続く。そうだ、呆然としている場合ではない。

2015-08-17 20:00:08
【無神論】アシーズモス @toe_atheis

自分は此処に目的が、『彼女』に会うという目的があってきたのだ。 パキリと足下で氷が砕ける音がした。歩くたびに聞こえる音だ。 ……一回目は、使わなかった。二回目は、分からない。言葉を交わしただけで終われるならば、それが一番なのだが。

2015-08-17 20:00:12
【醜悪】イアシィーミア @laidugly

其処は、奇妙というか不気味というか。兎に角、感じる肌は不思議な感覚に包まれ、そこに自分が立っているということ自体に妙な感情を覚える、そんな場所だと【醜悪】は思った。 平和な場所だ、と言わんばかりに煉瓦は立ち並び、その象徴として洗濯物 は靡いている。正面遠くには十二を指した時計塔。

2015-08-17 19:55:15
【醜悪】イアシィーミア @laidugly

なのに、まるでそれだけを切り取ったように人の姿はない。すぐそこに生活の気配があるというのに、人の気配は感じられない。 「綺麗ねぇ」 瞳に映る光景をそう評価すると、ぎょろぎょろと辺りを見渡し始める。まるで、獲物を探す蛇のようだ。

2015-08-17 19:55:22
【醜悪】イアシィーミア @laidugly

「それで、奴らは何処なのかしらぁ」 何処か感情の篭らぬ声でそう呟くと、正面の時計塔にぴたりと視線を合わせる。そしてそのまま、正面を歩を進める。目立つ物に行けば何かいるだろうという短絡的な考えで。

2015-08-17 19:55:30
『貪欲』アプリストス @Ja3_donyoku

「目的があってここまで来た」  目的があって『邪悪』になった。 「どういう気持ちで、会ってくれるのでしょうね」 醜悪と数十歩距離を開いて時計塔に向かう。 「私を怨まないでほしいけれど」

2015-08-17 20:30:34
『貪欲』アプリストス @Ja3_donyoku

その貪欲には――左腕に手は無く、右手はベルトで巻き付けられた棍棒が握られている。棍棒にはコインが三枚刺さったままだ。 拒絶を潰した、その代価ともいえる傷。 その傷の代価とも云える、『あいつ』の同朋殺し。 「戦う機会だったら、それはそれで面白いけれど」 ただ、それは。

2015-08-17 20:30:51
『貪欲』アプリストス @Ja3_donyoku

「最後に伝えるべきは、言葉であってほしい」 だが、それができないなら。 「――私は、あなたを斃すことを選べる人間です    だから、今も私の仲間で、いてください」 時計塔、近づく。かつての仲間が、近づいている。

2015-08-17 20:30:59
【無感動】 アパティア @Apatheia_3

わずかに体を震わせた。武者震いか、あるいはいつも彼が放つ氷を想起したか。 そんな反応を示せる内はまだ余裕があった。口元を歪ませながら、歩き続ける。 どこまでも広く見渡せる視界。こう広いのなら決して見逃しはしないだろう。

2015-08-17 20:39:47
【無感動】 アパティア @Apatheia_3

――やがて時計塔へとたどり着いたとき、その姿が目に出来たのやもしれん。 無意識に"物質主義"と交換した腕を押さえる。肌の色の異なる。慣れぬ感触。 相対するのは女が2人。金糸のよな髪と、紅蓮のよに燃ゆる髪。 そして"無神論"のほうへと、目配せをしながら。

2015-08-17 20:41:57
【無感動】 アパティア @Apatheia_3

「――どうも、ハジメマシテ」 抑揚のない平坦な声色で、その2人へとコンタクトを試みた。

2015-08-17 20:42:40
【醜悪】イアシィーミア @laidugly

何かが砕ける音がした気がして、はっと【醜悪】は辺りを見渡した。そんな彼女に被さるように、事務的な凹凸のない声が届く。あぁここに居たのかと薄く笑みを浮かべると、其方に向き直る。 「はじめましてぇ」 そこにいたのはスラリとした黒髪の男と、淡い雪のような髪の男。

2015-08-17 21:12:43
【醜悪】イアシィーミア @laidugly

「ねぇ、貴方のお仲間さんどちらかしら」 姿を認めると、すかさず【貪欲】へと向き直り質問を投げかける。

2015-08-17 21:12:59
『貪欲』アプリストス @Ja3_donyoku

「初めまして。私の男、そしてその同胞よ」 唇は一度きゅっと結ばれる 「そちらの"氷を宿す"、黒い髪に青い瞳の男が、  私が蘇らせたいと願い、私をこの『邪悪』へと堕としめた  私の『希望』たる男です」 手を、無神論の方へと差し向けた。 能力を仄めかしたのは醜悪への義理立てだ

2015-08-17 22:00:19
【醜悪】イアシィーミア @laidugly

「分かったわぁ」 【貪欲】の突き出した黒髪の方へ視線を向ける。しかしすぐにそれは、興味を失ったように示されていないもう一人の人物へと。 「なので貴方は殺すけど其方さんは生かして連れ帰るわぁ」 左腕の手の平、そこに生えた口でゆうらりと語りかける。

2015-08-17 22:39:07
【醜悪】イアシィーミア @laidugly

そしてない右腕の代わりに生えた腰の両腕も、向ける。その手には、ナイフが握られている。 「ねぇ彼のこと教えて貰って何だけど、私があいつ止めてるから……貴方は彼とゆっくり話してくる?それとも、一気に二人で掛かったほうが早いかしら?」 小声で、先程までの様子は何処か優しく問い掛ける。

2015-08-17 22:39:20
【無神論】アシーズモス @toe_atheis

時計塔に辿り着き、『無感動』の一歩後ろで止まる。足下が寒い。凍った地面を一瞥し、蹴散らすように足を動かした。パキン。鳴る音は、軽い。 相対するのは二人の女。金髪と、……茶髪。どちらも肖像画でよく見た女であったが、その片方に目を留め、『無神論』は複雑そうな顔をした。 「……——」

2015-08-17 23:00:33
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