『スエズ鎮守府VSラブホテル鎮守府合同演習～変態の夏、パンツの夏～』その３

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「うわ、向こうの陣営めっちゃ泣いてる」 不知火「ぬ゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛っ゛」 望月「こっちもこっちで大泣きだけどねぇ……」 提督「よしよしぬいぬい泣くなー。負けたけど何とかなるからなー。泣くなー、強い子だろー」 不知火「ぬ゛ぃ゛、ぬ゛ぃ゛」 #スエズ鎮守府

高峯みやび @sukamelancholy

その後、まずは夜も遅いのでママ連合が秋月をお風呂に連れていき、涙やら何やらを洗い流した。泣き止んだ秋月はそんな連合知らなかったと驚いてはいたが、一気に複数の母親代わりが増えて、ちょっと戸惑ってはいたが嬉しそうではあった。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

そうして明日の演習は今日のように平和に終われば……と床についた時、誰かが俺の寝室のドアをノックする音がした。 「お、お父……さん……」 ドアを開ければ今日鎮守府で一番頑張った秋月が、震える身体を抱き締めながらこちらを見上げていた。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

吹けば飛ばされてしまいそうな、そんな状態だった。それも仕方がない。つい先程まで秋月は地獄とも言えるような恐ろしい所を一人で進んでいたのだから。 「お、お父さん……あの、お願いが……あります。い、一緒に、寝て……くれませんか」 「ああ、いいよ。一緒に寝よう」 #変態不知火さん

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消灯された鎮守府は秋月にとって、恐怖の巣窟であったあの病棟を想起してしまうのだという。いつあの怪物がドアを破って追ってくるかわからないから、と。……まぁ、仕掛人がそれを仕事にしてる人だったし、迫真過ぎる演技だった。俺もあの場所に一人居たら絶叫していただろう。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

ベッドに入った瞬間、秋月が抱きついてきた。普段は手を繋ぐだけだったのに。 だがすぐにわかった。秋月の身体はまるで小動物のように震えていた。未だに怖いから、こうしているのだ。 「ごめんなさい……秋月、怖くて、お父さんに、またこんな、甘えて……今日だけ……ですから」 #変態不知火さん

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「……今日だけなんて言わずに、いつでも甘えてくれていいんだぞ」 そう言うと秋月はこちらを見てから首を振った。 「いけません……。秋月は空と鎮守府の風紀を守るんです。そんな秋月がいつまでもお父さんに甘えていては、だ、だめなんでしゅ」 ……。 噛んだ。 「ううぅっ」 #変態不知火さん

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「あ、あ、あきぢゅき、こんなのではだめですっ、やっぱり、ひとりでっ」 泣きが入りそうになった秋月を止め、そっと撫でる。 「あー、その。俺って怖がりでさ。モニターから見てもあの怪物、まだ目に焼き付いててさ」 「えっ……、お父さん、が？」 #変態不知火さん

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「だから怖くて一人で眠れそうにないんだ。秋月、俺を守ってくれるか」 そんな、分かりやすすぎる嘘をついた。しかしそんな嘘でも秋月は涙を拭い、笑ってみせた。 「お任せくださいっ、お父さんは秋月がお守りします。あんな怪物にはやらせませんっ！」 #変態不知火さん

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……まだ親になるなんて早いとは思うのだが、娘がこうやって甘えて、それだけではなくちゃんと成長していく姿を見守る。親心とはこんな気持ちだったのだろうか。 母さんは、こんな風に見ていたのだろうか。 親父は……未だに何処にいるのか、わからないけど。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

安心しきった顔で眠る秋月は、とても可愛らしく。父親代わりとしてしっかりしなくてはならないと、そう思い、俺も目を閉じた。 明日は三日目。龍鳳と龍鳳の同艦対決。勝負の種目も勝負の行方もわからない。だがどんな結果になろうとも、こうやって秋月のように甘えさせてやろう。 #変態不知火さん

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

不知火「しっ、しらぬいっ、がんばっ……がんばった、のにぃっ、しれっ、しれいのっ、ごっ、ごきたいっにっ、そっそえなくてぇっ」 提督「それについてはもう大丈夫だから泣くなー」 不知火「ずびばぜんじれい」 望月「だから、なんであたしとしれーかんの部屋で泣いてんのさ……」 #スエズ鎮守府

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不知火「しらぬいっ、じっ、じぶんがなさけなくてぇっ……」 提督「ぬいぬいはよく頑張った。頼りにしてるのも本当だから泣くな。分かった、分かったから」 不知火「でもぉっ」 提督「でも、じゃない。お前の上官の俺が頑張ったって言ってるんだから、お前はそれでいいんだよ」 #スエズ鎮守府

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提督「ぬいぬいはまだ成長途中なんだから、これからゆっくり力をつけていけばいい。足りない分は、俺も含め周りが支えるから心配すんな。だろ、望月」 望月「んー、まぁねぇ」 不知火「ぬー……」 提督「悔しくて泣くのはいいけど、後悔して泣くのは止めろ。話なら聞いてやるから」 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

不知火「ぬぃ……ぬぃ……」 提督「……長くなりそうだから、望月は先寝ていいぞ」 望月「こんな状態ほっぽって寝られるわけないだろー……」 不知火「ぬ゛ぃ……」 提督「次はもっと上手くやれるからなー、よくやったよくやった」 不知火「ぬ゛ー……」 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

望月「……で、やっとぬいぬいが部屋に戻ってったわけだけど」 提督「最後の方、結局泣いてたな」 望月「どーすんの、こっから。ぬいぬいも頑張ったけど、負けは負けなわけで」 提督「考えては、いる」 望月「明日は龍鳳が出るんでしょ」 提督「……なぁ望月」 望月「んー？」 #スエズ鎮守府

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提督「龍鳳のことなんだけど、」 望月「言わなくてもいーよ、わかってる」 提督「でもさ」 望月「わかってるし、信じてる。……それより寝よ？ 明日に疲れてるの引きずっちゃうよ」 提督「望月」 望月「ん？」 提督「ごめんな」 望月「……埋め合わせ、今度してもらうかんね」 #スエズ鎮守府