「ハンガリーHungary」と「フン族」の関係

(ハンガリー史の研究に携わる者としてこれだけはお願いします。「フン族の末裔を称するハンガリー」というデマを広めるのは本当に止めてください…)
2015-09-05 10:43:36
(そもそも彼らの自称は「マジャルmagyar」で、他言語での「ハンガリー」系の呼称(Hungary, Ungarn, Hongrois等)は全て他称。この時点で既に説明がおかしい。全然違う地域とはいえ近現代史や地域研究がご専門でフォロワーも多い方のツイートなので本当に困る。)
2015-09-05 10:54:12
(マジャル人はウラル山脈南部の平原が発祥の地と言われていて、5-6世紀に黒海北岸の平原に移動後、オノグル族という遊牧民の一部を構成するようになる。この「オノグル」が「ハンガリー」の語源であり、フン族とは無関係である。(続))
2015-09-05 10:56:12
((承前)確かに中世以降、フン族起源説は彼の地でも広く信じられてきたけれども、19世紀後半には言語学的な研究が進んでマジャル語がフィン=ウゴル語派に属することが明らかになり、この説は論争の末に否定されている。(続))
2015-09-05 10:58:09
((承前)ただ、ツラニズムや第一次世界大戦後の領土解体の衝撃を受けたナショナル・アイデンティティの模索の文脈でマジャル人の「アジア的」起源を強調する者もいたのは確かで、こうした俗説が高校世界史教員などによって現在に至るまで再生産されてしまっている。)
2015-09-05 11:00:24
前7RT、ハンガリー人の氏名の表示が姓→名の順であること※もあって「マジャール人は匈奴=フン族の末裔でアジア系」と単純に信じ込んでいたが、そんな理解の書き換えが必要だったと言うことか!☆※ハンガリーの作曲家コダーイ・ゾルターン(1882-1967)のラストネームはコダーイですね。
2015-09-05 13:21:49
@Cristoforou ハンガリーはウラル学の管轄ですが各国で若干事情は違うようです。例えば日本では「スラヴ研究」で旧ソ連・東欧圏をまとめて扱ってきた側面もあり、北大のスラブ=ユーラシア研究センターには現在はハンガリーがご専門の先生もおられます。(今後が実は気になっています。)
2015-09-05 11:17:02
@tsujifolyam 仰るとおり、欧州近現代史においては、善意の人の存在に最後の頼みの綱の役割が求められてしまいます。かと言ってそれを組織化するとなると「なぜわたし達がそんなことをしなくてはならないのか」という反発も必ず出てくる…。落とし所を見つけるのは簡単ではありませんね。
2015-09-05 11:09:14
高校世界史の授業でもハンガリーはフン族の末裔という話をきいたなあ。ハンガリーの Hun はフン族の hun ってとこまでは合ってる?
2015-09-05 12:05:34
自分も専門外のところでトンデモな俗説を信じ込んで授業などで話してしまっていないか、これからもその愚を犯してしまわないか、気をつけねば。
2015-09-05 12:26:19
@tsujifolyam うむ。だから現状を鑑みると、外国語で論文書くだけじゃ駄目で、多少啓蒙的な側面を強調して、日本語でも書かなきゃいけないんだと思うのよ。
2015-09-05 12:29:43
@nasastar そうですね…最近、日本語で文献を紹介する段になって困り果てることが続いているので、それは切実に感じます。
2015-09-05 12:46:45
@tsujifolyam 「フン族の末裔を称する」「ハンガリーは自分でそれを言っている」と書いておられるので、ご存知の上でのことでしょうか。誤解がまた広まるという意味では困ったことでしょうが。
2015-09-05 12:29:46
@t_otoshi いえ、ハンガリー人の自称は「マジャルmagyar」であって、よく言われる「ハンガリー」系の呼称は全て他称です。彼らが過去にそう自称した時期はありましたが、現在では否定されています。もちろん「アジア系」という話は雑談は出てきますけれども、それとは別です。
2015-09-05 12:35:16
ついでに言えば、アジアを追われて欧州に流れ着いたついでにローマ帝国を崩壊させたフン族の末裔とも言われるハンガリーが、大量の難民に苦しんでいるのも、不思議な歴史の因果かも知れない。過去の民族大移動というのも、こういう感じだったのだろうか。
2015-09-05 12:30:56
う~ん、客観的に「xの系列であるか否か」と、「ナショナリズムの文脈でxの系列であると認識されているか」は別の問題のような気もするるけど。両者を混同するのはどうだろう。
2015-09-05 12:44:24
@tsujifolyam はじめまして、突然すみません。一連のツイート、概ね仰るとおりだと思うのですが、ハンガリー国歌にムンズクの名が出ていたように記憶しております。国歌のこの部分、現代ハンガリーではどのように認識されているのでしょうか
2015-09-05 12:35:30
@tsujifolyam 外から見てフン族の末裔に思われたために、外にいる人が「ハンガリー」と呼んだ、というのは正しいのでしょうか。
2015-09-05 12:48:29
@nsetz 実は「ハンガリー」の元になっているのはオノグルという部族の名前で、フン族ではありません。twitter.com/tsujifolyam/st…
2015-09-05 12:51:04
@tsujifolyam そうすると、ハンガリー人は自分のことをハンガリー人だとは思っていないし、外からの呼称も元来フン族とは関係なかったのだが、音が似ていたために混同されるようになってしまった、といったあたりが妥当な認識でしょうか。
2015-09-05 13:04:24
@tsujifolyam ハンガリーに限らず、外国史全般に言えることだと思いますが、日本語で紹介できる本が少なくてね。アイルランドなんて、あれだ。文学がそれなりにあるから土地柄を理解させることはできるが、歴史記述とかな。「民族の出自」とナショナリズム絡むとなおのこと。
2015-09-05 12:48:39
騎馬民族ってあたりが何か繋がっちゃったのかなあ。蒙古斑もあるそうだから何となくアジア起源と思われちゃったとか? ハンガリーのミュージカルCD買ったらマジャール語版と書いてあって新鮮だった。 twitter.com/tsujifolyam/st…
2015-09-05 13:20:14
細かいですがハンガリーとフン族は関係ないですよ。確かにアッティラの本拠地はハンガリーのあたりにあったがマジャール人はだいぶ後になってから移ってきた民族 <RT
2015-09-05 13:25:15