黄昏町の怪物/CEs4294

@tasogare_yakuba氏制作の診断メーカー『黄昏町の怪物』の、@CEs4294プレイおよびロールログ ハッシュタグ:#ジブンさがし
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黄昏街 四日目:[街]

クラウ/先生 @CEs4294

[ハンドアウト]気が付くと、君は細い路地を一人で走っている。逃げていたのか追いかけていたのか、思い出すことができない。《開始地点[町]shindanmaker.com/541547#黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541552

2015-09-01 23:40:30
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 景色が駆けていく。延々と続く、灰色の視界が。 コンクリートで挟まれた、長く延びた隙間。開発の途上。隣地との兼ね合いから、必然的に生まれたデッドスペース。日は射さない。流れはしない。ただひたすらに、溜まるだけの場。街の隅にもゴミは積もる。ここは、そういうところだ。

2015-09-01 23:59:57
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL ただ、息が暑かった。後ろは振り返らない。走っている以上、意識するべきは常に前の事だ。先を見ないで変えれるものなど、何もない。 ただ、今だけは見なければならない事が、いや、見えてしまう事が、多すぎた。額の感触に、居心地の悪さしか覚えない。三つ目は、気儘だった。

2015-09-02 00:07:55
クラウ/先生 @CEs4294

[町]高い壁の向こうに廃工場が見えている。どうにかして入れれば、安全な寝床になりそうだ。《探索2以上で発見【魂+2、不要な異形を1つ捨てることができる】、探索1以下で失敗【魂-1】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547

2015-09-02 00:12:00
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL でも、故に、いやだからこそ、それは見つけられたのだろう。様変わりのしない壁。縦横無尽に壁面を這うパイプ。管の隙間に紛れた、人一人分ほどの空間。小さな採光用の窓。内側への、入り口だ。助走は十分過ぎるほどとっていた。足が、地を蹴る。思ったよりも、身体は宙を浮いていた。

2015-09-02 00:14:19
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 踏むだけで、老朽化していたパイプが砕けていく。それだけではない脆さを足裏に感じながら、ジブンは細く切り取られた黄昏の空へ駆けていた。自然、手が伸びた。決して届かない、その果てへ。息が切れる。限界は近い。この壁を超える事は、叶わない。 だから、その小窓へ飛び込んだ。

2015-09-02 00:34:17
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 砕ける硝子の音に、最初の風景を思い出した。階ごと薙払う黒い影。死そのもの。思いを馳せるよりも早く、現実の身体を衝撃が襲った。つくづく転ける事に縁がある。咆哮。窓の外から聞こえたそれが、次第に遠ざかった。追ってくる気配は、ない。遅れた痛みに、思わずうずくまった。

2015-09-02 08:50:13
クラウ/先生 @CEs4294

@CEs4294 ・四日目 ステータス【魂8(+2)/力1(+0)/探索2(+0)│死亡数2】 異形【『三ツ目(力+1、探索+2)』】 感情【-/怒/哀/楽】

2015-09-02 13:43:14

黄昏街 五日目:[街]

クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 暗がりが、身体に馴染む。廃工場に入り込んでから、明かりは灯していなかった。不便でない訳ではなかった。見え過ぎてしまう事の方が、余程辛い。腕なら、使わなければいいだけだ。目はどうしようもない。額の瞼を閉じる筋の動かし方など、ジブンは知らない。要らぬ視界が、脳を侵す。

2015-09-03 22:28:39
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 割れた採光窓。元より、薄暗い裏路地に面したものだ。射し込む光も情報も、僅かしかない。時折聞こえる唸り声も、逸る集団の喚き声も、ここまでは届かない。いつしか時の感覚さえ曖昧になっていた。朧気な輪郭だけが浮かぶ室内。充分だ。それでジブンは、平穏だ。 平穏、だった。

2015-09-03 22:37:38
クラウ/先生 @CEs4294

[町]「君は人?怪物?」竜尾を揺らす女に隙はない「私は怪物」《力3以下は見逃され力9以上は勝利【魂+1】、その他は死亡【魂-1/異形『複口(力+2、探索+1)』『三ツ目(力+1、探索+2)』どちらか入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547

2015-09-03 22:38:11
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 嵐かと疑った。迫り来る音と共に、通路側の壁が怒涛の勢いで崩壊する。さながら、重機を用いた解体工事だ。問題は、使われている得物は鉄の塊でなく、女の尾に掴まれた針鼠めいた化物、いや、化物だったモノだろう。命の灯火はとうに燃え尽きて、肉の形さえもう残るまい。

2015-09-03 22:55:48
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 惨事の中心となっている女は、嗤っていた。引き起こしている破壊そのものにか、それとも諍いそのものにか。ジブンには、解らない。その表情の意味が何か、考える程に遠ざかる。霞がかって霧散する。凪だ。嵐の中心は、いつだって虚ろである。心も同じだ。何かが潰れた、音がした。

2015-09-03 23:22:48
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 尾の先には、もう何も残っていなかった。一つ振るえば、壁に描く紅い軌跡。壁の失せた部屋の中で、それは鮮やかに浮かび上がる。ジブンは今、理解していた。どこにも、平穏などありはしないのだと。女の問いかけにも、宣言にも、凪いだ頭では言葉が浮かばない。足音。距離が、詰まる。

2015-09-03 23:33:36
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 「んー、混じりは三つ目と……それだけっぽいかなぁ」 触れる。額をかきあげた指が、頬を伝って全身を確かめるように這う。掌には、穴。口だ。乱杭歯めいた牙をそぞろめかせた複口。跳ねた心臓。漂う血臭が、どんな香水よりも女を引き立てているように思えたのは何故だろうか。

2015-09-04 07:55:14
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 「私とお揃いだけど、遊ぶにはちょっと物足りなさそうかな?」 笑って、女の髪がおどろめく。よく見れば、それこそが尾だった。触れずとも自在に蠢く髪が額を晒す。三つ目。同じであり、違っていた。完璧な統制。ジブンのものとは、一線を画している。絶えず蠢くこの眼とは、別物だ。

2015-09-04 08:05:35
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 指が離れる。甘い薫りが遠退く。行ってしまう。恐怖よりも先立ったのは、そんな感情で。同じモノを見つけた■■ではない。そんなものを、ジブンは知らない。違い、伸ばした腕。掴んだ手を千切られなかったのは、まさしく僥倖だ。 「……どうしたの?」 分の悪い、賭だった。

2015-09-04 08:18:05
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 一度見逃された。悦楽で殺す性質ではないのたろう。それでも、癪に障ればジブンの命など紙風船より軽い。それでも。 「っ……」 死ねば、また跳ぶ。二度も遭えば予測がつく。亡くなりはしないが、元の所に戻れる保障はどこにもないのだ。それだけは、どうしても嫌だ。

2015-09-04 08:23:59
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 「……名前を、教えて」 彼女の事が、こんなにも目に焼き付くから。

2015-09-04 08:26:13
クラウ/先生 @CEs4294

@CEs4294 ・五日目 ステータス【魂8(+0)/力1(+0)/探索2(+0)│死亡数2】 異形【『三ツ目(力+1、探索+2)』】 感情【-/怒/哀/楽】

2015-09-04 08:26:58

黄昏街 六日目:[街]

クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 彼女はシズと言った。耳に馴染みのない音だった。無くしたのだと苦笑していた。それ以上は聞けなかった。 シズはジブンに多くを語ってくれた。この街の事。住む者と棲むモノの事。生死のサイクル。けれど全てではないのだろう。東の空が白んでいた。時間は、いくらあっても足りない。

2015-09-05 19:30:17
クラウ/先生 @CEs4294

@tsgrTL 比較的高いビルの屋上。場所は、廃工場から移していた。 「あれだけ派手にやらかしていれば、すぐに住人達が押しかけて来てたと思うよ」 惜しむ声色だった。悲しみの感情。その青色(かなしみ)は、知っている。 「シズは、残念?」 「ちょっとね」 シズの想いまでは、知らない。

2015-09-05 19:48:18
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