◇◇◇デイ・オブ・ザ・ロブスター/アウト・オブ・ザ・スペース◇◇◇
「イヤー!」 ニンジャスレイヤーが両腕に力を込める。 「Wasshoi!」 更に腕に力を込める。ニンジャスレイヤーの腕が縄のように盛り上が・・・らない。 25
2015-09-11 11:24:07ニンジャスレイヤーは再び、『この世界』での攻撃法に意識を向ける。 振動や音、感触ではない何かで鎖が壊れていくのが分かる。 「Wasshoi!」 物理的と思える力を両腕に込める。 あっさりと鎖は壊れた。 26
2015-09-11 11:39:20ゆっくりと目を開ける。 タイル貼りの大浴場。 「マグロシマッテ・・・」 口から出たその言葉がキケンであると理解できた。 「イヤー!」 右手に『この世界の』力を込め、勢い良く足を縛る鎖にチョップをし、鎖を切る。 27
2015-09-11 11:52:29ニンジャスレイヤーは困惑した。 空は青く澄み切っていた。ロブスターツェッペリンだけが不気味に浮かんでいる。 街は赤かった。茹で上がったロブスターめいた赤が世界を埋め尽くしていた。 「赤い海めいているな・・・。」 またしても思いが口から出る。 28
2015-09-11 12:02:36街の赤の中で、動く赤がこちらに近づいてきた。 ニンジャスレイヤーは一分の隙もないオジギを決める。 「ドーモ、ロブスター=サン。ニンジャスレイヤーです。」 「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ロブスターです。」 29
2015-09-11 12:09:36「ニンジャ……殺すべし!」 ニンジャスレイヤーは低く押し殺した声でそう告げ、「忍」「殺」と彫られた鋼鉄メンポからジゴクめいた息を吐く。「そんな……ニンジャスレイヤー=サン、何故……貴様がここに……」 たじろぐロブスター。 30
2015-09-11 12:22:06「イヤーッ!」ハサミを構え突撃するロブスター。ニンジャスレイヤーはスリケンを投擲しようとするが……いつもと違い作れない。攻撃を避ける時間はない。アブナイ!「グワーッ!」体勢を立て直しきれず片腕で防御するものの、大きくダメージを受けるニンジャスレイヤー。 31
2015-09-11 12:29:41「イヤーッ!」再びハサミを構え突撃するロブスター。ニンジャスレイヤーはジュー・ジツの構えを取る。 「イヤーッ!」「グワーッ!」ロブスターは肩を大きく地面に打ち付ける!ジュドーの代名詞とも言うべきカラテ技、イポン背負いだ!ゴウランガ! 32
2015-09-11 12:42:04ニンジャスレイヤーはそのままハサミを抱きかかえ、ロブスターの肩を踏みつける! 「イヤーッ!」「グワーッ!」 渾身の力でロブスターの片腕をねじ切った! 「グワーッ!」 肩の付け根からバイオ血液が飛び散る。 「イヤーッ!」 だがロブスターはもう片方のハサミを振り上げる! 33
2015-09-11 12:51:11踏みつけた足を狙ってハサミが横薙ぎに動く。 ニンジャスレイヤーはロブスターを肩を踏みつけたままだ!アブナイ! 「グワーッ!」 苦しんだのはロブスターの方だ! 一体何が起こったというのか!? 34
2015-09-11 12:56:25足にハサミが届く一瞬の間に、ニンジャスレイヤーは足に意識を集中した。足に『この世界の力』を溜めて防御するためである。 その試みは実際防御どころか反撃までできてしまったのだ! 何というニンジャ適応力、ニンジャ判断力であろうか!ワザマエ!! 35
2015-09-11 13:01:25「ハサミがなければどうしようも出来まい、ロブスター=サン!ハイクを詠むが良い!カイシャクしてやる!」 「私一人では無い!我が兄弟が貴様をデリートする!!」 「イヤーッ!」 右手に意識を集中し、振るう。 「サヨナラ!」 ロブスターは爆発四散した! 36
2015-09-11 13:08:40(これまでのロブすじ) ガンドーと共にヨロシサン研究施設を強襲したニンジャスレイヤー。だがその後『ロブスター』の文字がUNIX端末に送られるようになる。 しばし時が過ぎ、シルバーキーと共に横たわるナンシーを前にするニンジャスレイヤー。彼女を救うため彼女の頭へとダイブする。
2015-09-11 17:19:48頭に入って最初の戦いの後、3体のロブスターを倒した。 1体目はナンシーによく似た等身大人形に体操服とブルマーという姿をさせ、卓球台に括り付けてその臀部をスパンキングしていた。 38
2015-09-11 17:25:353体目はナンシーによく似た等身大人形に体操服にスパッツという姿をさせ、卓球台に括り付けてその臀部をスパンキングしていた。 40
2015-09-11 17:30:04ニンジャスレイヤーはその戦いで、幾つかの物を感じた。 かつて戦ったという実感の無い記憶。徐々に慣れていく体。『この世界の力』の限界と残量。 そして、他のロブスターの存在。 41
2015-09-11 17:39:05読者の中にヤバイ級ハッカーはおられるだろうか? その者がいれば目にしたであろう、ロブスターの足元から伸びる細いクモの巣状の紫の糸を。 「早くせねば・・・!」 ニンジャスレイヤーは徐々に強くなるロブスターと、徐々に少なくなる自分の力の残量を危惧していた。 42
2015-09-11 17:49:054体目のロブスターを眼下に捉え、自分の神経を足先の一点に集中する。 「イヤーッ!」 ニンジャスレイヤーは天井を蹴り、竜巻めいた回転ケリ・キックを放つ!それに気づき、ハサミを交差させ防御の姿勢をとるロブスター! 43
2015-09-11 17:59:39だが何たるフシギ!ニンジャスレイヤーの軌道は不規則に変動し、床スレスレを真横に動いていく! 「グワーッ!」 ニンジャスレイヤーは床に手を突き、大きなハサミの下からロブスターの腹を蹴り破る!ゴウランガ!! 44
2015-09-11 18:07:11ニンジャスレイヤーはロブスターの腹を抜ける瞬間にその両肩を掴みねじ切る!何というワザマエか! 「サヨナラ!」 ナムアミダブツ!ニンジャスレイヤーの背後でロブスターは爆発四散した! 45
2015-09-11 18:13:31ニンジャスレイヤーは3体目を倒した直後の事を思う。 何故か、4体目が来ると直感したのだ。それはありえないはずの記憶によるものか、それともこの世界の理によるものか? 「ありえない記憶・・・。」 ニンジャスレイヤーは頭を振り、ロブスターの腕からハサミを切り取る。 46
2015-09-11 18:20:16