【お玉さんの読書マラソン】「名探偵図鑑完読作戦」第7部

お玉さんの読書マラソン企画「名探偵図鑑完読作戦」第7部は、名探偵図鑑完読作戦Special《僕らの好きな人形佐七》。横溝正史の「人形佐七捕物帳」全短篇180本のレビューという前人未到のチャレンジです。「本まとめ」はその前編として、戦前〜戦中の人形佐七作品81本を紹介しています。
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「羽子板娘」 羽子板のモデルとして取り上げられるくらい評判の江戸三小町。その一人のお連が不幸にも川で溺れ死んだ。 そして初七日、彼女が描かれた羽子板が首の箇所で叩き割られた状態で送られてくる。直後、三小町の一人お蝶が刺殺される。その現場にも羽子板が置かれていた……

2015-09-13 02:21:54
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「羽子板娘」 記念すべき人形佐七デビュー作品。同時に佐七の初事件なので辰や豆六といった子分の姿もなく展開は少し硬質。岡本綺堂の半七の文体も意識してるのか文章もちょい硬め。 事件に関係ない要素が多め(あの武士は何だったのか?)なのに、解決編はかなりアッサリ。まだ手探りだったのかな?

2015-09-13 02:23:23
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「羽子板娘」 でもってこの短編、先日も申し上げた通り「とある有名ミステリ作品とクリソツなトリック」が使用されてるんですよ。 オレはあまりミステリのパクリとか気にならない人なんだけど、あまりのクリソツ風味なわけなんで、人形佐七の一作品目と考えると普通は印象悪いよね♫

2015-09-13 02:24:15
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「羽子板娘」 ちょっとネタバレだけど「あのトリックをいかに計画的に使わないようにするためにはどうすればいいか? 」がこの短編のキモ。あのアレンジはなかなかイイ感じと自分は思うんだけど……。むしろ犯人の決め手が推理の面白味の薄い目撃者証言……というのが気になるわ\(´Д` )

2015-09-13 02:25:16
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ちなみにかなり後年の人形佐七で、この「羽子板娘」のスーパーアレンジバージョンのお話があって、そっちの出来がメチャクチャGOODなので(解決編になって初めて「あ〜っ、コレ羽子板娘だァ〜Σ(゚д゚lll)」と)、早くオススメしたいものなのである

2015-09-13 02:25:35
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「謎坊主」 骨董屋夫妻の死体が発見され夫の首が斬られていた。事件の当夜、目の不自由な小坊主が現場に潜んでいたらしい。小坊主は、絵馬にナゾナゾを書き木戸銭を貰って生計を立てる通称謎坊主。 骨董屋の奥さんと謎坊主の間には最近妙な関係がウワサされていた……。 殺人事件犯人は誰なのか?

2015-09-13 02:27:19
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「謎坊主」 いきなりの力作! 犯人が誰か? という点に関しては難易度低いんだけど……、 あの小道具から判明する「いかにも捕物帳的」な諸事情→犯人の決め手となる条件の出し方→トリックの解体の一連の流れが澱みない! それとプラスアルファな序盤に配置した伏線の収集、これも悪くない

2015-09-13 02:27:56
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「謎坊主」 1938年の段階でも「よくある類のトリック」 そちらを脇の諸要素で支える構想が、これからのシリーズの期待感を誘うわけ。 あと佐七の上司の神崎甚五郎の初お披露目の短編だけど、まだキャラクターが固まってないのね。理解力や寛容さが全然見られない無能ぶりが、何かおかしいネ♫

2015-09-13 02:28:53
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「嘆きの遊女」 子分の辰と花見に興じる人形佐七。その花見の最中殺人事件が起こる。殺人の下手人と思われるひょっとこ面は、同じく花を見に来た太夫を取り囲む若者たちの群れの中に紛れ、そのまま行方不明。そして、佐七が事件を調査するうちに太夫が謎の手紙にて花見に呼び出されたことが分かる

2015-09-13 02:29:21
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「嘆きの遊女」 トリックを用いたミステリとしての面白さは「謎坊主」から遥かに後退してるのですが、子分の辰が登場し、作品に洒落っ気が生まれ、一気に明るく楽しく朗らかな捕物話となってます♫ その後177本も続く人形佐七シリーズの基本フォーマットが見られる短編なのですよ

2015-09-13 02:30:52
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「嘆きの遊女」 あと佐七の恋女房であるお粂さんが登場 ( ´ ▽ ` )ノ これまた後の作品世界の嫉妬深くて感情豊かなあまりに魅力的なお粂さんとはキャラクター造形が別人気味なんだけど、それには必然性があるわけで、ミステリとしては小粒なんだけど、お話としては印象に残るんよね

2015-09-13 02:31:26
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「山雀供養」 女盗賊紫頭巾からの予告状が届いた。旗本侍から珊瑚の根付けを頂戴する、といった内容。 佐七の上司の与力・神崎甚五郎と紫頭巾はいわくのある関係だ。 屋敷に待機する人形佐七たちの前に紫頭巾が現れるのだが……

2015-09-13 02:31:40
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「山雀供養」 神崎甚五郎と紫頭巾が交わす会話が小洒落ている♫ そんな二人の関係性に焦点を当てながら、終盤でのものすごいズラしに「えっΣ(゚д゚lll)」とさせられる一本。

2015-09-13 02:32:01
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ここらの一見「今回のお話ってこういう風なお話なのかな?」と思わせておいて、全然別のベクトルのお話に振っちゃったりする読者の予想への裏切りも「人形佐七」では度々試みられているのよね。 中盤あたりからタイトルとお話の内容が全然関係ないモノとかも出てくるからネ

2015-09-13 02:32:39
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「山雀供養」 人形佐七には盗っ人モノが少ないように思えるので、そういう意味では貴重な一本なのかもしれない?

2015-09-13 02:34:45
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで、本日は初期の初期の四本の「人形佐七」を語ってみましたよ。 そして、思った。……コレ、結構、ツライ(>人<;) 短編自体は当然楽しいん、だけど……、心が折れないよう頑張っていくこととする ではでは〜

2015-09-13 02:35:34
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、名探偵図鑑完読作戦Special 《僕らの好きな人形佐七》であります ( ´ ▽ ` )ノ 本日の人形佐七は一本だけ その5「山形屋騒動」 でございますよ♫

2015-09-14 00:26:30
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「山形屋騒動」あらすじ 川を下っていく大きな葛籠。謎の犯行予告を受け取っていた人形佐七がそれを拾い上げると、中には息絶え絶えの豪商山形屋の娘さん! この奇妙な事件を調べるため山形屋へ向かう人形佐七だったが、山形屋にも主人の死体が転がっていた

2015-09-14 00:26:42
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「山形屋騒動」 短い枚数なのに二転三転。 乱歩の通俗モノみたいな構造のお話なのに、横溝正史が書くとすごく生真面目なミステリになってしまうのが不思議? 犯人の正体、及び、犯行の経緯のこんがらがり具合にも面白味があるんけど、あのシーンでの佐七の機転がね、とてもイイ感じなんだよね

2015-09-14 00:27:09
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「山形屋騒動」 お雛ちゃんが超萌え萌え〜(死語)♫ 何なの〜、この甲斐甲斐しさってばよ♫ オレの周りにも、オレのために水ごりをしてくれるような娘さんが欲しいものだ

2015-09-14 00:27:20
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで、今回はこれでおしまいなのだ。 明日は二 or 三本、お届けしたいものだ、

2015-09-14 00:28:12
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