Kaz1379 さんによる翻訳Tweet:ドイツの難民問題への対応についての独シュピーゲル誌の記事。

平井和也@翻訳者を引退しました @kaz1379

【ドイツ誌シュピーゲル】難民問題への対応でドイツに残された手段は現行の亡命法の改革か廃止しかない。bit.ly/1Ynp1TZ 続 pic.twitter.com/5B8InzYL6W

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ブルガリアはトルコとの国境に有刺鉄線を設置して、難民の流入を抑えている。非常事態宣言を発したハンガリーはオーストリア行きの特別列車に亡命申請者を押し込めている。また、ドイツは国境検査を導入した。続

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EU本部のあるブリュッセルでは、加盟国が難民受け入れ割り当て枠の設定を巡って意見の対立が生じている。続

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メルケル首相とオーストリアのヴェルナー・ファイマン首相が15日に欧州の団結を呼びかける前の段階で、EUの亡命政策が失敗だということは明らかであり、制度の脆弱性は過去何年間にもわたって明白だった。続

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ドイツ連邦共和国基本法の第16a条は政治的に迫害された者に対する庇護権を保障しているが、政府は以前からいくつかの条件を加えている。つまり、亡命法はEU域内まで実際にたどり着いた者にのみ適用されることになっている。続

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しかし、欧州の国境政策によってそれは実質的に不可能となっている。EU加盟国は国境にフェンスを設置し、難民の流入を防ぐための障壁を設けている。そのため、シリアやイラクからの難民が欧州まで無事にたどり着くための合法的な手段はない。続

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難民には密航業者にお金を支払って、粗末なボートや人で溢れかえったトラックに乗って欧州まで渡り、亡命申請を行うという手段しか残されていない。続

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しかし、さらにその先には移民および難民の亡命申請手続きを定めたダブリン協定の壁があり、同協定では最初に入国したEU加盟国にとどまることが義務付けられている。続

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さらに、亡命申請が認められたとしても、自由に移動してよいというわけではない。その結果、難民は人権団体から見て問題だと考えられるような環境の下でハンガリーやブルガリア、イタリアの収容施設に押し込まれることになる。続

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ドイツはこれまでこのシステムの中で大量の難民を受け入れる必要性もなく、亡命法を謳歌してきた。2007年時点でドイツに亡命申請を行ったのはわずか19,000人だった。続

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しかし、ドイツはこのまま偽りの政策を続けることはできない。イラクやシリアの紛争によって制度が根本的な変更を強いられている。切羽詰まった難民がいる中では、最も制限度の高い亡命政策をとっても移民の流入を防ぐことはできない。続

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こういう中で、ドイツは亡命政策を根本的に改正し、積極的な移住計画の実施や大使館を通じての亡命申請、欧州に渡る難民に対する十分な合法的手段の保障を検討すべきだ。続

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また、ダブリン協定を廃止し、全欧州諸国が難民の受け入れ割り当て枠を引き受けるような制度に変更すべきだ。違反した場合には制裁を科すという条件を導入し、EU加盟国が難民に対する最低限の基準の裏をかくことができないような制度を担保する必要がある。続

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亡命制度の改革はドイツにとって高いコストがかかるが、リソースはある。2015年上半期、ドイツには歳出を210億ユーロ以上上回る歳入がある。続

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亡命法改革に代わるものとして、同法の廃止が考えられる。ドイツ政府としては、この選択肢は理論上は考えられるが、実際には現在の難しい状況下ではこの選択肢はとり得ない。続

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亡命法の廃止という選択肢はドイツが重視する価値観の全てを否定することになるが、現在の組織的偽善の制度よりは誠実なものと言えるだろう。了