山本七平botまとめ/【戦中・戦後をつらぬく"目"③】投降について

山本七平『人生について』/戦中・戦後をつらぬく"目"/203頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

①【質】話を本筋に戻しまして…別の地区の副官が投降命令を持って来たんでしたね(笑)。 【山本】ええ(笑)。 …ダラヤという所にいるアメリカ軍と連絡して、向こうの指示を受けよという降伏命令が出まして…で…行ったんですが、それがアメリカの将校と話した最初なんです。<『人生について』

2015-09-16 08:09:07
山本七平bot @yamamoto7hei

②【質】凄く勇気のいる事だったでしょうね。 【山本】その時が一番怖かったかもしれませんね。 両軍停戦といってもあいだにゲリラがいましてね。それに命令そのものが本当だかどうだかわかりませんしね。 で、とにかく行ってみて、9月の11日にそこへ集結しろという命令を受けて戻ったんです。

2015-09-16 08:38:56
山本七平bot @yamamoto7hei

③【質】距離は離れているんですか。 【山本】そんなにはないと思いますよ。 ただあの時は栄養失調でフラフラでしたからね、すごく長く感じましたよ。

2015-09-16 09:09:15
山本七平bot @yamamoto7hei

④【山本】靴はもうありませんから、ワラジみたいなものを履いて、蛇行している川を三回も四回も越えて、ジャングルの先端に出て、そこから歩き出して、集落を二つぐらい越した先の所なんですけどね。 【質】集落を通ることがまた不安なわけでしょう。

2015-09-16 09:38:53
山本七平bot @yamamoto7hei

⑤【山本】最初の集落は人の子一人いませんでね。次の所では原地人にかこまれましてね、これが一番気味が悪いんですよね。 ただ、こちらは完全武装していますから、近寄ってはこないんですよね。 【質】健康な人間でさえフラフラですから、傷病兵は困ったでしょう。

2015-09-16 10:09:06
山本七平bot @yamamoto7hei

⑥【山本】それが一番大変でして、向こうが兵員輸送車を出してくれる地点まで病人を運ぶわけでして、殆ど動けないんで…それを何回も運ぶわけです。 【質】兵器もあるわけですね。 【山本】その点はきびしく言われまして、アメリカは、絶対に原地人に兵器を渡してはならないというんです。

2015-09-16 10:38:55
山本七平bot @yamamoto7hei

⑦【山本】この兵器というのが、人間は死ぬんだけども、あとに兵器だけが残るんですから、たくさんあるわけですね。 で、できるだけ持ちて出たんですけど、かなりの兵器をジャングルの中に捨てて来ましたね。

2015-09-16 11:09:12