- yamamoto7hei
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①【質】話を本筋に戻しまして…別の地区の副官が投降命令を持って来たんでしたね(笑)。 【山本】ええ(笑)。 …ダラヤという所にいるアメリカ軍と連絡して、向こうの指示を受けよという降伏命令が出まして…で…行ったんですが、それがアメリカの将校と話した最初なんです。<『人生について』
2015-09-16 08:09:07②【質】凄く勇気のいる事だったでしょうね。 【山本】その時が一番怖かったかもしれませんね。 両軍停戦といってもあいだにゲリラがいましてね。それに命令そのものが本当だかどうだかわかりませんしね。 で、とにかく行ってみて、9月の11日にそこへ集結しろという命令を受けて戻ったんです。
2015-09-16 08:38:56③【質】距離は離れているんですか。 【山本】そんなにはないと思いますよ。 ただあの時は栄養失調でフラフラでしたからね、すごく長く感じましたよ。
2015-09-16 09:09:15④【山本】靴はもうありませんから、ワラジみたいなものを履いて、蛇行している川を三回も四回も越えて、ジャングルの先端に出て、そこから歩き出して、集落を二つぐらい越した先の所なんですけどね。 【質】集落を通ることがまた不安なわけでしょう。
2015-09-16 09:38:53⑤【山本】最初の集落は人の子一人いませんでね。次の所では原地人にかこまれましてね、これが一番気味が悪いんですよね。 ただ、こちらは完全武装していますから、近寄ってはこないんですよね。 【質】健康な人間でさえフラフラですから、傷病兵は困ったでしょう。
2015-09-16 10:09:06⑥【山本】それが一番大変でして、向こうが兵員輸送車を出してくれる地点まで病人を運ぶわけでして、殆ど動けないんで…それを何回も運ぶわけです。 【質】兵器もあるわけですね。 【山本】その点はきびしく言われまして、アメリカは、絶対に原地人に兵器を渡してはならないというんです。
2015-09-16 10:38:55⑦【山本】この兵器というのが、人間は死ぬんだけども、あとに兵器だけが残るんですから、たくさんあるわけですね。 で、できるだけ持ちて出たんですけど、かなりの兵器をジャングルの中に捨てて来ましたね。
2015-09-16 11:09:12