『ザ・ベスト・クロス・メイ・ハヴ・ア・ミリピード・イン・イット(再放送版)』#1
- shiroboshi2
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☆馬陸☆ 再放送がはじまります。放送されるエピソードは、私のテキストカラテの中で一番人気(独断)のエピソードです。そこには、私のテキストカラテの中で、もっとも人気のあるニンジャ(独断)が登場します。 ☆節足☆ #S57Ninja
2015-10-03 18:57:47「イヤーッ!」「イヤーッ!」闇夜に響くイクサの声。交差する影。「グワーッ!」片方の影が吹き飛び、『たいへん良いです貴方』と書かれた電子看板に身体を埋めた。ZRAM!電流が疾駆する。「グワーッ!」影が電光によって照らされ、金属製のメンポと柿色の装束を見せた。 1 #S57Ninja
2015-10-03 19:04:09「お、おのれ……おのれ!」柿色の装束、金属製メンポをつけたその人物は、怒りの色を目に携え、看板から抜け出す。直後、「イヤーッ!」カラテシャウトともに、鋭いカカト落としが!「なに!グワーッ!」彼は頭頂部を打ち付けられ、地に向かって落下し、地面とキスをした。 2 #S57Ninja
2015-10-03 19:08:32「ア、アバッ……」男は苦痛に喘ぎながら立ち上がる。そして目を見開いた。タタミ二枚分ほどの距離にイクサの相手が降り立ち、彼に向かって、ゆっくりと歩みを進めたからだ。『海とか……』『アッお得な』……寂れた電子看板が火花を散らしながら、その姿を仄かに照らす。 3 #S57Ninja
2015-10-03 19:11:29何ら変哲もない洋服。ここネオサイタマにおいては、逆に目立ってしまうであろう、そんな普通の服。バチバチ、バチバチ……寂れた電子看板の仄かな光が、その顔を撫でる。秀麗な顔の少女だ。彼女はゆっくりとした足取りで、自らのイクサの相手……ニンジャの元へ向かう。 4 #S57Ninja
2015-10-03 19:17:27「バ……バカめ!イヤーッ!」柿色装束のニンジャが不意にクナイ・ダートを投擲!「ニンジャの死因はトドメにあり!ノコノコと余裕を見せたのが貴様の死因というわけよーっ!間違いなく殺した!」ニンジャは勝利を確信し、拳を高々と掲げる!「そうなんですか」 ……冷たい声。5 #S57Ninja
2015-10-03 19:22:23声の主たる少女は、飛来したクナイ・ダートを掴み、無感情に言う。「ありがとうございます、アーマンド=サン。勉強になりました」アーマンドと呼ばれたニンジャは驚愕した。「な……バカな!」 「イヤーッ!」少女は駆け出し、アーマンドのワン・インチ距離まで到達。6 #S57Ninja
2015-10-03 19:27:40ガッツポーズしてたせいで、ワン・インチまで踏み込まれても対応できないウカツっぷりヤバイ…何というサンシタ…。 #S57Ninja
2015-10-03 19:31:47「間違いなく殺せたはずなのに!」アーマンドが喚くが、少女は聞く耳持たず、「イヤーッ!」ヤリめいたキックを放つ!「アバーッ!」アーマンドは顔面を強かに打ちつけられ、吹き飛んだ。メンポが砕け散る。彼は地面をゴロゴロと転がっていった。「アバッ、アバッ……」 7 #S57Ninja
2015-10-03 19:34:59「ア、アバッ……畜生……」アーマンドは血反吐を吐きながらブザマに地を這う。「ち、畜生、テメッコラー……ソウカイヤは、テメェ、を、逃さ」「ハイク、詠みますか?」少女はアーマンドの言葉を遮り言った。「……ア……?」「ハイク、詠みますか?よくわからないですけど」8 #S57Ninja
2015-10-03 19:36:11「なにを言って」「ハイク。最期に。詠みますか?って。意味は、よくわからないんです。ただ、そう言えと……言われた気がしたので」少女はずり落ちたオーバーニーソックスを戻しながらアーマンドの返答を待つ。「アバッ、アバッ……嫌だ……死にたくねぇ……」「そうですか」9 #S57Ninja
2015-10-03 19:40:31少女は無表情のまま、アーマンドの側まで歩く。地を這いブザマを晒すアーマンドを侮蔑的に見下ろし、そして……「イヤーッ!」頭部を踏み潰す。「サヨナラ!」アーマンドは爆発四散した。少女は服に付着した返り血を暫し見つめた後、表通りのネオン街へと足を運んでいった。 10 #S57Ninja
2015-10-03 19:46:39……事の発端は、珍しく重金属酸性雨が一時間ほど止んだあの日だ。あの日、少女アケシ・ノノミは、いつもと変わらぬ学校生活を送っていた。屋上に呼ばれ、罵倒を受ける。或いは、暴力を振られる……彼女にとってはチャメシ・インシデントといえる、変わらぬ学校生活を。 11 #S57Ninja
2015-10-03 19:53:44