- kirisame_zaha
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22. 「少し疲弊してきている。護衛くらいなら辛うじてってとこだ」 「お願いします、榛名、行きます」 隼鷹に護衛を頼み榛名がインセンディアリーに向かう。敵戦闘機が襲いかかるが護衛の隼鷹の艦載機が追い払う 「はぁー!」 「サセヌ!」
2015-10-14 23:30:1523. 展開したアームでインセンディアリーの左側面にある発光体を掴む。この距離では砲も当たらない。敵戦闘機が群がるがその中で掴み続けている 「悪夢は、榛名が断ちます!」 艤装にさらに力が入ったように見える 「グオオオオオオオ、舐メタ真似ヲ…」
2015-10-14 23:35:34なお発光体とはこれの向かって左側にあるダイソンみたいな部分ね pic.twitter.com/Y1TU8gtoZ6
2015-10-14 23:38:3824. しかし 「フンッ!」 「しまった!」 突如放たれた護衛機を上回る大量の敵戦闘機によって榛名は集中砲火の危機にさらされる 「たぁっ!」 榛名なそのまま強く後方へ飛ぶと同時にインセンディアリーの球体付近で爆発が起き、その衝撃で飛ばされる
2015-10-14 23:39:2425. 「榛名さん!」 他の艦娘が駆け寄る。損傷こそないものの体力はかなり消耗している状態だ 「すみません、榛名が力不足で」 「そんなことないよ。榛名さんいつも一番頑張ってるっぽい!」 青葉と夕立に助けられつつ榛名は再び立ち上がる
2015-10-14 23:44:2126. 「チョクセツ来ルトハ。貴様ラノ艦隊ハ猪突猛進バカリカ?」 「意味なく進んでいるのではない、その一歩。その走りにはその艦が乗り越えた運命、そして過去が詰まっている。でなければ走れたものではない」 インセンディアリーの再度の問いかけに対しザハ提督は答える
2015-10-14 23:45:4627. 「しかしどうしたものか」 悩むザハ提督をよそにインセンディアリーから 「燃エ尽キロ!!」 「危ない……!」 赤く光る爆撃機による爆撃……いやもはや絨毯爆撃と言っても過言ではない。生き残っていた深海棲艦すら巻き込み尋常ではない水しぶきを上げて迫る急ぎ離脱する青葉と夕立
2015-10-14 23:49:1828. 「だめ、艦載機が持たない」 「その上にあんなの喰らったらひとたまりもないぞ」 榛名の姿がまだ見えないが水しぶきがおさまる 爆撃をギリギリ避けたところで榛名がいたが様子が何か変である。直立不動、他の艦隊からしかわからなかったが艤装からはただならぬ力が漂っている
2015-10-14 23:52:2629. 「紙一重トハ、死ニタガリノヨウダナ」 「ドーモ……」 「ム?」 「ドーモ。インセンディアリー=サン」 海上で艤装はアーム上に展開したまま榛名はアイサツをする
2015-10-14 23:56:2830. 「ハハハハ、アイサツスル艦娘ガイルトキイテイタガマサカココニモイルトハ」 「アイサツニハアイサツヲ……。ドーモ、榛名=サン。インセンディアリーデス」 アイサツ後直ちに爆撃機を向かわせる。それを先ほどと同じ、いや少し早い程度の速度でかいくぐる榛名は至近距離まで詰め寄る
2015-10-15 00:02:5131. 「イヤーッ!」 もう一度発光体を掴む 「同ジマネヲ……ム」 「提督が言ったはずです。この一歩は!榛名が……皆さんがここまで来るのに、どれだけの過去を超えてきたか!」 ただならぬ気配を持った榛名の艤装とインセンディアリー発光体は強く反発を続ける 「イヤーッ!」
2015-10-15 00:05:0632. 榛名その叫びとともに発光体は艤装より引きちぎられる 「グワアアアアアアア」 これまでに無い叫びをあげるインセンディアリー 「三式弾、砲撃開始!」 砲身を向け三式弾にて焼き払う。 pic.twitter.com/11EPLgthrf
2015-10-15 00:11:3133. インセンディアリーは炎に包まれるが榛名には何も起こっていない 燃え続け、そして原型を留めなくなるほど溶ける 「ドウシタノ…アタシ……アレ…セカイガ……海、が……」 断末魔すらなかったインセンディアリー。だが残ったその「声」とともに周囲の雲が晴れる。
2015-10-15 00:12:0434. だがそれだけではなかった。周囲の鉄底海峡の島々も、インセンディアリーが鎮座していた背後の巨大な島も同時に消滅したのだ。 「あ、向こうに艦隊が見えるっぽい」 「味方の艦隊かな……」 夕立とヴェールヌイが遠くの艦隊を確認する中通信が入る
2015-10-15 00:12:2935. 「飛行場姫が突如消失した。雲が晴れたので制圧したと思われますがどちらかというと海域ごと消えてしまったような……一体何が起こったのですか」 「勝ったんだよ。過去にな」 味方への通信にその場ではザハ提督は一言返すだけであった
2015-10-15 00:13:4936. その後周辺の調査が行われたがアイアンボトムサウンドがあった場所は深海棲艦の姿は現状見られなかった。 北部の機動部隊も味方の奮戦により大きな犠牲は出すことなく一度後退したらしい。 この機動部隊については本土から援軍が到着次第攻撃に移るという
2015-10-15 00:18:3937. またこの海域の地形については現状島々こそあれど作戦開始時とは全く違っていた。指示を出したとおり島の反対側では通常通り攻撃が行われていたらしい。 やはり「造られた」場所であったのか。それともこれ自体が長い夢であったのか……
2015-10-15 00:21:2238. 「ごめんなさい、また無理してしまいました。心配をおかけしてしまって」 「いや、もういい。ある意味俺も迷いを断ち切れた気がするからな」 ベッドの横になった榛名の横でザハ提督は横の椅子に座っている
2015-10-15 00:22:2339. 艤装こそ大きな損傷はなかったものの肉体への疲労が激しく入渠すらままならない状態であったが逆に肉体の酷使だけに過ぎなかったのが救いであった。 こうして横になった状態ではあるものの状態でお互い話をできるまでには回復した。
2015-10-15 00:22:5140. 「明日には動いていいみたいです。また次の作戦に備えないといけませんね」 「やれやれ、榛名はほんと働き者だな。少し外に出てくるよ。ゆっくりと休んだ方がいいし」 「はい、ありがとうございます」 なお青葉に関しては逆に艤装の損傷が激しく工廠の妖精さんにこっぴどく怒られたようだ
2015-10-15 00:24:0041. 司令部を出て海沿いの場所に腰を下ろし、八卦炉銃槍を肩にもたれさせかけながら遠くに広がる海を見ているザハ提督。 「おや、確か君は」 深瀧の秘書艦娘であった 「司令の横、いいか」
2015-10-15 00:27:11