前説
本題
一隻廃艦にするにあたっての砲弾投射量が半端じゃない上に、砲身命数や人件費にはじまる運用コストとか考えるとミサイルと魚雷の大天使っぷりよ
2015-10-16 19:52:20大天使対艦ミサイルが地位を獲得したのが第三次中東戦争のスティックスやフォークランド戦争のエグゾセのあたりなので、艦砲が活躍するにはそんくらいまで遡らないと難しいのだろうな
2015-10-16 20:02:45シェフィールド案件、そもそもエグゾセで攻撃されたこと自体が疑問視されてたくらいだから、当時どれだけ対艦ミサイルが評価されてなかったのかとも思う
2015-10-16 20:16:31シェフィールドが不発のミサイル一発で沈んだ理由としては ①アルミ構造材による急速な火災の拡大 ②居住性向上のために可燃物が満載されていたこと ③被弾の衝撃で主消化管の機能停止 ④有害な煙による応急指揮所の長期無力化 ⑤可搬式ポンプの能力不足 など、私の知る限りでも枚挙の暇がない
2015-10-16 20:33:00ちょっと脱線
シェフィールド(HMS Sheffield)の沈没原因の1つに「調理室に突っこんだミサイルの炎がフライ油に引火して云々」というのはデマという話し
食用油の「し」の字も出てこない。油に引火したのは確かだが、それは補機室のディーゼル燃料油である。
そりゃまあ考えてみれば当然の話で、2階建て木造家屋の火事じゃないのだから、4800トンの駆逐艦を燃やすのに、天ぷら油の熱量だけで足りるはずがない。
ではいったいこの与太話のネタ元はどこなのか。
探してみたら、実はそれは案外簡単に見つかった。
なんとそれは、紛争直後に出版され、現在でもフォークランド紛争についての日本語の書籍としては最初にあげられるほど著名な、堀元美著「海戦フォークランド」だったのである。
以下引用する。
命中位置のすぐ前方が調理室で、300人の乗員の昼食用にフライ鍋に食用油が一杯入れてあった。調理用の油は英米ではよく軍艦の火災の原因となることがある。シェフィールドでは、ミサイル命中の直後に、フライ鍋に爆発的に引火して5人の調理員(香港籍中国人だった)を即死させ、調理室に大火災を起こさせた。
フライ鍋の調理用油に引火したことが、本艦の大火災の一因となったらしいと判断されると、艦隊ではただちにフライ料理の禁止を発令してしまったので、不自由勝ちな戦時の食卓は一層味気ないものになったのである。
(「海戦フォークランド」堀元美、原書房 1983 p60)
そもそもエグゾセを食らうにあたってイギリス海軍自体がアルゼンチンの航空部隊を舐めてる感があって、シェフィールドの僚艦グラスゴーはシュペル・エタンダールのレーダーをES探知して警報も発しているのだけど、インヴィンシブルは誤報扱いした上に、シェフィールドに至っては聞いちゃいなかった
2015-10-16 20:47:22シェフィールドが目標を探知したのは被弾の15秒前(!)。しかも目視。レーダーでもESMでもなく目視である。因みにESMはその瞬間まで衛星通信機の試用の影響で、使用不能となっていた。
2015-10-16 20:56:56なお当然目視してそれがエグゾセだと気付くわけもなく、シェフィールドの対空部署は配置につくこともなく、チャフを発射することもなく、そんな状態で被弾したのだ。
2015-10-16 21:06:365/4 1356Z グラスゴー、目標ES探知。シュペル・エタンダール搭載レーダー3スイープ。艦隊に警報を発する。(シェフィールドの士官はコーヒー飲んでて聞いてなかった 1358Z グラスゴー、目標祭探知。2つの不明低空目標、SW25マイル 1400Z グラスゴー、対空戦闘配置
2015-10-16 21:23:071403Zにシェフィールド被弾なので、グラスゴーだけ見てるとしっかり対処しているように見えるし、艦隊全体がこんな感じだったなら、エグゾセが命中することは無かったかもしれない。 しかし実際にはインヴィンシブルは警告を間違いだと宣言して、シェフィールドはコーヒーを飲んでいた。
2015-10-16 21:25:57因みにイギリス海軍はエタンダールとエグゾセミサイルは艦隊に対し重大な経空脅威となると思っていたようだけど、アルゼンチンに限ってはフランス人技術者は引き上げて、実装済みなのは1機1発1セットだけ。特別な脅威ではないと判断していた。 要は整備不良でまともに動かないだろうと見ていた。
2015-10-16 21:34:09