#空想の街 【ハンツピィの宴2015】#天真少年 #魔術師アル #なごみ茶屋 まとめ

春木のん @Haruki_Non

どうやら、俺の尻尾は大丈夫？取られない？本当に？ 「洸太郎お兄さん、大福ありがとう！」 俺は鞄の中から、LEDのペンライトをふたつ出して渡した。 「じゃあ、おやすみなさい！」 尻尾を巻いたまま、俺はボードに乗って走りだす。 @nowhere_7 #赤風車 #天真少年 #空想の街

不可村天晴／ネプリ配信中 @nowhere_7

@Haruki_Non 「気を付けていけよ！」有難うと叫びながら、実華は両腕を振る。それに併せ肩や腰の翼も揺れた。 「もうお兄さんなんて年じゃないのに、えへへ」洸太郎はというとまた角のあたりを掻いている。「やっぱり帰る場所があるんだね。よかった」 #天真少年 #赤風車 #空想の街

春木のん @Haruki_Non

「確かコッチだったよな～」 地面から少し浮いた、車輪の無いスケートボードに乗りながら、俺は瑛さんのいる花心亭へ向かって走る。 前にもらったタウン誌の地図を見たけど、一度配達をしたこともあって、無事にたどり着くことができた。 @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街

春木のん @Haruki_Non

「こんにちはー！」 ボードから降りると左脇に抱え、お店の中へ。 今日も、お菓子のいい香りが……なんか、オオカミの尻尾が付いてから、鼻もよくなった気がする。特に美味しい匂いには敏感で、とにかく、お腹がすいた！ @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街

日下 昊@Creemaショップ開店 @sola_Dante

「いらっしゃいませ。お久し振りですね、天真さん」丁度湯が沸いた所だった。フライパンをガス台に置いて点火する。「どうぞ座ってお待ち下さい、特別にパンケーキを焼きます」バターを滑らせたフライパンの上に生地を流し込む。@Haruki_Non #天真少年 #空想の街 #花心亭

春木のん @Haruki_Non

「お久しぶりです瑛さん！今日は配達じゃなくて、客として来ちゃいました！」 外の庭が見える席に座るとすぐに、バターが溶ける良い香りが店内にふわっと広がった。瑛さんの作る、パンケーキ♪パンケーキ♪尻尾も嬉しくてパタパタ♪ @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街

日下 昊@Creemaショップ開店 @sola_Dante

「パンケーキのお代は要りませんよ？丁度夜食に作ろうと思っていましたので。一緒に食べましょう」そう言うとフライパンを煽って生地を裏返す。ポットにアールグレイを煎れティーコゼーを被せた。@Haruki_Non #天真少年 #空想の街 #花心亭

春木のん @Haruki_Non

「いいんですか？ありがとうございます！」 食べさせてもらえるのは、とても嬉しいけど。食事をするときは、誰かと一緒の方がもっと嬉しいと俺は思う。瑛さんが作ったパンケーキと、瑛さんを待っている時間は、たぶん一番良い子でいる。 @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街

日下 昊@Creemaショップ開店 @sola_Dante

二枚目のパンケーキを焼く間に、一枚目に柘榴ソースでジグザクを描く。テーブルに着いている天真少年の前に先に皿を置くと、直ぐにガス台に戻る。フライパンを煽りながら「バターとホイップクリームどちらにしますか？」と尋ねる@Haruki_Non #天真少年 #空想の街 #花心亭

春木のん @Haruki_Non

「バターで！」即答。 目の前に置かれたお皿の上のパンケーキには、赤い果実のソースで模様が描かれている。うわーなんだろうこの赤いの？苺？ラズベリー？ちょっと大きな種も見えるからザクロ？間違いなく美味しいのはわかる。確実に。 @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街

日下 昊@Creemaショップ開店 @sola_Dante

二枚目が焼けた所で、バターを一掬いずつ二人分の皿に乗せ、温めてあったティーカップにアールグレイを注いだ。「ナイフとフォークがまだでしたね」ナフキンに包んだそれを少年に渡し、木製ののスツールを向かいに置いて座った。「どうぞ」@Haruki_Non #天真少年 #空想の街 #花心亭

春木のん @Haruki_Non

「わー！いただきまーす！」 ナイフは右手、フォークは左手で、いいんだよな？うん？まいっか！ざっくりと半分にパンケーキを切って、フォークに刺して口に頬張る。うまい！美味しい！芳醇なバターのダンスパーティーや～！ @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街

日下 昊@Creemaショップ開店 @sola_Dante

美味しそうに食べる姿を見て微笑みながら、瑛も一口咀嚼する。「午後に行われる宴にはご参加を？」不意によく動く尻尾を見て尋ねてみた。@Haruki_Non #天真少年 #空想の街 #花心亭

春木のん @Haruki_Non

残念ながら２口でペロリと食べてしまったパンケーキを飲みこんで、頭を縦に振る。 「宴に行ったら、御馳走があるんですよね？絶対に行きますよ！瑛さんも行くんですか？」 気分が良いせいか、尻尾はずっと左右に揺れている。 @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街

日下 昊@Creemaショップ開店 @sola_Dante

「私は料理とお菓子を置きに行くだけですよ。店を空ける訳にはいきませんので」そう言うと、少年のティーカップにお代りの紅茶を注いだ。@Haruki_Non #天真少年 #空想の街 #花心亭

春木のん @Haruki_Non

「ありがとうございます！」注いでもらった紅茶を一口。 「宴も料理とお菓子を出すんですね。瑛さんのほかに、店番できる人はいないんですか？」 ここで瑛さんしか見たことないけど、お菓子も料理も全部一人でつくっているのかな？ @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街

日下 昊@Creemaショップ開店 @sola_Dante

「私以外には店番はいませんよ。ここには一人住まいです。薬の販売も難しいですし。薬師は他に病院にいるくらいですからね」思いつきで、失礼ながら昨日の売れ残りの焼き菓子を持って行きませんか？と聞いてみた。@Haruki_Non #天真少年 #空想の街 #花心亭

春木のん @Haruki_Non

「全部ひとりでやってるんだ。すごいね瑛さん！」 衣食住から仕事まで、俺がひとりで全部出来ることって何かあるのかな。 ちょっと真剣に将来を考える気になったけど、焼き菓子をくれると聞いて「ヤッター！」と言ったらすぐに忘れた。 @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街

春木のん @Haruki_Non

「いっぱいご馳走様でした！」 お代はいらない、と言われたけど。鞄の中から、小さな花瓶をひとつ。 「お庭のお花をこれに生けると、いつもより長持ちするんです。良かったらどうぞ！」 @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街

日下 昊@Creemaショップ開店 @sola_Dante

受け取ると、ふとお祖父様が発明家だと言うことを思いだした。「お祖父様は素晴らしい発明家ですね。有難う御座います。早速朝に使ってみますね」菓子を入れた袋を手渡す。「夜道、お気を付け下さいね」@Haruki_Non #天真少年 #空想の街 #花心亭

春木のん @Haruki_Non

「美味しそうーこんなにいいんですか？」 もらう気は満々だけど、一応断りをいれると、瑛さんは優しく笑ってくれた。 「ありがとうございまーす！」紙袋を鞄に入れて、店の外へ。 瑛さんに振り返り、思いっきり頭を下げて礼をする。 @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街

日下 昊@Creemaショップ開店 @sola_Dante

「ではまた次の機会にお越し下さいませ。いつでも歓迎致します」と良いながら手を振って見送る。@Haruki_Non #天真少年 #空想の街 #花心亭

春木のん @Haruki_Non

「またね、瑛さん！」 見送りをしてくれる瑛さんに手を振り返した後、車輪の無いスケートボードのスイッチを入れて宙に浮いたそれに両足を乗せる。そして滑るように、ボードは街を走りだした。 @sola_Dante #花心亭 #天真少年 #空想の街