rsbs日誌#44

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　そう呟くのは、憔悴しきった顔の浦風だった。瞳の色は濁り…しかし、その奥底は何かを求めている様であるのが見て取れた。足りない。物足りない。と言いたげな、餓えた獣の様な瞳が…「お前さんには悪いと思っておったが…一目見た時から気付いて居たんじゃよ。わしはな…」

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　港のビットに腰掛け、提督はそう呟いた「ウチが、死に魅入られとった事を知っとったんじゃの…提督さんは」「うむ。お前さんの瞳の奥底に、タナトスの魅了に取り付かれておるのがよぉく見えた。あの海域での戦いで、お前さんは生と死の狭間で踊ることに魅入られたんだとな…」

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　「じゃが、それを言ってお前さんが納得するとは思えんかった。だから送り出した…言われて理解出来ずとも、実際に経験すれば納得してくれるじゃろうと思うてのう…」「…何もかもお見通しとゆう事じゃね。その通りじゃ。うちは…息苦しゅうて仕方がなかった…渇きが癒えんかった…」

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　「戦いに入れて貰えた時は、ちぃたぁ楽になったが…乾いた砂に水を注ぐようなもんじゃ。あっと言う間に飲み干してしまうけぇの…それで…鎮守府を出たんじゃ…町に出て、鉄砲玉になって…それでも物足りなさは足りのぉて…ほいで思い出したんじゃ。提督さんの言葉を…」

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　「…ねぇ…提督さん…あんたはうちのこと…満足させてくれるん…？」縋る様な表情で、濁って餓えた瞳で、浦風は見つめた。その言葉に、提督は静かに頷いてみせる「求めるだけ。幾らでも…身体の調子はどうじゃ？」「身体なら、問題なぃんじゃ」その言葉を聞いて比良坂は立ち上がった。

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　「ならば良かろう。カレー洋海域にて深海棲艦の活動が再び活発化しておる。我が艦隊は此れより出撃準備を取る所じゃ。浦風や。お前さんは軽巡洋艦と駆逐艦で編成した水雷戦隊に編入する。…ようこそ、魔女の住まう島へ…南洋のレズボス鎮守府へ。お前さんを歓迎しよう…」

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　比良坂提督がそう呟いた途端、鎮守府に出撃を知らすサイレンが鳴り響き、鎮守府から次々に艦娘が現れ、出撃準備が始められた。その様子を見て浦風は身震いする。嗚呼、求めていた場所はここにあったのだと。幸せの青い鳥は、始まりの場所に待っていたのだと。

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　「用意は良いか？陽炎型駆逐艦１１番艦の浦風よ。わしらの戦いは生易しいものではないぞ…？」にやりと哂う魔女の顔に、浦風は飛びっきりの笑顔で答えた「勿論じゃ！うちに任しとき！」まるで心が晴れたかのように、彼女を覆っていたボロ布が、海風によって遠くに流されていった。

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　「では行こう。戦いへ。戦いを続ける為の日常へ。望む限りの戦争へ。わしらの非日常へと…」そしてこの日…彼女のボイラーが久しく、絶好調に燃え上がった瞬間だった。生と死の狭間の快楽のワルツに魅入られた少女は、黒い魔女と共に、魔女の仲間達と共に踊り狂う…

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　オハリ。