設定その他
【登場人物①~街の外の人】 鳥屋…鳥打帽に二重廻しの壮年。〈鳥〉と呼ばれるいきものを商っている。今回は途中参加らしい。 籠屋…天秤棒を担いだ陽気なオッサン。鳥籠や鳥籠モチーフの小物を商っている。今回は別のものも売るつもりのよう。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #籠屋
2015-10-23 23:38:34【登場人物②~街の住人】 曳舟荘の大家…通称ヒキフネさん。蓮根橋の西側にある古アパートで気ままな大家生活中。本当は三毛猫らしい。 ちどり&めじろ…かつて鳥屋が放っていった〈鳥〉。曳舟荘の住人。普通の子どものように見えて飛べます。 #空想の街 #曳舟荘 #鳥に纏わる掌編
2015-10-23 23:45:31【設定】 ・プランはあってないようなものですが、基本的に籠屋とちどり&めじろが街をうろうろしてます。 ・曳舟荘は住人募集中です。御用の方はヒキフネさんへ。 ・その日その日で予定は流しておきます。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #籠屋 #曳舟荘
2015-10-23 23:59:04【過去ログ①】 第一回 togetter.com/li/294023 第二回・氷涼祭(欠席) 第三回・ハンツピィの宴(欠席) 第四回・冬の目覚め togetter.com/li/621023 #空想の街 #鳥に纏わる掌編
2015-10-24 01:02:19【過去ログ②】 第五回・氷涼祭2014 togetter.com/li/689050 第六回・とある一日 togetter.com/li/714963 第七回・灯りの樹の夜 togetter.com/li/757392 #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #籠屋 #曳舟荘
2015-10-24 01:05:01一日目
そして、街は開かれる
何処にもない、何処にでもある街。空想の街。時計塔の街での3日間。はじめましての貴方も、おかえりなさいの貴方も、街は全てを受け入れます。どうぞ、お楽しみください。 #空想の街
2015-10-24 00:00:40――こんこん、 かすかな音に目をさます。 あたたかな布団からもぞりと起き上がると、くっついて眠っていためじろがううんと小さな声を上げた。そっと、そっと抜け出す。 やねうらの天井はななめだ。目をこすりながらその天井のはね窓をひらく。 「……なあに?」 #空想の街 #鳥に纏わる掌編
2015-10-24 00:09:41ち、ともき、ともつかない声がして、小さな、それは小さな少年――鳥が顔をのぞかせた。ち、とことばを返す。き、き。それは夜目のきくとりの声。 その手はマッチのはこほどの大きさの紙切れをだきしめていたらしい。さし出されたそれをうけとる。手帖のきれはしだ。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編
2015-10-24 00:15:25――□□ニ見□ワレテ□バ、□着□カ□ルヽ予定□、スマナイ。 文字はにじんでしまっているのと、漢字まじりなのとでところどころ読めなかった。けれど、その名前だけはよくわかる。知っている。――鳥屋。 それを読んで子どもは、ちどりは、小さくためいきをついた。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編
2015-10-24 00:21:44その手元をのぞいていた鳥が、小首をかしげてち、と鳴いた。ちどりは背のひくい棚から焼き菓子をとりだして手わたす。 「くらいし、さむいし、泊まっていって、ね?」 鳥はすこしかんがえこんで、こくり、とうなずく。ちどりはにこっと笑ってみせた。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編
2015-10-24 00:30:30「……うぅ、ん、さむい……」 ねぼけたようなめじろの声がして、あわててちどりは窓を閉める。布団にもぐりこむと、めじろがねむそうに目をぱちぱちさせた。 「……かぜと、あめのにおいがする……」 「そうだね、ほらこれ」 #空想の街 #鳥に纏わる掌編
2015-10-24 00:36:14さしだした紙きれのにおいをすん、とかいで、めじろはふにゃりと笑った。 「とりやさんのにおいだ」 そしてすぐにねいきをたてはじめてしまう。ちどりはちいさく笑った。そう、いつだってあのひとは風のにおいをさせていた。もぞ、と鳥が布団にもぐりこんでくる。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編
2015-10-24 00:39:22ちどりはあくびをひとつして丸くなった。少しざんねんだけど、ねむらなきゃ。もう、お祭りはすぐそこなんだから。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編
2015-10-24 00:41:15籠屋が到着しました
おはようございます。ずいぶん寒くなりましたね。肉まんの恋しい季節です。お天気は下り坂。この雲だともしかしたらお昼頃に一度雨が降るかもしれませんね。折り畳み傘をお持ちください。それでは、いってらっしゃい。(情報窓口 佐々木類) #空想の街
2015-10-24 08:00:28「ええ? 遅れる?」 頓狂な声を上げた中年男の目前に、ぴらり、と件の紙切れが差し出される。――風雨ニ見舞ワレテ候バ、到着些カ遅ルヽ予定也、スマナイ。 鳥屋 「ああ……どこだったか、嵐が来てる方面もあったっけ」 男――籠屋は頭を降って水滴を払い落した。 #空想の街 #曳舟荘 #籠屋
2015-10-24 12:33:12「律儀なこったネ」 半ば呆れたような声と共に、縁側へと盆が押し出されてくる。どもども、と礼を言いながら籠屋は茶を啜る。ぬるい。 部屋の主はいつもの通り、朱塗りの長煙管を吸いつけている。ぷかりと吐いた煙の色と、その長い髪の色とは今はよく似た白灰だ。 #空想の街 #籠屋 #曳舟荘
2015-10-24 12:39:07「まあ雨風はどうにもなー」 そう言いながらくるくると動き続ける籠屋の手元を、ちどりとめじろがしげしげとのぞきこんでいる。 「ほい、いっちょあがり」 「おおー」 「おー!」 桔梗の色は白に紫。それに萩の赤紫と、薄の穂を添えて。小さな秋の花束だ。 #空想の街 #籠屋 #曳舟荘
2015-10-24 12:49:11「こんな特技をお持ちとはねぇ」 曳舟荘の大家は片眉を上げて笑ってみせた。縁側、籠屋の傍らには、秋の草花を盛った籠がある。 「おれ実は器用なのよ」 にやりと似合わない笑みを浮かべた籠屋が指をわきわきさせる。その手の指なし手袋も実は自分で編んだものだ。 #空想の街 #籠屋 #曳舟荘
2015-10-24 12:58:30「ほんとはこうやって季節の花売るのが本業なんだけどさ、気がついたらこの様で」 と指差すもう一方には、いつものように鳥籠の山。今回はさすがに大きなものは置いてきたようだ。 「いいもの仕入れるのもじょーずなんだけどなーなんでだろなー」 #空想の街 #籠屋 #曳舟荘
2015-10-24 13:14:54確かに、籠に盛られた花は見事だ。秋草に加えて、季節から多少外れた花や小ぶりの果実も取り揃えてある。こっそりめじろが姫りんごをくすねたのをちどりが見とがめる。ふくれっつらのめじろに籠屋はいいよ、と微笑んだ。ちどりの手にもひとつ、乗せてやる。 #空想の街 #籠屋 #曳舟荘
2015-10-24 13:21:55