SLA(第二言語習得)研究の歴史

白畑知彦・若林茂則・村野井仁(2010).『詳説第二言語習得研究 理論から研究法まで』.研究社. こちらのブログ(http://goo.gl/TEIUE)で上掲書が紹介されていますが、その中の「SLAの歴史(学の起こり)」に関する以下の記述について。 :::: 続きを読む
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寺沢 拓敬 @tera_sawa

そうなの? ”第2章では、第二言語習得研究の歴史…著者らは、最も広く受け入れられている考え方に従って、第二言語習得研究の所期を1960年前後” 白畑・若林・村野井(2010): 英語教育学・文学理論・言語理論の接点でもがく研究者の読書日記 http://goo.gl/TEIUE

2011-01-14 19:21:00
Akira Murakami @mrkm_a

@tera_sawa 1967年のCorderの論文1972年のSelinkerの論文が第二言語習得という学問の始まりだと理解しています。1960年前後というのはあまり聞かないような。

2011-01-14 19:29:08
@gwisno_R

気になったので調べてみた。Ellisさんは確かにCorderさんあたりからと書いてあるのも見たが,お三方はFries (1945) やLado (1957) あたりも含めて60年代前後,と。

2011-01-14 19:46:12
@gwisno_R

該当の箇所については,「諸説ある」と断った上で,60年前後とする文献情報も挙げています。Ladoあたりから(前史と見るべきかもしれませんが),と言うのは,間違ってないと思います。

2011-01-14 19:49:58
寺沢 拓敬 @tera_sawa

@mrkm_a 私の「定説」理解でもそうでした。そもそも「学の起こり」を比較的短いタイミングで議論するのも科学史的には難しいことだろうから、「60年【】前後」の間違いなのかなあ思いましたが、そうではないようです。

2011-01-14 20:28:26
寺沢 拓敬 @tera_sawa

ん???やっぱり「60年【】前後」という記述なのかな?(笑)→原典買えフラグかこれ。

2011-01-14 20:33:09
Akira Murakami @mrkm_a

@tera_sawa 「第二言語習得研究の歴史は決して長くない。実証的研究領域として本格的に研究され始めたのは、1970年代以降と言っても過言ではない」(p.iii)。「第二言語習得研究が学問として本格的に始まったのは、1960年前後と言えるだろう」(p.18)。だそうです。

2011-01-14 20:43:26
寺沢 拓敬 @tera_sawa

SLA史のつづき。Blackwell のHandbook of SLA のLong & Doughty による終章でも、断定的な書き方はしていないが、「きちんとした領域として登場したのは、1960年代後半」と書いてある。

2011-01-14 20:47:45
寺沢 拓敬 @tera_sawa

@mrkm_a ありがとうございます。なんだかモヤモヤする書き方ですねw やっぱり全体の文脈を読まんといかんのかしら。。。

2011-01-14 20:49:47
Akira Murakami @mrkm_a

SLA史、初めて白畑他(2010)を読んだ時にもSLAの始まり≒1960年、の記述は気になっていたが、その注釈で「本書と同様の立場を取るものには」としてEllis (1994)やVanPatten and Williams (2007)が挙げられている。そんな記述あったかなあ。

2011-01-14 20:57:32
@watariyoichi

たぶん「諸説ある」として挙げてるThomasの(1998) SSLA 20: 387-405(2008) SL 7: 3-21で「初期」の問題が論じられてるんだろうな。RT @tera_sawa モヤモヤする書き方…やっぱり全体の文脈を読まんといかんのかしら… @mrkm_a

2011-01-14 21:18:34
寺沢 拓敬 @tera_sawa

科学者は、自分の分野の【詳しい歴史的経過】を知らなくても、優れた「科学的研究」ができます。したがって、優れたSLA研究者なら適切な「SLA史」の知識も持っているはずだと考えるのは早計です。むしろ第一線の研究者なら、SLA史にはあまり興味がない気がしますw

2011-01-14 22:00:30
寺沢 拓敬 @tera_sawa

「1960年前後」をとりあえず「1957〜1963」とするとして、この6年間にSLA史的に重要なイベントがあったのかな???応用言語学会設立ももうちょっと前だったよねたしか?逆に、言語教育分野でのチョムスキーショックはもうちょっと後だと理解。

2011-01-14 23:18:55
寺沢 拓敬 @tera_sawa

それとも、ちょっと前に興った応用言語学がある程度浸透したのが1960年前後だよって意味なのかなあ?

2011-01-14 23:22:17
@mmoskito

@tera_sawa 応用言語学、学会の誕生が研究成果として結実?したのがCorderやSelinker、みたいな感じなんですかねー?

2011-01-14 23:25:33
@J_fkt

Lado (1957)じゃないですかやっぱり “@tera_sawa: 「1960年前後」をとりあえず「1957〜1963」とするとして、この6年間にSLA史的に重要なイベントがあったのかな???応用言語学会設立ももうちょっと前だったよねたしか?逆に、”

2011-01-14 23:30:09
@92KUSANAGI

個体発生と系統発生の違いみたいなもんだ。

2011-01-14 23:36:14
@watariyoichi

件の「1960年前後」の文に続く文は,「Fries (1945)Lado (1957)などに代表される初期の研究での理論的基盤は,当時隆盛を極めていた行動主義(behaviorism)的な言語習得観を背景としたものであった」(p. 18)。@tera_sawa

2011-01-14 23:49:49
@J_fkt

SLA概論書では大抵SLAの歴史についての話は50年代頃の構造主義言語学と行動主義心理学の話から始まっているし、それを受けて最初に第二言語に特化した仮説として出てくるのが対象分析仮説(Lado, 1957)なのでやっぱり僕はLado説を推したいw

2011-01-15 00:00:53
前田 啓朗 @keiroh

Ladoというと,Ladoが絡んでます!を売り文句にしてた英語スクールが,華麗にぶっつぶれたっていうことしか思い出さないのはちゃんと読んでないだけが原因。

2011-01-15 00:02:47
寺沢 拓敬 @tera_sawa

でもそれ日本での受容の仕方でしょ?RT @J_fkt: SLA概論書では大抵SLAの歴史についての話は50年代頃の構造主義言語学と行動主義心理学の話から始まっているし、それを受けて最初に第二言語に特化した仮説として出てくるのが対象分析仮説(Lado, 1957)なのでやっ

2011-01-15 00:04:08
@watariyoichi

Ellis (2008)で(1994: 43)に対応すると思しき箇所を見ると,彼はthe (late) 1960sといった言い方しかしてないが,Lado (1957)らの見解はChomskyのスキナー著書レビュー(1959)でフルボッコされたと簡単なまとめ。@tera_sawa

2011-01-15 00:08:16
@J_fkt

※注 「Lado説を推したい」 →×「SLAの起源はLadoという説を推したい」  ○「白畑ら本での記述はLadoを意識したものだという説を推したい」

2011-01-15 00:16:06