「ストレンジャー・ストレンジャー・ザン・フィクション」 #9
ニンジャスレイヤーは体をひねって着地した。走り去るアイアンオトメ。バジリスクの手から波状刃ニンジャソードが落ちる。バジリスクの上半身がぐらりと傾く。
2011-01-13 23:24:48……と、バジリスクの首筋から赤い花弁のように血液が噴き上がった。そのままアイアンオトメから転落し、アスファルトをバウンドする。遅れて、操縦者を失ったアイアンオトメが転倒し、滑って行く。
2011-01-13 23:27:30読者の皆さんの中にグレーターニンジャ並みのニンジャ動体視力を持つものがいれば、その一瞬の交錯を目届ける事ができたかもしれない。ニンジャスレイヤーは両手をバジリスクの首筋に絡みつかせると、そのまま、バジリスクの首を中心に二回転した。二回転である。
2011-01-13 23:35:31ニンジャスレイヤーの指先は、回転しながらバジリスクのウロコめいたニンジャ装束の首回りを切り裂き、首の筋肉を切り裂き、頸動脈を切り裂いていた……!
2011-01-13 23:38:12「グッ、グワ、ニンジャスレイヤーグワーッ…グワーッ……!」激しく血液を噴き出しながら、バジリスクはなおも起き上がろうとする。存命!だがそれもニンジャスレイヤーの想定内だ。そもそも彼は首を切断するつもりだった。身中の毒ゆえか、バジリスクのニンジャ耐久力ゆえか、不完全な結果となった。
2011-01-14 00:05:32ニンジャスレイヤーはとどめを刺すべく、大股でバジリスクへ接近する。致命傷だ。長くはない。「なんという男だニンジャスレイヤー=サン、ゴッボ!」異形メンポの通気孔から血がこぼれる、「四人の刺客を葬り、なおかつ手負いの身でありながら、この俺を……罪罰影組合における俺は……ゴッボッ!」
2011-01-14 00:15:38「……ハイクを詠むか?バジリスク=サン」接近しながらニンジャスレイヤーが問う。バジリスクは起き上がろうとして仰向けに倒れ、震えながら再度、上体を起こした。「ゴボッ、ハイクなど、未練がましい犬の所業よ!そしてゴボッ、貴様の情けは」バジリスクがニンジャスレイヤーを睨む!
2011-01-14 00:20:26「情けは……情けは慢心だ!死ねニンジャスレイヤー!カーッ!」バジリスクの赤い眼光がニンジャスレイヤーを直撃した!イビルアイ!ナムアミダブツ!
2011-01-14 00:23:28「グワーッ!」ショットガンで撃たれたように仰け反り、仰向けに地面に叩きつけられたのは……バジリスクである!
2011-01-14 00:25:26ニンジャスレイヤーは、己の顔の前に掲げたアイアンオトメのミラーを投げ捨てた。蹴りを受けてアイアンオトメにぶつかった時に、素早くもぎ取っていたのだ。
2011-01-14 00:29:15ミラーが反射した己のイビルアイ光線をまともに受けたバジリスクは、大の字でアスファルトに横たわっていた。硬直し、ひび割れ、コンクリートめいた半有機体の無残な死骸となったバジリスクを一瞥すると、ニンジャスレイヤーは横倒しのアイアンオトメに向かって歩いた。
2011-01-14 00:34:06車体を起こし二度キックを入れると、アイアンオトメは凶暴な唸りをあげて息を吹き返した。背後に燃え上がるクルマ・バリケードとバジリスクの死骸を残し、黒光りするオートバイにまたがったニンジャスレイヤーは、無人のハイウェイを全速で駆け抜けていった。
2011-01-14 00:38:16