被災地巨大防潮堤と二つの農村

水利は農家にとって死活問題で、昔はそれで喧嘩が絶えなかった。「2度と喧嘩が起きぬよう」水利を自動化した農村と、そのままの体制を維持した農村。この比較研究は、被災地の巨大防潮堤の将来を占うように思える。
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shinshinohara @ShinShinohara

被災地の住民の多くが反対する中、巨大防潮堤が建設された。この話を聞いて、ある農業経済の研究を思い出した。水利権で揉めてばかりの2つの農村。立派な自動の水利設備を作り揉めなくて済むようにした農村、従来通りの農村を比較した調査研究だ。 asahi.com/articles/ASH9K…

2015-11-12 16:36:00
shinshinohara @ShinShinohara

興味深いことに、立派な水利設備を作った農村は、10年後にガタガタになった。メンテナンスをせずとも動くために皆が関心を失い、逆に水利コントロールできないほど設備がダメになってしまった。 他方、従来通りケンカばかりの農村は10年前と変わらず水利が機能した。

2015-11-12 16:41:49
shinshinohara @ShinShinohara

ケンカするということは、それだけ水利に関心が強いということ。周辺の草刈り等のメンテナンス業務も相互監視(あいつ、サボってないだろな)があるのできっちりやる。結果、揉めながらも水利設備はきちんとメンテナンスされ、問題なく維持された。

2015-11-12 16:45:05
shinshinohara @ShinShinohara

巨大防潮堤は、住民と海を隔ててしまう。被災地の住民は、世代交代するたびに海への関心を失うだろう。メンテナンスする意識も薄れるだろう。関心も記憶も薄れた頃に再度津波が来れば、どうなってしまうのだろう。巨大防潮堤は経済心理学が分かっていない施策と言えよう。

2015-11-12 16:48:17
shinshinohara @ShinShinohara

住民はずっと、海への関心を失うことの危険性に気づき、反対していた。しかし政府はそれに耳を貸さなかった。いったいどの政権がその施策をとったのか。いつか将来世代が怨嗟の声をあげ、その政治家を呪うようになるのが、目に見えるようだ。

2015-11-12 16:50:59