140字（+全キャラ編）

やまたに @mw_snc

こいつは俺のだから、と薬研に紹介された。そうですか。見上げるほどに大きいひとが、彼の好みらしい。と、その袈裟についた紋が目に入った。これは。細い大人の手を握る。薬研兄さんはどうぞ上げますから代わりに小夜くんをください、お義姉さんっ。交換は、残念ながらならなかった。（薬宗＋毛利）

やまたに @mw_snc

修行を、擦り上げなんて思い込むからいけないんだ。石切丸は溜息を吐いた。目の前では、一番の新入りが人の伴侶を口説いている。小脇差なんて言わずに、主のためにいっぱい擦り上げられてくださいね。さて、これをどうしたものか。勢いに緊張が紛れるのはいいけれど、私のなので。（石かり＋毛利）

やまたに @mw_snc

かわいいねぇ。という言葉が聞こえたから、短刀でもいるのかと毛利はその部屋を覗いた。残念ながら、そこには太刀が二振りで。なのに。いいこだね。えらいね。上手だよ。頑張ったね。綴られる髭切の言葉はまるで小さな子相手のようだった。毛利。いち兄の声がする。覗きは悪趣味です。(髭膝＋毛利)

やまたに @mw_snc

はい、どうぞ。出されたのは玉露と上生菓子、柔らかなクッション。ゆっくりして下さいね。天下人の刀からの接待は、篭手切には過剰なものだった。なにせ、対価が重い。さあ、細川のお小夜の話をしてくださいな。そんな些細な思い出話と。お前、最近よく宗三といるな。ぞっとする悋気。(薬宗＋篭手切)

やまたに @mw_snc

怖い、と彼は言った。僕は、君が怖い。相方がいない脇差は、きっと誰かの世話をしたくなるから、と。それは裏返せば、特定の男を取るなという独占欲だと篭手切は理解した。ひとつ、いいですか。呆れた声で。誰かが世話したそのひとは、私が世話する余地も残ってないでしょう。(石かり＋篭手切)

やまたに @mw_snc

兄者の世話は俺に任されている、と第一声が宣戦布告。兄者は歌って踊れるがそれは別の本丸の話だ。二言目も牽制。まだなにもしていませんが、と篭手切は彼の兄を見る。ねぇ、髭切さん。あなたは諦めますが、弟さんも世話のし甲斐がありそうですね。させてあげない。とどめは、拒否だ。(髭膝＋篭手切)