Washihico キャラエピソード

例の本気狩りのメンバーの1人、Wから始まるWashihicoさんのエピソード。 本人からまとめ許可頂きました。
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( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】1 流星群の夜、少年が目を覚ますとそこは雪山だった。薄着のまま倒れていたらしく体は冷えきっていた。ここは何処なのか、それどころか自分が誰なのか彼は分からなかった。すると一羽の鷲が頭の上で旋回し主の腕にとまった。 「おや?こんな所でどうしたんだい?」

2015-11-23 22:27:58
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】2 鷲の主人はマカルパ装備に身を包んだ如何にも怪しい男だった。男は少年を助け近くの村へ連れ帰った。 「私の名は…Eagle!そう呼びたまえ」 どこかワザとらしい喋り方をするそのピエロの元で、少年はしばらく引き取られることになった。

2015-11-23 22:36:19
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】3 ピエロは世界中を廻る旅芸人であった。雪山で少年を見つけたのも次に目指す村…ポッケ村への道中であった。いきなり現れた余所者二人に村人たちは少し苦い顔をしたが、ピエロの明るい性格で数日の内に馴染む事ができた。しかし少年は一向に暗く伏せがちであった。

2015-11-23 22:45:03
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】4 ある時村の近くにティガレックスが出没した。困り果てた村人にEagleが言った。 「私は芸人の傍らハンターもやっている!是非その狩猟を任せて貰えないだろうか」 その様子を少年は真っ直ぐ見つめていた。 「君も来るかい?」 少年は頷いた。

2015-11-23 23:26:20
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】5 少年は参加しなかったが、後方でEagleの狩りを見つめていた。巨大な竜と対峙する狩人の姿に彼の心は動いた。狩猟を終えたEagleにこれまで無口だった少年は言った。 「…ハンターになりたい」 ピエロの顔に戻ったEagleは静かに少し怪しく笑った。

2015-11-23 23:41:05
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】6 「ここから遥か東の地に私の友がいる。彼の国の言葉でEagleは『ワシ』と言うそうだ。君が記憶を取り戻し本当の名を思い出すまで、Washihicoと名乗るといい。狩人として、紳士としての名だ」 少年は新しい自分に少しむず痒い心地がした。

2015-11-24 00:43:00
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】7 それからWashihicoはしばしばEagleに舞い込む狩りの依頼に同行するようになった。後方支援が基本であったが、狩人として少しずつ力を付けていった。 「君は片手剣が好きなんだな」 「最初にくれた武器だから…」 Eagleは優しく笑った。

2015-11-24 00:59:21
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】8 集会所にも出入りするようになり、彼の世界も広がりを見せていった。印象的な噂も耳にした。何でも同じポッケ村に、塔に迫るヤマツカミを討伐した猟団が存在するらしい。 「…Eagleは凄い奴狩った事ある?」 「私は芸が本分だからな。そういった事はない」

2015-11-24 01:29:31
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】9 笑みの裏に何かを隠しているピエロに上手い言葉が見つからず、少年は「俺も強くなれるかな」とだけ聞いた。 「なれるさ」 EagleはWashihicoの肩に手を置き応えた。 「ならばそろそろこの村を出よう!如何せん長居し過ぎてしまった!」

2015-11-24 02:22:30
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】10 「君が強くなりたいのならば当てがある!以前話した東の友だ。彼は剣術の達人で私よりも腕が立つ。彼ならきっと君に稽古をつけてくれるだろう」 Washihicoは目を輝かせた。遂に旅立つ時が来たのだと高揚した。 失った記憶の手掛かりを探す旅に。

2015-11-24 02:41:06
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】11 「私も訪ねるのは久しぶりだ!元気にしているだろうか」 Eagleはそう楽しげに続けた。 「しかし今はギルドから沼地に現れたフルフル亜種の狩猟依頼を受けている。これが済んだらすぐに出発しよう!」 少年は頷き、二人はいつものように狩りに向かった。

2015-11-24 03:10:24
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】12 狩りは順調であった。息の合ったコンビネーションで獲物を瀕死まで追い詰めた…その時だった。突如背後からもう一匹フルフルが現れ電光のブレスを放った。洞窟の石柱をすり抜けるような軌道を描きそれはEagleに直撃した。 叫びと共にEagleは倒れた。

2015-11-24 03:19:11
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】13 「Eagle!?」 感電し焼け焦げたピエロにWashihicoが駆け寄る。 「とんだ…サプライズを…受けてしまった…」 「しっかり…!」 「いいかい…いつ如何なる時も…笑顔を忘れず…紳士であれ」 非情な現実に少年は既に泣いていた。

2015-11-24 03:29:06
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】14 後ろから二つの赤い影が迫る。 「君は…生きるんだ…!!」 「うあぁあああああ!!」 叫びWashihicoは剣を振るった。その無数の剣筋は光の尾を引き流星を思わせた。 「そうか…君はあの時…星と共に来たんだな…」 綺麗だとEagleは思った。

2015-11-24 03:51:25
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】15 全てが終わった時、ピエロは静かに息を引きとっていた。最期まで笑顔であった。 「無理だ…笑えないよ…」 少年は彼を村まで連れて帰り丁重に葬った。 そして村長と少しの村人に声を掛け、慣れ親しんだポッケ村を旅立った。彼の残した地図を手に、東へ。

2015-11-24 04:05:27
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

とりあえず2ndG編て事でここまで(・ω・)ノ 思ったより長くなっちった。しかも中2全開。 TL荒し失礼しました! けど近い内に続きやっちゃうかも! ごめんなさい!

2015-11-24 04:09:04
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】16 長い旅路の間はどうしても考える時間があった。Eagleの死、畏怖を含んだ自然の雄大さ、そして自分の正体…。巡る思考に押し潰されそうになりながら少年は答を出した。 「強くなる」 運命に負けないように。 決意を胸に、彼はユクモ村に到着した。

2015-11-24 14:12:34
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】17 活気ある温泉村。その外れの古い家を訪ねた。中から無愛想な男が出てきた。 「何だお前は」 「強くなりたい。稽古をつけて下さい」 そう言ってWashihicoは恩人の形見であるマスクを見せた。 「…入れ」 それから少年は全ての経緯を男に話した。

2015-11-24 14:44:14
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】18 男の名はChiyogami。元剣術流派師範のハンターであった。彼はWashihicoを弟子として取る事を拒んだが、旧知の友人が最期に送り付けた少年を追い払う事はできなかった。 こうしてWashihicoの修行の日々が始まった。

2015-11-24 16:04:36
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】19 修行は体作りから始まり、それから基本の剣捌きを覚え、ムラの多かった闘い方はみるみる洗練されていった。 「ウチの流派は臨機応変がモットーの自在の剣。重要なのは常に状況を把握し判断する冷静な精神だ」 それがChiyogamiの口癖だった。

2015-11-24 16:31:03
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】20 腕試しにモンスターの狩猟に挑む事もあった。その度に成果を上げ集会所で密かに噂を囁かれるようになった。 「流れ星のようなハンターがいるらしい」 それでも師匠の世離れが移り、表舞台に立つ事のないまま月日は流れWashihicoは青年へと成長した。

2015-11-24 22:07:37
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】21 「ガキの頃よりはマシになったな」 「センスが開花したのさ」 「調子者が」 Washihicoは誰に似たのか少し歪みながらも、一人前のハンターとなっていた。 そこへギルドからの要請が届く。 『霊峰に降臨されたし嵐龍の討伐を依頼す』

2015-11-24 22:32:27
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】22 「あの9人に頼めば良いのに」 「あの猟団はとっくに村から出てったよ。気ままな奴等なのはお前が一番知ってんだろ」 確かに彼らはそうだったとWashihicoは笑った。 「依頼書によるとハンターをかき集めて討伐隊を組むみてぇだな」 「討伐隊…」

2015-11-25 00:36:11
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】23 討伐作戦当日、集会所には大勢のハンターが集まっていた。 「あ、ワッシー君!」 その中には顔馴染みの女ハンターもいた。Noahという弓使いで何度か一緒に狩りをした。人付き合いが苦手な彼にとって、積極的に声を掛けてくる彼女は少し苦手であった。

2015-11-25 00:56:26
( ˘ω˘ ) @zzzlatte

【エピソードWashihico】24 霊峰、頂。 猛威を振るう嵐神に臆することなく闘いを挑むハンター達。その顔はどれも高揚に満ちていた。 「そうか…アンタもこの高鳴りが抑えられなくて自然に挑んでたんだな…」 青年は剣を再度握りしめ、災厄の渦の中心へ突っ込んで行った。

2015-11-25 01:40:23