漫画家・岡本健志先生の半生記

岡本 健志@🚙漫画執筆準備中🚗 @alfistakeshi

ええい、ままよ！入ったからには追いつき追い越せ…はおこがましいが…同じフィールドに立ったんだ！仕事を任せられる絵師に自分もなる！という決意をしたのだった。入ってすぐはスーファミのゲーム「エルファリア」のモンスターデザイン&ドットエディットの仕事をこなす…が…

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その後直ぐにある方からレッド本社に召喚される。明貴先生だった。明貴先生が企画していた「銀河お嬢様伝説ユナ」の背景デザイン、原画描きとして。正直嬉しかった。直ぐに浅草寺すぐ横にあるマンションの一室を二人で共有することとなる。作業が始まると地獄のような忙しさだった！

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ユナの制作のため、実家にも帰れない日々…自分は不覚にも尿管結石で倒れることとなる。原因は塩分の取りすぎとストレス。あの痛みは今でも忘れない。果たしてユナは完成！その後ユナ2の話が直ぐに舞い込む。が、同時期に2本、ハドソンからキャラデザの仕事を依頼され、快諾したのだが…

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その話が明貴さんの耳に入り逆鱗に触れる。「俺のスタッフを勝手に使うな！」いう通りである。だが自分にとっては夢の仕事であったキャラデザ、明貴さんに詫びを入れ、ユナ2のスタッフィングからは外れることとなった。あの時は無我夢中であったが明貴さんには本当に申し訳ないことをしたと反省しきり

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そののち「ブラッドギア」「クレスト・オブ・ウルフ」というゲームのキャラデザ&イベントシーン原画を担当。販売はイマイチ(T_T)だったがとても勉強になった2本である。実はその頃、仕事以外に企画を温めていた。次の企画会で発表しようと。その話は次の講釈にて！

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さて、レッドでゲームにキャラデザに楽しくもキツイ仕事をこなしていた22～23歳の岡本ではあったが「何か自分の考えているものを形にしたい」とレッド社内で定期的に行われていた企画発表会に向けてある案を考え、提案した。それは『フジテレビ女子アナゲーム化企画』だった！

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90年代頭のフジ女子アナ人気は現在を遥かに凌駕する程の人気。有賀さつき、河野景子、八木亜希子の3トップを始め中井美穂などもドラマに出演したりで自分もすっかりハマっていた。とはいえ自分は大坪千夏アナ推しでゲーム企画、並びにクロスメディアで彼女を中心とした4コマ漫画を描きたかったのだ

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その企画を喜んでくれたのは近しい同僚と広井さんの(当時の)奥様、おけいさんだけだった(^_^;)ゲームは無理でも描き貯めた4コマ漫画は何とか何処かで描けないか…会社に懇願したところ「ああ、俺、週刊SPA!の副編知り合いだから紹介しようか？」と上司のIさんに声を掛けられたのだった！

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渡しに船！直ぐに扶桑社での顔合わせとなった。しかし自分の描いた4コマではほのぼのし過ぎていて雑誌の趣旨には合わないとのこと。そりゃそうだ。副編の方は「それじゃレディコミの『かれん』に聞いてみるよ！」と当時創刊したばかりのレディコミ、月刊かれんという雑誌の編集長を紹介して頂いた…

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発表の場はどこでもいいのだが扶桑社=フジサンケイグループ…という流れが理想だと思っていた自分には『かれん』の判断に期待を掛けた。数日後、漫画と自分の仕事で描いたキャラ表を持参して編集長と打ち合わせ。「いいね！！この絵！この絵でストーリー漫画描けないかな？」とゲームキャラを指差した

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はぁ！？予想外の展開だった。女子アナ4コマはどこへやら、いつの間にか自分はレディコミで読み切り漫画を描くこととなったのだ！！……ま、いいか…。漫画を描きたかったことには変わりなかった訳だし…。自分は会社にその旨を伝え、すぐさま漫画を描く準備を進めたのだった…続きは次の講釈にて！

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会社には漫画を描くことを快諾して頂いた。実は投稿も持ち込みもしたことのない自分はストーリー漫画を描くのはこれが初めてだったのだ。絵は何となく描けるが漫画となるとストーリーを考えなくてはならない。その時救いの手を差し伸べてくれたのは広井さんの片腕のお一人だった吉川さんだった…

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『ホワッツマイケル』で有名な小林まこと先生のアシをされていたという吉川さんが自分の漫画をサポートしてくださった。大筋は自分がやりたかった3ピースのガールズバンドもの…というのは決まったがどう進めていいのか…そこで吉川さんが「主人公が銀行員で…」というアイデアを提供してくださった。

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「それで務めている銀行に機材等の借金があって辞められない…みたいな展開は？」と。二足の草鞋の中でどうバンド活動するか！？みたいな話で読み切りの流れを決めた。実作業に関してもお世話になりっぱなし！キャラ、背景は当然自分で描いたがその他の仕上げまで丁寧に描いてくださったのだ…

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かくして作品は完成！しかしタイトルが直前で変更されるという自体に！決定タイトルは『進め！ハンプティーダンプティー』………ダサ過ぎるとは思いながら雑誌『かれん』に掲載された。その吉川さん、後に自分と同時期にレッドを退社されて…

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その人こそ、アニメ『ポケモン』の企画立ち上げに携わりアソシエイツプロデューサーの吉川兆二さんです。その節は本当にありがとうございました！そしてご迷惑をお掛けしましたm(_ _)m…そして漫画『 進め！ハンプティーダンプティー』は連載の準備に入るのだが…その続きは次の講釈にて！

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ハンプティーダンプティーという名前の3ピースバンド…イメージソースは当時大好きだったゴーバンズ…の漫画連載決定に浮かれ、吉川さんと第2話の構想を練り、かれん編集部に連絡を入れる。 編集長「すみません…次号を持って休刊になりまして…」 ！？突然の話に声も出なかった…

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結局自身初連載の話はご破算に…。しかしここで自分の、今まで漠然としていた「漫画家」という夢が膨らむ。その頃レッドではこれまでにない雰囲気が漂い始めていた…。あの、和気藹々とした社内の空気がギクシャク…。天外魔境も落ち着き会社の売り上げが下降線を辿っていたことも原因だがそれ以上に…

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とある人気女性声優が広井さんを巻き込んでいったのが本当の原因だろう。自分もその時は漫画を描きたいという強い気持ちが抑えきれないところまできていた。そんな時期に愛読していたヤングサンデーの枠外に目をやると「上條淳士氏がアシスタント募集中！」の記事が！！心が揺らぐ…

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ここが転機か…自分自身に言い聞かし、広井さんに退社の旨を伝えた。「お前はまた下のステージに降りるのか！？」広井さんの叱咤に反論はできなかったが下のステージにに降りる意識は全くなかった。むしろ一から漫画を学びたかった。自分は後先考えずに会社を辞めたのだった。後悔は全くなかったが…

岡本 健志@🚙漫画執筆準備中🚗 @alfistakeshi

後悔はない。アシ募集に応募する。編集から「後日上條さんとの面接になります」との連絡が！やった！決まった！…と思ったのもぬか喜びに終わる。 数日後、祖師ヶ谷大蔵駅前の喫茶店で憧れの上條淳士先生との初対面！超緊張の中、衝撃の話を聞く。 上條先生「今5～6人の志望者と面接している」と…

岡本 健志@🚙漫画執筆準備中🚗 @alfistakeshi

！？俺だけじゃなかったのか…先生の発言に、会社を辞めてからのアシ募集に応募したことを少し後悔した。やべぇ！今でいうところのニートになってしまう…。自分はアシになりたいという気持ちを伝えて「後日合否を伝えます」という言葉を持って帰路に向かった…。1週間程過ぎた頃、先生からの電話が…

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「あ、上條です。合否ですが岡本君に決めました。打ち合わせしたいので後日事務所に来てください」との電話に小躍りした。 95年2月、26歳からの下積みアシ生活に入るのだった。しかしアシ作業は想像していた以上にいろんな面で困難を極めていく…。続きはまた次の講釈にて！

岡本 健志@🚙漫画執筆準備中🚗 @alfistakeshi

上條さんの作業場まで東武伊勢崎線や日比谷線、千代田線、小田急線を利用して約1時間半、決して近くは無いが先輩アシさんと共同の詰め所(ワンルームマンション)に1週間～10日泊まり込みの作業だとのこと。それも隔週連載だったので1週間おきの現場作業となる。そんな話をしながら先生は語った…

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「岡本君を選んだのは優しそうだったから！」という話に拍子抜けする自分。「はぁ…(絵が基準じゃないんだ…)」という感じだった。 「勿論見せてもらった絵は及第点だったが…少人数とはいえ共同作業の中で協調性がない人とは仕事はできないから」 そうか…面接で自分をそう見ていただけたのか…