まぁ「○○感染」という言葉は、ほんとにごちゃまぜなものがカテゴライズされているので…感染経路を表すものも、伝染様式を表すものも、感染源を表すものも、感染症の分類を表すものも、すべて「○○感染」で片付けられてしまう。
2011-01-18 14:27:00"Mandell, ... Infectious disease"なんか見ると、(院内)感染対策的にはAirborneとdroplet precautionsで分けてたりする。あとで詳しくよむ。
2011-01-18 14:31:55微生物学用語集(南山堂)を見てみた:空気感染 aerial infection =空気[系]感染 air-borne infection, 飛沫核感染 droplet nuclei infection。別項で「空気[系]伝播 air-borne spread」も。
2011-01-18 15:53:30「空気感染」という語に、厳密な専門用語としての定義があるか、と言われると、かなり疑わしくもあるのだけど。経気道感染についての新たな知見が増えるに従い、それが指すものも変遷していった、というのが、おそらくは正しい理解だと思ってる。
2011-01-18 16:02:16微生物学用語では、「抗生物質」ってのもしばしば誤解される用語の一つではあるのだけど、こいつにはきちんとした定義があるので、誤解している表現については「それは誤解だ」と指摘しやすい。けど、「空気感染」の方は、そういう定義がはっきりしてなくて、一般用語的な側面も大きいのが厄介。
2011-01-18 16:04:19「空気感染」という概念の提唱は、非常に古いというか、おそらくはフラカストロが1546年に「コンタギオン説」を唱えた際に述べた、"contagio ad distans"(離れたところへの伝染)が初出になるはず。
2011-01-18 16:07:18ノロウイルスの感染経路(感染症情報センター)より引用:『豊島区での事例は、空気感染の一種である塵埃感染という経路によって感染が拡大した可能性が示唆されている。」http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/0702keiro.html
2011-01-18 16:15:11(承前)先のリンク中では、CDCの「隔離予防策のためのガイドライン」(1996)についても触れている:感染経路の分類は「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」の3つで、空気感染は「飛沫核あるいは病原体を含む塵埃の拡散」。
2011-01-18 16:20:06ただし、ここで「空気感染」の訳語が"airborne transmission"に充てられていることには注意が必要だったりする…"airborne infection"ではなくて。このような「感染」と「伝染(伝播、伝達)」の不整合はしばしば見られる…さっき言った「○○感染」の問題
2011-01-18 16:23:56引用(ibid):「感染症予防必携」(日本公衆衛生協会、2005年)では、空気感染(airborne infection)を飛沫核感染(droplet nuclei infection)と塵埃感染(dust infection)に分けている。
2011-01-18 16:27:44引用(ibid): CDCの隔離予防策ガイドラインには飛沫核感染および塵埃感染という用語はないが、空気感染の説明文を読むと飛沫核による感染と塵埃による感染の2種類を指し示していると解釈でき、同一の概念と考えて差し支えない。
2011-01-18 16:27:58うん、まぁ大体、大雑把な根拠としてはこんな感じかな…これに戸田新細菌学33版にあるレジオネラや真菌胞子の解説を足すと、僕がやったような解説になる。
2011-01-18 16:30:00気道から直接脳にってどういう意味なのか。 / プリオン:空気感染は「非常な少量でも致死」 | WIRED VISION http://htn.to/4U8wea
2011-01-18 16:33:23それなりに高濃度のプリオンを経鼻的に吸入したときに、嗅神経から(一部は視神経から)ということらしいです。"@Mochimasa 気道から直接脳にってどういう意味なのか。"
2011-01-18 16:36:13自分で描いた図を示しておく。 http://sites.google.com/site/coffeetambe/coffeescience/physiology/odor/reception 嗅覚細胞のある辺りは、脳の嗅球部分に「近接」してるところ。微量の物質取込なら起こりそう。
2011-01-18 16:39:41もちろん、基本的に脳への物質の取り込み/輸送は、めったなものが送られないように制限されてます。血液脳関門なんかが典型的だけど。鼻腔の天蓋部分も、基本的には「めったなもの」が送られないような構造になっているはずですが、やっぱり一部に例外はある…有機溶媒(シンナーとか)がそう。
2011-01-18 16:44:16今回の実験では、リンパ系の関与も一部にあるようだから、ひょっとしたら、鼻粘膜上の食細胞がプリオンを貪食して、それがリンパ節に行くことで…という可能性もあるかもしれない。
2011-01-18 16:46:44@y_tambe 「○○感染」という感染経路の区別の概念は、さきに感染対策(precaution)ガイドライン策定(特に院内感染対策)が基盤にあって、そこに感染症を落とし込んで形作られた、というような経緯だと思ってました。「空気感染」という言葉が一人歩きすると怖いなあ、など。
2011-01-18 16:59:54ああ、微生物屋さんとしては、ちゃんと「異常プリオン」と書かねばならないところを、単に「プリオン」とだけ書いてたなぁ。わきが甘いと言わざるを得ない orz
2011-01-18 17:09:57@y_tambe プリオンを学部のころ、研究していましたが、異常型プリオンたんぱく質と正常型プリオンたんぱく質の言い回しはかなり注意された気がします汗 言い回しって、難しいと感じますね。。
2011-01-18 17:58:59ああ、こっちの表記の方がもっと正確だ… orz orz "@urapyon0810 プリオンを学部のころ、研究していましたが、異常型プリオンたんぱく質と正常型プリオンたんぱく質の言い回しはかなり注意された気がします"
2011-01-18 18:01:50