稲川淳二の『つぶやき怪談』(2015.11.30)

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「ああ、そうですか。お知り合いの方ですか」 って言うから、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「いや、そうじゃないんだ。 たまたま、私、そこの会館でもって、 先輩の出版記念のパーティーがあってねえ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その帰りでもって長い石の塀のとこを歩いてきたらば、 そこに御夫婦でいたんだ」 と言ったら、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「いやあ、あの場所ねえ、 あの長い石の塀のところ、 あの向こう、あれ、墓地ですよね---」 言うんですよ----。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「今、お客さんが言った辺りってね、 ----以前にそこで確か、 年寄りの夫婦がね---ひかれて亡くなってんだよね」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

って----。 えー？ と思って。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「いや、今日昼間通ったらさ、 その車道にね、ちょうどあれでしたよ。 あの、何か、白い花の花束、置いてありましたよ」 って言ったんですよ---。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

さすがにゾクッ、としたもんだから、 運転手さんに言うつもりはないんですけど、 自分でつぶやくような気分でもって、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「え---？　ああ、そうか----。 それで、あの奥さん、白い菊の花の花束持ってたんだな」 と言ったんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そしたら、運転手さんが前向いたきり、ただ一言、 うおーっ---、 と言ったの覚えてますよ---。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

あとは、何にも、その運転手、言わなかったな----。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「つぶやき怪談」いかがでしたか？ 怖・楽しい時間を、楽しんで頂けましたでしょうか？ 喜んで頂ければ、何よりです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

不定期なんですが、 また「つぶやき怪談」やりますんで、よかったら遊びにきて下さいね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そして、何か、自分が出来ることを、試してみて下さいね。 体調にはくれぐれも気を付けてくださいね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

私の情報は、ＨＰで公開してますので、よかったらこちらで確認してみて下さいね。 j-inagawa.com もっと怖い噺が見たい方は、こちらから、 mag2.com/m/P0007994.html 今日は、何もなかったですか？

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それじゃまた。