Krita初期の開発史:GIMPを巡るKDE・Gnome戦争から長きにわたる開発の停滞、そこからの復活まで
そしてその直後、KDE創始者がGimpをQtで動かすというデモンストレーションを行った。ただでさえ対立していたGnomeとKDE、よりにもよってそのGnomeを構築するGTKの源流たるGIMPをQtで動かす、しかも大した労力もなく簡単に、という事態は火薬庫に火種を投げ込んだ
2015-12-02 20:18:39まあこの話はこれぐらいにして、Kritaの話に戻ろう。その因果か知らないけれど、Kritaも辛酸を舐めることとなるわけで
2015-12-02 20:35:19The History of KImageShop / Krayon / Krita
https://krita.org/item/the-history-of-kimageshop-krayon-krita/
Paragraph 5
この状況に満足いかなかったKDEプロジェクトの人間は、幾らかの意見の相違があったものの、1999年5月24日、KDE自らの画像編集ソフトを作ることを決断する。
2015-12-02 19:00:50その時点で、KDEのオフィススイート、KOffice(現在のCalligra)に Michael Kochによって作られたKImageと呼ばれるアプリケーションが存在していた。
2015-12-02 19:07:21そのKochのソフトと統合して作られたKImageShopが現在のKritaの一番古い先祖とみなせるだろう。そのソフトは元々Qt 1.xで書かれていたが、1999年にQt 2.0にポートされた。(後にQt3、Qt4にも移植されることになる)
2015-12-02 19:09:28訳注
The History of KImageShop / Krayon / Krita
https://krita.org/item/the-history-of-kimageshop-krayon-krita/
Paragraph 6
―1999年5月31日、KImageShopプロジェクトがMatthias Kochのメールによって公式に開始され、彼に加えてMatthias ElterとDaniel Duleyも開発に加わった。彼らの計画はまさに野心的なものだった
2015-12-02 20:39:26その基本的なアイデアは、オープンソースの画像処理ツールのImageMagickを包み込むようにKImageShopのGUIを作ることであった(このため2004年までImageMagickはKritaのコアとして依存するアプリケーションとなることになる)。
2015-12-02 20:43:25KImageShopはCORBAベースで、アウトプロセスのGIMPのプラグインと互換性のあるこれもアウトプロセスのフィルタープラグインを装備したアプリケーションとなるように構想されていた。もちろん結果としてそうはならなかったわけだが
2015-12-02 20:47:32複数の色空間のサポートが最初の段階から計画されていた。ただしこれが実現するのは2006年のKrita 1.6のリリースを待たねばならない
2015-12-02 20:50:46当時計画されていたことの中にはまだ実現できていないものもある。例えばGIMPのxcfファイルフォーマットのエクスポートのサポートなどである。(訳注:確かこれは現在できるようになっているはず)
2015-12-02 20:52:36訳者の考察
(ここら辺は非常に興味深いですよね。今のKritaのコアを小さくしてプラグインで迅速な機能実装を図っていく姿勢は既にこの当時から原型が見えているし、今のKritaの売りとなっている高度な、フリーソフトとしては野心的な機能を彼らはこの当時から既に構想していた)
2015-12-02 20:54:59The History of KImageShop / Krayon / Krita
https://krita.org/item/the-history-of-kimageshop-krayon-krita/
Paragraph 7
―最初の開発ラッシュの後、メーリングリストはすぐに静かになってしまった。一番の理由は恐らくMatthias Elter、Carsten Pfeifferやその他の開発者がKDE 2.0の開発で忙しくなってしまったことだろう。
2015-12-02 21:02:26