walkmanはドンシャリ?という一般論?偏見?から、デジタルオーディオプレーヤーの再生方式について考えてみた
DP-X1が出て、その評価で「あっさり」「イヤホンやヘッドホンで味付けたい」ここまではまあいい(本当は良くない…後述する)「walkmanみたいに味ついてない」「walkmanみたいにドンシャリじゃない」ぉぃぉぃ、なんで引き合いに出すかね、しかもその認識。
2015-12-04 06:59:30自分がNOS DACからの音に出会った衝撃というのは、その生々しさと、ガツンとくる生き生きしたもので「録音された音楽ってスピーカーやヘッドホンなどの出口の機器側で変に色づけしなくても楽しめるのだなー」と感じさせられたこと。Progressionも自作キットのもHM-602も同じ。
2015-12-04 07:04:23ということは、47研の主張は過激だけれど合理的と判断せざるを得ない。だからそこに賛同するし、記録された信号を素直に出せるのはフィルタレスNOS DACをおいて他にない…と、実際の音を聞いても、そう考えるに至った。オーバーサンプリングとデジタルフィルタは音をつまらなくしている…
2015-12-04 07:54:27上記の47研の主張というのが、こちら。
http://www.47labs.co.jp/4705.html
http://www.47labs.co.jp/message.html
ここでS-Masterの話になるわけですが、walkmanでこのデジアン搭載機の音が、比較的な意味でNOS DAC機の音に近いと思った。設計意図やブロック図を見てると「出口(スピーカー、ヘッドホンなど)までへの処理を極力減らそう」思想そのものも近似しているわけです。
2015-12-04 08:32:04ただ気になったのが内部処理。そこで余計な、たとえば信号の同一性から離れるような補間処理が行われていては意味がない。で、井戸端会議のときに開発者さんに確認したところ「アンプのクロックに合わせるための整数等倍はしているけれど、信号波形を崩すような補間は行っていない」とのことでした。
2015-12-04 09:54:39これで合点がいったというか。S-Masterはフルデジタルアンプという性格上、ΔΣ変換こそ行っているけれど、思想的にはNOS DACに近いのだと。出音がそれっぽいなと思っていた点が解決。アナログに落とさずデジタル上で増幅処理も行うので、考えようによっては、かなり純粋。
2015-12-04 10:01:56…ということは。再生した音が「フラット」だとか「味付けがない」なんて言われているものは、そういう「味付け」を「意識的に施された」システムなのではないか、と。そもそも、録音自体がそんなにつまらないものであるわけがない、と思うんですよね。音を入れてる側がつまらない音と思ってるのか?と
2015-12-04 12:44:32そんなわけないでしょう、っていう。それともう一つ、walkmanはドンシャリだとか味付けされてるっていう件ですが、S-Master搭載機は傾向的にNOS DACのシステムに近く、また、NOS DACのシステムだと、より濃い芯のある音がすることを考えると…
2015-12-04 12:47:09「リスニングソースたる録音そのものがドンシャリ的記録」なんじゃないの?と言わざるを得ず。昔のいわゆるドンシャリではないであろうソースをNOS DACのシステムやS-Master搭載機は実にバランスよく、かつ、活き活きと再生する。ドンシャリではなく。ということは…
2015-12-04 12:51:17近年の音源そのものが「フラットとか言われる機器向けに、強調して記録されている」ということかと。それであれば、そういったソースで試聴している人から「walkmanはドンシャリ」と言われてしまうのも理解できる話。フィルターレスのNOS DACで組まれたシステムにしても同様。
2015-12-04 13:05:01そして、ハード側の味付けそのものは電気的やアナログ的な部分に依るとすれば、NOS DACでのシステムやS-Master採用機それぞれの「差はあっても傾向は近似」なことに納得。そして、一般的オーバーサンプリングのシステムとの差異も。
2015-12-04 14:16:00故に「walkmanはドンシャリ」とか味付けすぎという意見は否定したい。むしろ他のシステムが「フラット」を意識しすぎて、そういう出発点から個性づけしていってるように感じる。音場だったり低域寄りや高域寄りといった個性づけ。
2015-12-04 14:19:04オーバーサンプリングとデジタルフィルターで補間処理(インターポレーション)をかけるのは、CDに記録された信号が「自然界から間引かれたもの」であるとして、それを元の波形とは?と様々な手法で復元処理を通してから音にしようというアプローチ。
2015-12-04 14:22:56例としてはDENONのAL32ProcessingとかJVCのK2HDとかChord社のDACやSONYのDESSとかがこれにあたる。要は想定補間(想定関係なしに単純にインターポレーションしてるシステムも他にあるかもですが)。アプコンとか呼ばれたりもしますね。
2015-12-04 14:26:25単純にオーバーサンプリングしてるシステムも、アプローチとしてはこっち。倍速処理して補間かけてノイズフィルタかけてアナログとして出力する。
2015-12-04 14:27:48この手法を「自然にある音の再現」と捉えるなら、それを納得できるなら、その人にとっては好ましい音…と言えると思います。CDレベルのサンプリングレートに分解されたものでは細部が失われているから、それを補間するんだという考え方ですね。現代の機器の大多数が、この方式。
2015-12-04 18:22:11まあ、倍速処理するのはCDレベルのサンプリングに限らないんですが。とにかくそういう処理をして音を補間してから出力するのがオーバーサンプリング。それと大事な点がもう一つ。サンプリング周波数は実際に必要な周波数の倍をとるのが望ましいということでCDでは1秒が44100に等分されてます
2015-12-04 19:14:53これが決められた経緯は複雑なので割愛するとして、実際に音として入れられるのは、その分けられた数を半分にした周波数までで、そこから上は折り返しノイズと呼ばれるものが発生する。 tij.co.jp/dsp/jp/docs/ds… ここの説明と図がわかりやすいです。
2015-12-04 19:27:00要は規定の周波数の半分まで音として出せても、それ以上は「頂点の前後に正常な信号とは真逆の偽信号が発生する」この信号は規定の周波数の半分から高域に発生する雑音のため、これをカットするためにフィルタが必要になる。
2015-12-04 19:34:25フィルタは「22.05kHz以上を全カットでそれ以下を全部通す」という急な特性のものは、ものすごく雑な説明だとコストもかかるし音も濁って歪みも大きくなる。音として通れば良いのはヒトの聴覚上の限界っぽいだいたい20kHzまで。頂点がそれに近いから問題だってわけで、別の手が考えられた
2015-12-04 19:39:15それが「じゃあサンプリング周波数を増速して、ノイズを高域に追いやってしまえばイイんじゃね?」つまり頂点が高くなれば、特性のキツいフィルタじゃなくて緩やかなものでも構わないですね、というわけで、その対策のために周波数を倍速化するのが主流になっていったとさ…
2015-12-04 20:02:29要はサンプリングによる高域のノイズ対策をコストダウンしようという発想、周波数が上がるんならより細かくなるから「CDの周波数で賄えなかった信号と信号の間」を作り出して補間しちゃおうぜ!っていうのがオーバーサンプリングと、ほぼほぼついてくるインターポレーション…という解釈。
2015-12-04 20:05:37良い点としてはノイズ対策が容易になり、時間軸の分解能が増すことで、より自然らしい音を補間で作り出すことができる…と。悪い点は…後述しますん。 まあいずれにしても、これが今の主流。
2015-12-04 20:15:06