ASD(アスペルガー、自閉症)の人のコミュニケーション困難についての考察~アナログゲームやヴィゴツキーの知見を交えて~

ASD(自閉症スペクトラム)障害のコミュニケーション困難の本質について、アナログゲームを通じたやり取りや、心理学者ヴィゴツキーの知見、さらには障害当事者の人とのやりとりを通じて考えました。未完。続きます。
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松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

ここで改めて指摘しておきたいのは、話し合いにおいて、お互いが共有しているルールや目的について改めて確認しあわなければならないというは事態は、その時点ですでにお互いに何らかのディスコミュニケーションが生じていることを意味するということだ。

2015-12-11 20:16:51
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

それゆえ、たとえば「私達が守るべきルールってなんでしたっけ?」という問いは、対立含みの相当な緊張感をはらんだ問いとなる。このような問いを発さなければならない時点で、コミュニケーションはほとんど破綻しかかっている。

2015-12-11 20:18:11
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

これとと関連して、ASDのある人とのコミュニケーションで感じることとして、お互いの間にディスコミュニケーションが生じると、極めて早いタイミングで互いの共通規範の確認に話題が移行することが多い。

2015-12-11 20:21:17
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

たとえば、「◯◯ってこうするのが目的じゃないですか。だから・・」)とか「でも、ルールによるとこうじゃないですか・・・」と言った風に。また、「私が◯◯しているのだから、あなたも□□してほしい」といった利害関係の再確認が入ることも多い。

2015-12-11 20:23:08
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

しかし、このような、規範参照ベース・交渉ベースの対話は、相手との関係を対立含みの緊張感のあるものにしてしまう。本来であれば、そうなる前に相手の意図・意志の確認と、自身のそれとのすり合わせによる合意形成の過程があるはずなのだが、そこがすっ飛ばされてしまうことが多い。

2015-12-11 20:24:38
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

そのような対立含みの関係を作り出してしまい、しかも昨日も議論したような「自分が持っている前提も相手も持っているはず」という誤信念に基いて話を進めてしまうと、これはもう破綻しか無い。

2015-12-11 20:28:24
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

従って、問題としては「なぜ合意形成プロセスを飛ばして、(本来は奥の手であるはずの)『ルール確認』ベースの話し合いにすぐに移行してしまうのか」ということと、「『ルール確認』ベースの話し合いにおいて、なぜ自分のルールを相手も共有しているはずと思ってしまうのか」という二つが設定できる。

2015-12-11 20:32:22
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

逆に、こうした破綻を防ぐことを考えると、最も適切な手段は、相手の考えが自分のそれと違ったときに、共通規範を持ち出して相手を説得する代わりに「あなたの考えはどうですか」と聞いてみることである。

2015-12-11 20:40:17
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

ここから、とりあえずASDの人のコミュニケーション困難について、「相手と考えが違った場合は、共通のルールや目的を持ちだして説得しようとせずに、まずは相手の考えを聞いてみるべし」という原則を引き出すことができる

2015-12-11 20:41:46
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