ASD(アスペルガー、自閉症)の人のコミュニケーション困難についての考察~アナログゲームやヴィゴツキーの知見を交えて~
- gameryouiku
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その方は、私が「知的能力が高い発達障害のある子どもは早い段階で大人の欺瞞的役割を見ぬいて一人の人間の生々しさを見てしまう」といった意味のツイートにリプライをされ、自分が高い知能を持つ発達障害者であること、大変な苦労をしたが今は理解者に恵まれていることなどを語られたのである。
2015-12-11 00:35:59さて、このリプライは大変な長文かつ個人的な内容で、私の一連のツイートの文脈からは外れたものであったことから、率直に言って、その人の話に私は積極的な関心や共感を覚えなかったのである。
2015-12-11 00:39:12その方はご自分が高知能であるとも言われ、またツイッターを初めて間もない様子であったことから、私は、その方に形ばかりの慰めや共感の言葉を伝えるよりは、率直に私の心情をお伝えした上で、コミュニケーションの取り方をお伝えするのが誠実だろうと考えた。以下は、その際の私の相手への返答である
2015-12-11 00:44:36"こんにちは。たくさんの文章のリプライをいただきましたが、正直申し上げてどうご挨拶を差し上げたらよいか、やや困惑しております。ツイッターを始められたばかりでもあるようなので、少しコミュニケーションということについてお話させて頂いて、ご挨拶に換えたいとおもいます。"
2015-12-11 00:44:57"◯◯さんが大変な人生を送られながらも、良き理解者に恵まれ、前向きに人生を送っておられることは了解いたしました。ただ、私はあなたの家族や友人ではありませんし、あなたを今カウンセリングしているわけでもありません。"
2015-12-11 00:45:53"ですので私個人の心情として、率直に申し上げて、今あなたの現状に心から共感申し上げるという気持ちにはなりません。むしろ、面識のない私に唐突にご自身の境遇を語られるところにあなたの障害特性を強く感じられ、そのことが私のあなたに対する第一の印象になっております。"
2015-12-11 00:46:19"なぜ、このようなことを申し上げるのかというと、ことTwitterのように実名・匿名含めて人間がひしめきあっている場所にあってはたとえ「発達障害」という共通のキーワードがあったとて、あなたの話につねに相手が共感してくれるとは限らないことをお伝えしたいからです。"
2015-12-11 00:46:48"今あなたはおそらく、身の回りの理解者だけの関係から、社会全般に向けて関係を拡げて行かれる時期に差し掛かっておられるのだろうとおもいます。Twitterを開設されたのもその一環でしょう。もしそうなのであれば、広い社会関係にはこれまでとは違った原理が働いております。"
2015-12-11 00:47:07"私にかぎらず、もし誰かと話題を共有したいなら、あなたの話をするまえに相手に興味を持っているような話題を提示しましょう。そうしないと自分の話は聞いてもらえません。"
2015-12-11 00:48:22" あなたと同じASD当事者の方がこうした記事を書いておられますので参考になさってください。decinormal.com/2015/08/27/twi…" と、@decinormalさんの「なぜブロックされるのかわからない人のためのTwitterマニュアル」をくっつけてお返事をしたのである。
2015-12-11 00:49:29これに対し、先方から返ってきた返事は、「あなたの言うことはわかる。しかし、それはそれとして私がなぜあなたにリプライしたのかという理由が伝わらなかったのは残念である」というものであった。
2015-12-11 00:51:09返答に困っていると、このような追伸がきた。「しかし一言申し上げますが、今回私はリプライをした側です。ツイッターの特性上、リプライとは共感を表すものだと私は考えていました。話題提供はツイートした人、リプライとは、そこへの共感を示すものだと思っていました」と言われた。
2015-12-11 00:58:35それに対する私の返答は以下である。"あなたは「◯◯だと思っていました」と言われますが、私はそのようには思っていません。どちらが間違っていてどちらが正しいという話ではないです。しかしあなたがコミュニケーションを続けようとするのであれば、相手である私の視点に歩み寄る必要があります。"
2015-12-11 01:01:27これに対し、先方の返答は「誤解を解くにはお互いの気持ちを述べる必要があります。なので私は自分の思いを伝えたまでです」というものであった。
2015-12-11 01:06:23私はそれに対し、” 「誤解を解くときにはお互いの気持ちを述べる必要があります。」といわれますが、私はあなたへの誤解を修正する必要はありません。その理由がないからです。
2015-12-11 01:08:00"もしあなたが私に誤解を修正を求めたいのなら、私がそうしたくなる要素があなたの方から提示されるべきです。そうでないとコミュニケーションは成立しません。"と私は答え、ここで相手の方は私をブロックした。
2015-12-11 01:10:32ここで、当初のルールや目的の問題に戻ろう。私は最初、ASDの人のコミュニケーション困難を、社会全般のコミュニケーションを暗黙に規定するようなメタなルール(ないしは目的)があると想定した。
2015-12-11 01:15:20しかし、この一連のやりとりで私が実際に体験したのは、私と相手とではコミュニケーションの目的もルールも違っているのに、そのことを理解していただけない、ということだった。
2015-12-11 01:20:13相手は(私から見れば)自分で勝手に決めたルールや目的に沿って、私が行動するであろう(あるいは行動しなくてはならない)という考えを持ち続け、私はその考えを受け入れることを拒否し続けたためにコミュニケーションが破綻した。
2015-12-11 01:22:27入試でも、採用でも、落とすべき人をキチンと落とすというのは、組織にとって大事なだけでなく、本人にとっても、結構、親切なことだと思いますよ。同様に辞めるべき人を辞めさせることは、マネジメントの最も重要な意思決定だし、行動だと思います。
2015-12-11 01:23:22ASDの人は、人間関係を規定するメタルールの理解に困難を来しているという仮説はおそらく間違いで、そもそも共通のルールなどないフリーハンドな状態で、なぜか相手も同じルールを共有しているはずと誤解してしまうことに困難があるのだ、というのが新しい仮説になる。
2015-12-11 01:29:52その仮説から発するとすれば、「共通のルールや目的をもたないフリーハンドなコミュニケーションとはどのような構造であるか」「ASDのある人のその構造の把握困難はどのようにして起こるか」「その困難の背景に、どのような発達の遅れ、偏りが想定されるのか」
2015-12-11 01:36:32「その発達の遅れ、偏りはいかにして代償・克服されるのか」という課題が続くことになる。やれやれ先は長い。といったところで今日はお開き。
2015-12-11 01:37:14昨日の時点で辿り着いたのは、ASDの人のコミュニケーション困難というのは、共有するルールや目的がないようなフリーな関係性の中で、なぜか相手も同じルールを共有しているはずと誤解してしまうことことにあるのでは、という仮説だった。
2015-12-11 20:08:01