佐藤正美Tweet_20151201_15

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佐藤正美 @satou_masami

私は、情報システム・コンサルタントとして、様々な業界の企業に雇われてきました。そして、SEたちは、自らが帰属している企業のエンドユーザに対する同士意識よりも、他の企業に勤めているSEたちに対する仲間意識のほうが強いという奇妙な現象を私は数多く観てきました。

2015-12-15 19:35:22
佐藤正美 @satou_masami

システム・インテグレーターとかソフトウェアハウスという職業が成立しているように、コンピュータ技術そのもの-のほうが、それを使って作るプロダクトに較べて、強く意識されているようで、その意識が、様々な企業の情報システム部のあいだで、仲間意識を生んでいるのかもしれないですね。

2015-12-15 19:40:20
佐藤正美 @satou_masami

その仲間意識を良いとか悪いとか判断するつもりはないのですが、企業に帰属する情報システム部のSEたちの間に、自分たちの作ったプロダクトが(それが一つの企業のなかでのみ使われて、マーケットに投入されることはないにしても)「商品」であるという意識が薄いことを憂慮しています。

2015-12-15 19:44:17
佐藤正美 @satou_masami

「横並び」現象が日本企業の特徴であると云われていますが、同じ人間がいないように同じ企業・同じ事業もないのなら、「似ている」という現象のなかで、抹殺された些細な事実を注視すること。それがコンサルタントの眼(叡知)でしょう。

2015-12-15 19:47:29
佐藤正美 @satou_masami

英語にはiconoclastという単語(概念)があります。私の気に入っている概念の一つです。Iconoclastは、偶像破壊主義者・因習打破主義者ということです。Iconoclastは、社会に流布している通念を疑わない人たちにとって危険人物に映るでしょうね。

2015-12-15 19:51:35
佐藤正美 @satou_masami

「君たちが、1つの、あるいはせいぜい2つの見方しかないと思っていたのに、外の見方もあると考えるようにさせたいのだ。それからさらに、概念のあり方が せまい範囲にかぎられると思いこむのが馬鹿らしいということに気がつくように指導したいのだ」(ウィトゲンシュタイン)。

2015-12-15 19:54:54
佐藤正美 @satou_masami

ウィトゲンシュタイン氏は、まぎれもないiconoclastでしょうね。私は、情報システム・コンサルタントとして、「制度(確立された手続き)」の有効性を疑うiconoclastでありたいと思っています。

2015-12-15 19:57:06
佐藤正美 @satou_masami

ひとつの情報を、どのような観点(賛成の立場か反対の立場)に立って述べるかが、その情報の論調となります。「(なにかを)伝える」ということを目的としている情報では、どれほど「中立に」意見を述べたとしても、語る「語彙」を選ぶ際に、主観が作用します。

2015-12-15 19:59:57
佐藤正美 @satou_masami

対象に対して、賛成(for)か反対(against)であるか、いずれかの観点が言い回しのなかに現れてきます。There is much to be said for it(擁護して色々と言うことがある)」は、私の好きな表現です。

2015-12-15 20:02:50
佐藤正美 @satou_masami

「多数派の意見」というのが、どのようにして形作られるのかを私は述べるほどの見識を持っていませんが、私は、「少数派の意見」を つねに丁寧に聴きたいと思う。多数派の陰になって忘れ去られようとする少数派の怒りの声に耳を傾けたい。少数派を「代弁」する立場にいたいと私は思う。

2015-12-15 20:05:33
佐藤正美 @satou_masami

多数の人たちが「当然のように思い込んでいる(generally accepted)」ことに対して、警鐘を打って、さらに、「新たな視点」を提示して啓蒙するとなれば、論調は勢いprovocative (挑発的)になります。

2015-12-15 20:08:23
佐藤正美 @satou_masami

「コンサルタントは、口(くち)が達者じゃなきゃ やれない商売だよな」と私の眼前で言った人がいました。んー、この言いかたには、なにかしら、コンサルタント像に関して、偏見があるようですね。私は、その人の意見に対して即座に反論できなかったのですが、やや抵抗感を覚えていました。

2015-12-15 20:12:32
佐藤正美 @satou_masami

最良のコンサルタントというのは、たとえ黙っていても、その場にいるだけで存在感があって、ユーザが仕事を積極的に改善するように仕向けるコンサルタントではないでしょうか。コンサルタントの役割は「事実を正確に伝える」ことであって、「ひとの感情をそそのかす」ことはしないはずです。

2015-12-15 20:16:16
佐藤正美 @satou_masami

黙っていたら、勿論、コンサルタントとして期待されている技術・知識をユーザに伝えることはできないので、技術を指導するに足る表現力は、コンサルタントとして具えていなければならないのですが、その表現力を超えたコミュニケーションは余計な装飾です。

2015-12-15 20:19:03
佐藤正美 @satou_masami

コンサルタントの使命は、catalyst(反応を促進する媒体)であることだから、コンサルタントが主役(リーダー)になる事態など起こってはならない。コンサルタントは、部外者であって当事者ではないし、舞台の中央に立つ存在ではないでしょう。

2015-12-15 20:21:52
佐藤正美 @satou_masami

コンサルタントの表現力というのは、あくまで、「事実を正確に伝える」力であって、もし、コンサルタントが雄弁であっても、雄弁であることはコンサルタントの職責から外れた評価点にすぎないでしょうね。口(くち)が立つことは、コンサルタントの必要条件ではない。

2015-12-15 20:24:04
佐藤正美 @satou_masami

或る文芸評論家が「携帯電話の普及が文化の軽薄さを助長した」というようなことを言っていたけれど、的外れな非難ではないか。私にとって、携帯電話は、情報を入手する役立つ手段であっても、ふるまいの軽薄さを助長するような有害物ではない。

2015-12-15 20:26:50
佐藤正美 @satou_masami

新しい技術に対して拒否感を抱く人たちがいますが、そういう技術が自分の目的・嗜好に合わないというのであれば、それはそれでかまわないのですが、そういう技術を「文化の軽薄」にまで飛躍されて論難されると、私はエンジニアとして、そういう人たちの「文化論」を聞いていて閉口します。

2015-12-15 20:30:29
佐藤正美 @satou_masami

文化の軽薄さは、携帯電話などの技術が助長したのではなくて、技術の進歩に対して、その技術を使う われわれの対応が下手なために起こっているのではないでしょうか。そして、その対応というのは、技術を使っているうちに洗練されてくるのではないでしょうか。

2015-12-15 20:32:28
佐藤正美 @satou_masami

技術の価値は、その有用性(使用価値)にあるはずです。すなわち、なんらかの目的に対して役立つことが技術の存在価値のはずです。そして、その有用性が手軽に入手できるのなら、技術の貢献度は もっと増すでしょう。

2015-12-15 20:34:41
佐藤正美 @satou_masami

「表現法」は技術だから、書物を読むためには、的確な技術を習得しなければならないのだけれど、いっぽうで、作家の「思い」を鷲掴みにするやりかたも大切だな、と感じています。なぜなら、作家は、そもそも、その「思い」を伝えるために、技術を使うのだから。

2015-12-15 20:43:43
佐藤正美 @satou_masami

作家の「思い」を鷲掴みにすれば、次に、その「思い」を的確に記述するために、作家が、どういう表現技術を使ったのか、という点を把握することは、そうそう、難しいことではない。

2015-12-15 20:44:57
佐藤正美 @satou_masami

「思い」を、どのようにして記述するのか、という技術を作家は考えるし、「思い」を的確に記述するためには、「推敲」を繰り返すことになる、という点もわかるでしょう。

2015-12-15 20:46:34
佐藤正美 @satou_masami

近代・現代の文学のなかで「古典」として定評のある作品は、主題 [ plot ] を語る技術(着想の独自性、記述の正確性、構成力)が巧みなので、「思い」を伝える技術を学習するには、まさに、手本となります。

2015-12-15 20:48:54
佐藤正美 @satou_masami

「国語を嫌い」という生徒が多いそうですが、国語を嫌いというのは、「『思い』を記述する技術」を嫌いである事と同値でしょう。「思い」を正確に記述して1つの まとまった作品として整えるという作業は、「論理的に考える」事と同値だから。

2015-12-15 20:52:25