12月19日　三笠の昔話

戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

今日は、第二次世界大戦(欧州戦線)、伊海軍特殊部隊による英アレクサンドリア軍港襲撃の日(1941)です。 たった6名の攻撃により英戦艦クイーン・エリザベスちゃん、ヴァリアントちゃんが大破擱座。スパイ映画さながらの展開は、後に映画化もされました。 #三笠の昔話

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二隻の戦艦を襲ったのは、伊海軍の｢人間魚雷｣マイアーレ。 しかしそれは｢回天｣のような自爆兵器でもなければ、甲標的のような魚雷搭載の小型潜水艇でもない、ただの水中バイク。水雷は人間がしょって運ぶという原始的なもの。 #三笠の昔話

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艇員は敵艦に忍び寄ってしょっていた機雷(リムペット・マイン)を艦底にセットしたら離脱。その後、時限仕掛けの機雷が爆発すれば、いかな戦艦もイチコロ… 嘘だろ？と思うかも知れませんが、史実です。事実は小説よりも奇なり。 #三笠の昔話

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離脱した艇員のうち2名は、機雷をしかけた直後に戦艦ヴァリアントちゃんの乗員に見つかり捕縛。尋問では口を割らず、船倉に放り込まれました。 そこはあろうことか、自分達が機雷を仕掛けた場所の近く。 ｢ヤベェぞ！このままじゃ俺たちもオダブツだ｣ #三笠の昔話

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二人は艦長に面会を要求。船倉から出された後、ついに機雷が爆発！二人は多少の怪我を負ったものの混乱に乗じて脱出に成功。もう、ほとんどスパイ映画の世界です。 後に陸上で全員が逮捕拘束されましたが、結局伊海軍は一人の死者も出さずに主力艦二隻の撃破に成功したのでした。 #三笠の昔話

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今日は、海軍中将・栗田健男提督の命日(1977)です。 太平洋戦争を最初から最後まで(正確には、レイテで艦隊が壊滅するまで)第一線で戦い続けた猛将ですが、レイテでの指揮について未だに賛否両論が絶えないのは説明するまでもありません。 #三笠の昔話

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なお、レイテ後は海軍兵学校長を務め、そのまま終戦・兵学校閉鎖を迎えたため、海軍兵学校最後の校長でもあります。 #三笠の昔話

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おっと、昨日のつぶやき忘れ。 昨日12/19は、独海軍アドミラル・グラフ・シュペー艦長ハンス・ラングスドルフ大佐の命日(1939)でした。 シュペーちゃん自沈の2日後、拘留先のホテルの一室で拳銃自殺。 #三笠の昔話

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ラングスドルフ艦長は第一次大戦から参戦してきた古株。しかし、独国に吹き荒れたファシズムになびくことなく、むしろ距離をおいて活動。 とある式典では、居並ぶ将校・官僚がナチス式の敬礼をする中、ただ一人海軍式の敬礼をして周りを困惑させた、という逸話も残っています。 #三笠の昔話

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その通商破壊活動も極めて紳士的で、国際法を遵守し捕虜の扱いは丁重。また、艦内では身分格差を薄めて差別意識をなくし、水兵・士官を問わず尊敬を集めていました。 そんなラングスドルフ艦長、シュペーちゃん自沈に際し自らも艦と運命を共にしようとしたのですが… #三笠の昔話

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随伴していた部下達が｢尊敬する艦長を死なせてはならぬ｣と必死の説得と実力行使を行い、救出に成功。 上陸後は、国際法の知識を駆使して部下たちの帰国実現のため奔走しますが、結果的には全員が捕虜として抑留されることに決定。 #三笠の昔話

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そしてこの日、艦から持ち出したシュペーちゃんの軍艦旗を体に巻き拳銃で自殺。最期まで、独海軍軍人として生涯を閉じました。 葬儀には部下や在住独人のみならず、地元民や英国軍人もラングスドルフ艦長に敬意を表し参列、盛大な葬送であったと言われています。 #三笠の昔話

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背後の人々がナチス式敬礼をしている中、毅然と海軍式敬礼をする在りし日のラングスドルフ艦長(中央)。 upload.wikimedia.org/wikipedia/comm… pic.twitter.com/WKJa5DToL3

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独海軍は、ラングスドルフ艦長のようにナチズムに染まらない軍人が多く、これがチョビひげオヤジが海軍を冷遇した一因とも言われています。 そのためラングスドルフ艦長は本国では酷評されましたが、その高潔な生き方は今後も語り継いでいくべきものと思います。 おわり #三笠の昔話