東方的小倉百人一首解釈
なげけとてつきやはものをおもはするかこちがほなるわがなみだかな 嘆けと言って月が私物思いさせるのでしょうか。いいえ、そんなことはありませんよね。それなのに、まるで月のせいであるように、こぼれ落ちる私の涙であるのです。妖夢、支度なさい。あの月は、とてもとてもよろしくないわ。
2015-12-23 23:38:06むらさめのつゆもまだひぬまきのはにきりたちのぼるあきのゆふぐれ 村雨の粒がまだ乾いてもいない檜の葉に、霧が立ち上る秋の夕暮れが格別にいいのですよ。霧と混じる焚き火の煙もご覧なさい。ふふ、お芋も丁度良く焼けたようですし、いただきましょう。おっと、紫様と橙の分を残しておくように。
2015-12-23 23:47:40なにはえのあしのかりねのひとよゆゑみをつくしてやこひわたるべき 儂を相手によくぞ言えたのう。難波の岸辺に生えていた葦の刈り根の一節ではないが、どうしてたった一夜の仮寝のために、彼の地の澪標のごとく、身を尽くして恋し続けなければならなんのだ。一夜とは言わさんからの。覚悟せい。
2015-12-24 00:03:58たまのをよたえなばたえねながらへばしのぶることのよわりもぞする 我が命よ、三十路で絶えるならば、潔くさっさと絶えてしまえ。このまま生きながらえると、きっとこの恋心を表さないように耐え忍んでいる意思が弱ってしまうと困るから。
2015-12-24 00:15:34みせばやなをじまのあまのそでだにもぬれにぞぬれしいろはかはらず 血の涙に色が変わってしまった私の袖を見せてやろうか。松島の漁師の袖さえ、濡れに濡れたにも関わらず、色は変わらないのは知っているだろう。喰らうがいい、恨み恨んで真っ赤になった不死鳥の炎を。
2015-12-24 01:36:06きりぎりすなくやしもよのさむしろにころもかたしきひとりかもねむ 蟋蟀も泣きさけぶ、チルノが喜びそうな霜の降りた夜の寒々しい筵の上に衣の片袖を敷いて、私一人でさびしく寝ろというのかしら。しょうがない、屋台へ行ってミスチーに温めてもらおう。
2015-12-24 01:39:32