読書 絵本『税ってなに?』シリーズ

途中から『ブラックレイン』論に脱線。
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It happens sometimes @ElementaryGard

『税ってなに?シリーズ1 とられる税から私たちの税へ』(監修 三木義一)。絵本の体裁で書かれた税金入門。2500えん?

2015-12-28 12:39:36
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『税ってなに?シリーズ1 とられる税から私たちの税へ』。まず税金の始まりから。縄文時代には農耕がろくになかったため富と呼べるような生産力もなく、支配する/されるの差はなかった。マルクス資本論ですね。

2015-12-28 12:42:04
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『税ってなに?シリーズ1 とられる税から私たちの税へ』。でピラミッドとか万里の長城とかの時代へ。日本も8世紀に中国にならって律令制が成立。土地は朝廷のものであり民に貸してやるから収穫を税として納めよ戸籍も作ってお前らしっかり管理するぞ方式。

2015-12-28 12:45:01
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『税ってなに?シリーズ1 とられる税から私たちの税へ』。税が高いと村ぐるみで逃亡。土地が荒れた。それで例の「墾田永年私財法」が誕生。自力で開墾した土地は私有地と認められた。地方豪族は逃亡農民を私有地の開墾にまわした。私有地は税が安かったので逃亡者にもありがたかった。これ中学歴史。

2015-12-28 12:48:51
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『税ってなに?シリーズ1 とられる税から私たちの税へ』。土地を守る武力として武士が台頭。太閤検地。江戸時代は米による納税とは裏腹に市場経済が発達し経済システムが二重構造化。米による税収では慢性的財政難に。

2015-12-28 12:51:02
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『税ってなに?シリーズ1 とられる税から私たちの税へ』。イギリスで税をめぐって国王と議会(貴族グループ)が衝突。海軍の戦争は金がかかるためいやでも重税化していた。国王追放。名誉革命。議会が国王の権力を制限するしくみが誕生。社会契約説への転換。

2015-12-28 12:55:38
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『税ってなに?シリーズ1 とられる税から私たちの税へ』。アメリカ独立は、印紙税への反発がきっかけだった。イギリス議会には植民地代表がひとりもいないのになんで印紙税を強制されないといかんの?と。

2015-12-28 12:57:22
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『税ってなに?シリーズ1 とられる税から私たちの税へ』。ところで明治時代に女性の参政権を訴えた女性が今では時代の先駆けとして称えられているけど(この本でもです)、彼女は未亡人戸主としてしっかり納税してたのだから選挙権よこせと訴えたのです。女性参政権運動の先駆け、と呼べるのかな?

2015-12-28 13:00:04
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『税ってなに?シリーズ1 とられる税から私たちの税へ』。税の仕組みの違いをこの本はアメリカ/デンマークをスペクトラムの両極において説明しています。USAは税が低い。そのかわりに社会保障やなんやらは自己負担が原則。

2015-12-28 13:02:04
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映画『ブラックレイン』で、NYの暴走刑事が自分の汚職を健さんに告白して愚痴る。"I had a divorce. I got kids, bills"(離婚の慰謝料やガキどもの養育費やなんやらあって) 健さんは"Theft is theft."(横領は横領だ)とすげない。

2015-12-28 13:05:19
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映画冒頭で主人公は養育費ほかでピンチだと説明される。貧乏パパなのに別れた嫁は豪邸暮らしで子どもらは私立の小学校に通っている。あの豪邸は彼の元自邸?どうやって手に入れたんだろう。子どもをバイクで学校に送る何気ないシーンで彼の苦しい立場をしっかり説明する。実にハリウッド文法。

2015-12-28 13:10:43
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汚職疑惑で内部調査部に尋問される。その直前に上司から、弁護士は大事にしろと言われる。そのかわり養育費もむしり取られるがな、と。主人公はこの弁護士さんとは面識はあっても別に親しい仲ではない口ぶり。すると離婚調停時の奥様側弁護士か。

2015-12-28 13:14:54
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"How's your lawyer?"(弁護士はどうだ) "Hardly know him."(ほとんど初対面)

2015-12-28 13:16:23
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"If these people get their way, you'll get to know him real well. Hell, you'll probably be sending his kids through collage."

2015-12-28 13:17:50
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(調査部からの尋問中は味方になってくれるさ。そのかわり子どもの学費も延々払わされるのがオチさ)

2015-12-28 13:21:53

なぜ your kids ではなく his kids かわかりますか?「その弁護士さんは別れた妻の側の弁護士にすぎないのだから、今はお前の味方をしてくれるが養育費の件については容赦がないぞ、なにしろ自分のクライアントなんだからなお前のガキどもは」と主人公は忠告されているのです上司に。

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実はもとのセリフでは「子どもらが大学を出るまで元嫁に学費を払わされるぞ」と言ってる。大学の学費は子どもが自分でなんとかするのが基本というわけです。そういう国ですねすべてがそうではないけれど。

2015-12-28 13:24:05
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優作兄ぃを飛行機で大阪に護送する際にも相棒に愚痴る。"You wait till you get a family. Start there with the private schools, the braces."(子どもができると私学の学費だの歯の矯正だの金がかかるかかる)

2015-12-28 13:28:37
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健康保険制度がないから歯医者ひとつ通わせるのにも胃が痛くなるというわけ。それで裏で横領してたのです。麻薬密売人を逮捕して金を押収する際に少しばかりliberate(金を自由にしてあげる)したと後で健さんに告白。

2015-12-28 13:31:05
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健さんは日本のひとだから、主人公の金の苦しさが本当にはわからない(わかってるかもしれない)。それでうどんをふたりですすりながら"Theft is theft."(不正は不正だ)とすげない。

2015-12-28 13:32:20
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"NY is a big gray area."(NYはどこもそうさ) "If you steal, you disgrace Charle, me, and yourself."(死んだチャーリーが悲しむ。私もあなたもだ) 正論ですが日米の税制度の違いが背後にある。

2015-12-28 13:34:18
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リドリー・スコット監督がそこまで調べてあの脚本を書かせたのかどうかわかりませんが、日米の税制度の違いを知っていると味わい深い。

2015-12-28 13:35:35
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『税ってなに?シリーズ2 税の集め方、使い方のしくみ』。応益負担(国から益を得ている者こそたくさん納税せよ)の原則はアダム・スミスの時代の思想。それがやがて応能負担(豊かな者こそたくさん納税せよ)の原則に移行。現在は国税が後者寄りで地方税が前者寄り。

2015-12-28 14:18:06
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『税ってなに?』シリーズ全4巻。第四巻はまるまる消費税論。ほかの税については第三巻で章わけして論じられているのに。つまりそれだけ消費税は見かけほど単純ではないということか。

2015-12-28 14:37:22