結婚後~クライマックス

さあ、エピローグ向けて転がり込むぜ
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ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

雨の日だった 傭兵仕事を終えて劇団の本拠地...テントに戻ったウォルター達。 何故か団員達が騒がしい。 そしていつも彼等が戻ると、座長としてにこやかに帰還を労うロクサーヌの姿が見えない。嫌な予感がよぎる。 #ウォルター頑張れ

2015-12-25 09:58:19
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

普段の僕だったら、他の用事で忙しいのだろうとか考えた。でも...あと数ヶ月。数ヶ月だ。数ヶ月で彼女の予言に告げられている日になる。一番近くにいたカカを捕まえて、濡れた身体からポタポタと水が落ちるのも構わず聞く。 #ウォルター頑張れ

2015-12-25 10:04:21
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

「ロクサーヌは?座長は?」性急に問う僕に劇団で一番喋り朴念仁のカカがゆっくり喋る。「...倒れた」 その答えにガツンと殴られたように目の前が真っ暗になる。周りの他の団員が何かを言ってるが入らない。 「...今何処に?」震えを抑えつつ聞く #ウォルター頑張れ

2015-12-25 10:12:30
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

「婆さまのとこにいる...」劇団キロクロティマは常に移動しているし、傭兵仕事で負傷者も出る。自然と医療班みたいな役割を担う人達が出来た。その中でも人生において経験豊かなのは勿論。その人格で一目置かれている老婆。婆さまと呼ばれている彼女の所にいると言う事は... #ウォルター頑張れ

2015-12-25 10:35:21
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

「ロクサーヌ!!」血相を変えて愛する妻がいる部屋に入る。「おや、速いねえ。」と呆れた声を出す婆さまを無視してベッドに上半身を起こした状態のロクサーヌに駆け寄るとぎゅっと手を握る。 「ロクサーヌ...」ポタっと涙が落ちる。大丈夫?その一言が言えない #ウォルター頑張れ

2015-12-25 10:39:20
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki 「さあ!もう一度頭からだ!公演まで日がないぞ!」 ウォルター率いる一隊が傭兵仕事に歩む中 残った面々は次なる舞台の稽古に励んでいた ぱん、と手を叩いて笑顔で団員を見回す彼女とは対照的に、彼らの表情からは疲れを隠せない→

2015-12-26 22:16:51
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki 役者の多くが傭兵稼業もこなす猛者である中 だロクサーヌの体力は際立っていた 額に汗こそ浮かんでいるが、声の張りも溌剌とした表情も全く衰えを見せない 「僕の下で舞台に立つからには、いつまでもウォルターに頼りきりだなんて許さないからね」→

2015-12-26 22:18:47
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki そんな様子は日常茶飯事であったから 「…座長?」 むしろ反応が遅れたのはロクサーヌであった 「え――」 ふと足元をふらつかせたロクサーヌに団員の一人が声をかけ ゆらぐ視界の正体を正確につかめないまま 明滅する視界に意識を預けることとなる →

2015-12-26 22:45:45
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki … … … 半刻もすれば、問題なく起き上がれるようにはなったのだが、待っていたのはマダム・メリンダ――そう呼ぶのはロクサーヌだけで、専ら婆さまと呼ばれる老女医――から告げられる極めて明快な診断結果と、それに伴う数々のお説教だ →

2015-12-26 23:15:17
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki 「……」 最も、その言葉も殆どは耳に入ってこない 何よりも望み、そして最も恐れていた事態が現実となったのだ ベッドの上で落ち着きなく指を組み替えながら、それでも必死で平静を装う→

2015-12-26 23:59:46
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki 『おや、速いねえ』 マダム・メリンダの声にはっと顔を上げる 息を切らせて駆け込んできた彼のその顔つきに胸を締め付けられながら、縋るように相手の顔を見上げた 「ウォルター、ああ、ウォルター。 わたしは、私はどうしたらいいか、嗚呼……」→

2015-12-27 00:12:53
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki 言葉が形にならない その事実を、早く伝えなければならないのに 何時だったかもこうして倒れて無様を晒したことがあった あれはそう、二年も前にドラゴンを向こうに回して立ちまわった時だったか あれから自分たちは弱くなった。とてもとても、弱くなった。

2015-12-27 00:15:38
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

@WISE_GC 彼女の表情にはっとして自分を叱咤する。迷い子の表情の彼女。あの時から幾度か見せるようになって、見る度に自分自身の不甲斐なさを叱咤する事になる。彼女のほうが恐怖で震えて弱っているのに。僕のがしっかりしないでどうする?彼女が濡れてしまうのも恐れずそっと肩を抱く→

2015-12-27 00:22:15
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

@WISE_GC そしてそっと彼女が感情が高まったり同仕様もなくなるとよくそうするのを思いだし、自ら彼女の顔を自分の胸に引き寄せ抱く。トクトクと自分の心臓が彼女に伝わる。「ロクサーヌ...大丈夫だよ。何が起きても僕がいるから」

2015-12-27 00:29:06
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki 死の運命に立ち向かうと決めた 悲劇ならざる何かで人生を彩ると決意した その道行の、なんと頼りなく、心細いことか! 雨に濡れた彼の身体よりも、一層低い体温が抱擁への応えだ マダム・メリンダが居なければ泣き出していたかもしれない→

2015-12-27 00:57:44
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki これは、未だ全てが消え失せた訳ではない破滅への甘美な崇拝が呼び寄せたのではないか。そんな思いが己を苛む。 …だとしても、告げなければならないだろう 「ウォルター……こどもが、わたし達の」 軽妙な節回しも明朗な台詞もなく、やっとの思いで絞り出した

2015-12-27 01:02:50
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

@WISE_GC 風が吹けば 飛ぶように弱った様子の妻。ああ、そんなに酷いのか。頭の浮かぶ、数々の旅路で見たり聞いたりした流行り病や難病の名前の数々。暗くドス黒いドロっとした感情が渦巻きそれに身を任せ泣き叫んで八つ当たりしたくなるが堪える。「大丈夫、大丈夫....僕が...」→

2015-12-27 01:08:22
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

@WISE_GC と言いかかけて彼女の声が届く。へ?《こども》。私達の 。彼女を身体から引き離し呆然とする

2015-12-27 01:10:27
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki 「こども。…さ、三ヶ月だって…」 引き離されては一層不安げな様子を表情に覗かせて、些かの逡巡を見せた後、ねだるように両手を広げた 「どうしよう、どうしよう、ウォルター…」 やれやれ、とでも言いたげな様子のマダム・メリンダも今は目に入らない

2015-12-27 01:25:55
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

@WISE_GC 何か言いたげな婆様の存在なんか忘れた。先ほどまでの不安にドス黒い何かとは一転。様々な怪しげな瓶や道具で散乱する部屋がまるで何処かの王宮の一室のようにウォルターの目にキラキラと厳かな光を放ち映る。子供。→

2015-12-27 01:31:58
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

@WISE_GC 顔がシャーリーの頃を思い出させる、心からの。一点の陰りも曇りもない歓びで口元を綻ばせる笑みが広がる。「ロクサーヌ.....!!やったあああああ!!」感激に打ち震えながらねだるように差し伸べられた腕ごと抱きしめる。気をつけてお腹には触れず→

2015-12-27 01:37:39
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

@WISE_GC どうしよう?と先ほどの彼女の問いの答えを考えるとか。いや彼女の様子に気を配りしっかりと支えて落ち着かせるべきだったと後から思っただろう。でも「嬉しい、嬉しい!!ロクサーヌ!えっと、えっと」慌てふためく。妊婦に何をしてあげればいいとか全く無知だ→

2015-12-27 01:42:01
ウォルター@保連連24ms @vipiansalmiakki

@WISE_GC 彼女を腕に閉じ込めたままオロオロとする。

2015-12-27 01:47:54
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki 「わ、わ…!」 気色を満面に浮かべる夫に、戸惑いながら抱擁を受け入れる 身体中に水滴を滴らせてはしゃぐ様子は、実家で飼っていた犬を思わせて少し顔を綻ばせる。 …彼が喜んでいる、今はそれでいいじゃないか そうやって、胸の内の不安を押し殺した→

2015-12-27 02:07:56
たたみ(告知専用) @WISE_GC

@vipiansalmiakki 「“僕”も嬉しいよ、ウォルター。望んでやまなかった新しい光だ!きっと目の回るような日々と、歓喜と、祝祭が僕らを待っている」 背筋を伸ばして抱擁を返し、いつもの調子で朗々と語りかける それは何かを押し隠した演技であり、また本心からの言葉でもあった

2015-12-27 02:22:21
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