試行錯誤する米陸軍機迷彩塗装~迷彩なくせば30~40km/hアップ?~

少しでも速く、高くともがいたってことなんでしょうねぇ……
26
Bunzo @Kominebunzo

極端な話の中で地味に研究されていたのが爆撃機用迷彩色。OD塗装は元々が地上に置かれた戦闘機用の迷彩なので大型の爆撃機にそのまま適用できないとの考え方で実験が行われ爆撃機の側面をグレーに変えることで迷彩効果が高まることが確認される。けれどもこの変更は迷彩廃止騒ぎに紛れ実施されない。

2015-12-29 03:32:30
Bunzo @Kominebunzo

透明塗料の実験はどうなったのかといえば、ワニス(日本で一般にイメージされるワニスに非ず)塗装を行うと乾燥時間が長くなり作業効率が極めて悪いとの評価が足を引っ張る。 ちなみに日本の陸上攻撃機では、機体下面はジュラルミン地肌に透明塗料を塗っているけれどもこれは防錆目的。

2015-12-29 03:38:45
Bunzo @Kominebunzo

米陸軍機迷彩色としてのオリーブドラブとニュートラルグレーの選択自体に最初から批判があったようで、暗すぎる、適応範囲が小さいといった話が繰り返し出て来る。下面のニュートラルグレーは米海軍機の上面色と同様の「暗さ」でもあるので飛行機の塗装としては異常に暗い。ほとんど陸戦兵器の色だ。

2015-12-29 03:43:37
Bunzo @Kominebunzo

B-17Fを利用して行われた迷彩剥離実験では剥離剤は30ガロンではなく100ガロン(378.5リットル)以上必要で手間も200人/時間どころの騒ぎではなく「やってられない」ことが判明している。それまで大型機の迷彩剥がしなんて誰もやってみなかったのだ。

2015-12-29 03:52:07
Bunzo @Kominebunzo

米軍の迷彩廃止の根拠となったのはレーダーの発達で基地を奇襲され難くなった、と考えたこと。一方英軍は迷彩は迷彩、電子戦は電子戦と別々に考えて、爆撃機の塗装を変更するよりも積極的な敵邀撃レーダーの妨害に注力する。英軍の方が常識的に動いている。では米軍はどうして大騒ぎしたのか。

2015-12-29 04:11:21
Bunzo @Kominebunzo

まだドイツ本土上空の制空権など望むべくもなく海峡突破のためにスピットファイアの護衛が頼りだった1943年前半の時期に迷彩剥離が検討されたのは、この騒ぎが長距離護衛戦闘機問題と表裏一体のものだったから。余裕が出たからではなく余裕が無いから迷彩廃止を検討、と考えると腹に落ちやすい。

2015-12-29 04:21:15