【新・日本推理小説体系・総解説】《第4期》

松井さんの【新・日本推理小説体系・総解説】の《第38巻》から《第50巻》までのまとめです
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松井和翠 @WasuiMatui2014

まず連作短編集『メルカトルと美袋のための殺人』でかれの人となりを知っていただきたい。名作「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」でその頭脳の閃きを、「化粧した男の冒険」「小人間居為不善」でその悪魔的な詭計を、「ノスタルジア」でその底意地の悪さをそれぞれ知る事が出来るだろう。

2015-12-31 23:41:49
松井和翠 @WasuiMatui2014

そして「彷徨える美袋」であなたは共感を覚えるに違いない。そうしたら「シベリア急行」に乗り「蒼鴉城」(=『翼ある闇』)へ赴いていただこう。そこが終点である。しかし、その後に「答えのない絵本」「九州旅行」「収束」が置かれているのはなぜだろうか…。

2015-12-31 23:44:45
松井和翠 @WasuiMatui2014

他、《木更津悠也》から「禁区」、《貴族探偵》から「こうもり」、《神様》から『神様ゲーム』を収録した。また、連作『まほろ市の殺人』に寄稿した「闇雲A子と憂鬱刑事」は作者の隠れた傑作中編である。

2015-12-31 23:47:24
松井和翠 @WasuiMatui2014

《第48巻》 【山田正紀】 『人喰いの時代』 『神曲法廷』 「アマゾン・ゲーム」 「少女と武者人形」 「鮫祭礼」

2015-12-31 23:48:27
松井和翠 @WasuiMatui2014

第48巻には山田正紀の長編2作品と短編3作品を収録した。 SF界の巨匠は、90年代から本格ミステリ界に参入、多大な貢献をしている。その成果を一巻に集めた。

2015-12-31 23:50:55
松井和翠 @WasuiMatui2014

『人喰いの時代』は著者が記した本格的なミステリ連作短編集。椹秀助と呪師霊太郎という二人を主役に、“昭和”という時代を描ききった本作はその後の《オペラ》三部作の原点であり、山田ミステリ屈指の傑作である。

2015-12-31 23:54:38
松井和翠 @WasuiMatui2014

また、中期の『妖鳥』『螺旋』といった大作路線の極みとして『神曲法廷』を挙げた。“神の声を聞く探偵”佐伯神一郎が、奇怪な事件に巻き込まれていく超絶の傑作である。特に、残酷な結末は圧巻。

2015-12-31 23:57:32
松井和翠 @WasuiMatui2014

ただ紙幅の都合上『おとり捜査官』シリーズを採れなかったのが残念である。併載した短編は、豪快痛快な「アマゾン・ゲーム」、奇妙な味「少女と武者人形」、西村京太郎の「南神威島」を想起させる「鮫祭礼」の3編。

2016-01-01 00:01:25
松井和翠 @WasuiMatui2014

《第49巻》 【横山秀夫】 『第三の時効』 『64』 「永遠の時効」

2016-01-01 00:45:38
松井和翠 @WasuiMatui2014

第49巻は横山秀夫の長編1作品と連作短編集1作品及び短編1作品を収録した。 警察小説に新風を巻き起こした著者は、現代を代表する短編の名手でもある。その実力を示すために是非多くの短編を収めたかったが―『64』の重量級に打ち勝つことはできなかった。

2016-01-01 00:49:47
松井和翠 @WasuiMatui2014

『64』は作者の集大成的な作品であり、アクロバティックなアイディアを搭載したミステリでもある。これを収録せずに横山秀夫巻を作る事は耐えられなかった。これによって、いくつもの優れた短編が落ちてしまったことは慚愧に堪えない。

2016-01-01 00:53:58
松井和翠 @WasuiMatui2014

無論、これを少しでもカバーするため、『第三の時効』は丸々一冊収録した。これは警察小説の皮を被った名探偵小説である。ひりひり熱い男たちの鍔競り合いを存分に体感してほしい。また、続編として単行本未収録の「永遠の時効」を付した。こちらも「第三の時効」に匹敵する傑作短編。

2016-01-01 00:57:35
松井和翠 @WasuiMatui2014

申し訳ありませんが、第50巻は解説できません。作品リストのみで勘弁を。

2016-01-01 00:59:03
松井和翠 @WasuiMatui2014

《第50巻》 【殊能将之】 『ハサミ男』 『鏡の中は日曜日』 「キラキラコウモリ」 「ハサミ男の秘密の日記」

2016-01-01 01:01:48
松井和翠 @WasuiMatui2014

以上、【新・日本推理小説体系・総解説】作家編・全50巻でした。

2016-01-01 01:04:38