『風雨長征号』拾い読みツイート

中国の国際商業打上げ戦略、その苦難の道のりを綴った『風雨長征号』を拾い読みしつつ、翻訳ツイートしています(未完)
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ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

ある程度形が整ってきて、先進国市場はすでに米国が牛耳っているので、第三世界を顧客ターゲットに考えたが、ここに誤算があった。途上国の宇宙技術者は大抵米国を中心とした西洋の教育を受け、西欧に傾倒しており、中国の技術に対しては情報も少ないことから信頼性を疑うものが多かった。

2016-01-03 20:53:42
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要は途上国の技術者のほうが高い知識やノウハウを持っていたわけで、第三世界の市場は切り崩せないとみた開拓班は、第二世界の市場に入り込めるかを画策する方向に舵を切る。この時期スウェーデンが長征ロケットに興味を示し打診してきたことは一つの転機となった。

2016-01-03 21:07:42
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86年に中国は宇宙開発代表団を率いてスウェーデン入りし、長征二号丙で二度のマニューバによる軌道投入案をセールス。この時はアリアンスペース社も契約取りに加わっていたらしい。交渉の結果、中国が3万ドルの手付金で契約を獲得。初受注を手に欧州訪問を継続する途中で大事件が飛び込んできた。

2016-01-03 21:28:35
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アムステルダムに到着し小さな宿屋にチェックインした一行はテレビをつけた。目に飛び込んできたのは…チャレンジャー事故のニュース。事故が何を意味するのかを、一行は異国の片隅で議論し合った。中国が国際市場に参入することのリスクとリターンが一体どの程度なのか…

2016-01-03 21:34:09
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翌日、代表団は欧州宇宙技術研究センターとフォッカー社を訪問したが、接客室に通されるまでに所内の誰もが悲痛な面持ちでチャレンジャー事故を話題にしているのを耳にした。対面したフォッカー社の副社長は冗談交じりに開口一番「今回の契約受注は、少しばかり火事場泥棒的なところもあったようだね」

2016-01-03 21:43:21
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代表団の何克譲副院長は「我々は同業者だろう、どの国の不幸であろうと望んだりはしない」と返した。 副社長はそれでも「そうかね?」と笑っている。 「我々中国の宇宙技術者も今回の事件には悲痛を感じている。信じるのはあなた次第だが」 こうして打上げ市場参入への「競争」に足を踏み入れた

2016-01-03 21:51:03
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だが中国にはまだクリアしなければならない問題があった。米国の輸出許可証を獲得すること。スウェーデンの開発する衛星には米国製部品が使われており、米国の認可なしには中国へと輸出ができなかった。どんなに安全確実なロケットを造ったとしても、米国が首を縦に振らない限りはどうしようもなかった

2016-01-03 21:56:20
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第三世界は米国に傾倒している、第二世界も米国の鎖に縛られている。結局、海外の衛星打上げ市場を開拓するという事は、米国を納得させるという事に他ならない。86年4月、航天部は新たに商業打上げサービス班を設立し、米国市場の打開に注力することを決めた。

2016-01-03 21:59:15
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

…と、ここまで読んでやっと1割か…。チュカレタ。ただ読むだけなら普通の読書時間程度なんだろうけど、拾い訳に時折情報確認もしつつだとこんなもんだよなー(^^;

2016-01-03 22:02:44
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

とりあえずここまで。続きは平日に少しずつやるかもしれないし次の連休にやるかもしれないし、もうやらないかもしれない(^^;

2016-01-03 22:05:02
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

「風雨長征号」を少しずつ読んでいるけど、前半は「中国人がロケット産業という分野で誇りを取り戻す物語」みたいな展開。駐米中国大使館で発表会を開いた際、在米華僑から「米国に来る中国人は中華料理屋を開くことくらいしかできない」と蔑まされる話を聞いた技術者が魂を熱く燃やすエピソードとか。

2016-01-04 21:01:41
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米国の衛星メーカーを行脚するものの、どの会社にも冷たくあしらわれ、、バカにされ、金を持ってこいと言われる。ゴシップ誌にはビール瓶の発射台と爆竹で出来た「長征三号」などという風刺画を描かれる。宇宙ビジネス会議に出席の機会を得ても「中国のフェアリングは竹製かい?」と揶揄される、等々。

2016-01-04 21:09:55
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

海外でセールスしようにも、国の規定で1日当たり52ドルまでしか与えられない状態で、接待費やらコンサルタント料やら払えるはずもない。宿泊も安宿ばかり。カナダではこれが災いして詐欺師扱いされ、アポイントを取ったにもかかわらず門前払いされた、とか。

2016-01-04 21:19:37
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

それでも幾度も足を運びマーケティングとセールスを続け、何度も失敗しながら見えてきたことは、米国の衛星メーカーとユーザーは通信容量の大型化対応と低コストな小型衛星の二つに分かれるという事、また衛星メーカー及びユーザーのニーズでロケットが決まるという事だった。

2016-01-04 21:25:00
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方向性が見えてきて、中国のロケット技術者らはターゲットを絞ることにした。ヒューズ社のHS-376とHS-601衛星バス。それぞれ長征三号、長征二号で打ち上げ可能な点を積極的にヒューズ社にアピールした。この交渉がウェスタンユニオン社の耳にも届き、ユニオン社とも交渉の機会を得る。

2016-01-04 21:37:54
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

@hadukino 当方はヒューズの議会工作のあたりからリアルタイムでウォッチしていましたが、その前段階として涙ぐましい売り込みがあったんですね。当時まだ日本はロケットシステムすら設立していませんでしたが。

2016-01-04 21:43:36
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@ShinyaMatsuura ツイートではかなりすっとばしていますが、米国の衛星メーカー10社以上回って総スカンくらったとかちゃんとした商品説明書作ってから出直してこいと追い返されたりとか書き方教えるから100万ドル寄越せと言われたとかいろいろ面白エピソード載ってますw

2016-01-04 21:50:51
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でも今夜はここまで。やっとチャレンジャー事故やアリアンロケットの失敗と、そこから中国ロケットに注目しだす米国の宇宙産業の章の前まで来た。また少しずつ明日電車で読もう(^^;

2016-01-04 21:56:21
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

しかし、ここまで読んできて、なんで国家の粋を集めたロケットをもっとトップセールスで売り込まなかったのかと思ったけど、1986年前後だと商務部なんてないころだったんだな。対外貿易部のような対外折衝部署はあったけど、海外市場にいち産業を参入させる様なノウハウはなかったんだろうなぁ

2016-01-04 22:29:25
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

中国のロケット技術者が米国でどうにかきっかけをつかもうと奮闘していた1986年前後、世界の宇宙ビジネスが一つの転換点を迎えていた。一番大きな影響を与えたのはチャレンジャー事故。他にもアリアンロケットが2年連続で打ち上げ失敗し、打ち上げビジネスを二分していた欧米が歩みを止めた。

2016-01-05 20:51:37
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中国は1986年2月に長征三号による静止衛星の打ち上げに成功しており、ちょうどよいセールスの材料にもなっていた。打上げスケジュールの停滞に見舞われつつあった欧米の衛星メーカーが中国のロケットに興味を向けつつあったのは当然の流れでもあったが、国内でも変わりつつある流れがあった。

2016-01-05 20:54:55
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

これまでは航天部の孤軍奮闘とも言えた海外衛星打上げセールスだったが、84年から始まった活動が少しずつ道筋をつけ始め、中央もその成果を認めつつあった。宇宙産業が官・軍依存から脱却し自力で収益を確保し中国の宇宙技術で海外市場を目指すところまで来たというのが首脳らのお気に召したらしい

2016-01-05 21:02:31
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航天部の報告を受けた国務院首脳陣は、中国の宇宙技術が国際市場に参入する条件はそろったと評価。政府各部門の全面的な協力の元、計画を遂行すべしと指示。中国製ロケットで外国の衛星を打ち上げるということは、中国宇宙産業の自活策から一気に愛国政策へと昇華した、といえる。

2016-01-05 21:07:46
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

政府が本腰になったことで、計画はより具体的に動き始めた。衛星の輸入・搬送ルートについて、手続きについて、海外顧客の受け入れ態勢について、長征ロケットへの海外衛星搭載の規格調整について、またこうした問題を解決するための予算について、etc...etc

2016-01-05 21:12:52
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米国ではこの時点で、ユニオン社のウェスタ―6号を含む二つの商業打上げサービス契約と五つの打上げ予約が交わされていた。ワシントンで開かれた国際宇宙ビジネス会議にも出席し、長征三号についてアピールした。ヒューズ社と継続して交渉を進めるほか、中国に肩入れする衛星メーカーも現れた。

2016-01-05 21:45:13