『風雨長征号』拾い読みツイート

中国の国際商業打上げ戦略、その苦難の道のりを綴った『風雨長征号』を拾い読みしつつ、翻訳ツイートしています(未完)
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ようやく物事が順調に進み始めたと思えたが、そう甘くはなかった。87年にウェスタンユニオン社が破産、契約がすべて白紙に戻された。同社と交わしたウェスタ―6号については後に数奇な運命で中国のロケットに乗ることになる。また、肩入れしてくれていたメーカーも破産し、また一から出直しに。

2016-01-05 21:48:36
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中国が足踏みする間に88年になった。世界の宇宙ビジネスはまた大きく動き始めていた。チャレンジャー事故から2年、シャトル打ち上げが再開し、アリアンも復活、7連続打上げ成功を決めたほか、新型のアリアン4がデビュー。ソ連もブランの無人フライトに成功。日本もH-2を開発、売り込みを始めた

2016-01-05 21:52:35
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中国が現状の打開に苦慮していた頃、英中港の資本で共同設立された会社が、ヒューズ社から購入した衛星を打ち上げたいとの話があり、契約にこぎつけた。その衛星、アジアサット1号は、実は一度打ち上げられ、シャトルで回収され、再打ち上げを長征ロケットでと一度は打診されたウェスタ―6号だった

2016-01-05 22:07:37
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打上げ契約にこぎつけたはいいが、衛星が米国製または米国製部品を使用している限り、米国の許可を得ないことには中国へ輸送できないことに変わりはない。ここにきて、交渉は政府間レベルへとステージを移す。

2016-01-05 22:11:15
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と、今晩はここまで。政府間交渉での丁々発止のやり取りやその後の協議の締結、さらにはある事件の勃発で衛星輸出認可が差しとめられるなど波乱の展開が続く。

2016-01-05 22:13:47
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しかし今日は電車移動中などにある程度読みためた内容を、帰宅ってから再確認しつつ拾い訳したんだけど、スピードは大して変わらない(^^; いつ終わるんだろうか…

2016-01-05 22:21:39
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何処まで続けられるか分からないので『風雨長征号』の最後を先に書いておくか _人人人人人人人人人人人人人人人人人人_ > やっぱりいいよなあ、ロケットは! <  ̄^Y^Y^YY^Y^Y^Y^YY^Y^Y^Y^YY^Y^Y^Y^YY^Y ̄

2016-01-05 22:45:59
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

さて、今日はニュース読みのほうに時間を割いたので『風雨長征号』の拾い訳出来なかったな…

2016-01-06 22:49:13
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読み進めるのは1996年2月15日の大爆発事故のとこまで来たのだけれどね。昨日のツイートからもうしばらくアジアサット1号打上げまでのくだりがあって、その後は長征二号EによるOptus打上げとその後の失敗までが続く。Optus関連については省く予定。

2016-01-06 22:55:33
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Optus打上げ~失敗までは、『風雨長征号』としては2.15大参事の前触れとして描かれていて、それなりに必要な章立てになっているのだけれど、じつは同じ作者が別に『Optus、リスクある打上げ』という本を書いていて、多分そっちのほうがさらに詳しくて面白そうなんだよね。

2016-01-06 22:59:35
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まぁ『風雨長征号』の内容だけでも十分に面白いのだけれど(^^; 作ってもいない長征二号Eで海外に契約取りに行って、国内からもムチャ過ぎだと紛糾、その挙句にお上からは「じゃあ18か月で完成させろ」とさらにムチャ振られ1号機、2号機とトラブル抱えて…というのがちゃんと描写されてるし。

2016-01-06 23:03:03
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さて、またぼちぼち拾い訳でもするか…

2016-01-09 12:27:35
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どうにかアジアサット社との衛星打ち上げ契約にこぎつけたはいいが、アジアサット1号がヒューズ社製の元ウェスタ―6号衛星、ということは立派な米国製ということで、米国の輸出規制に引っ掛かり、このままでは中国に輸送して中国のロケットで打ち上げることはできない。

2016-01-09 12:30:23
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そこで1988年10月、米国政府からアジアサット1号の輸出許可を取り付けるために、中国航天部は米国議会に許可を請う旨の書簡を送った。時はレーガン政権。レーガン大統領は米国議会のまとめた意見に同意する方向で、中国による米国製衛星の打ち上げを原則認める、とした。

2016-01-09 12:34:24
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ただし、米中両国で必要な会談を通したうえで、許可証を発行すると。こうして中国のロケット打上げサービスに関する活動は政府間レベルにステージを変える。同月には米国務省、運輸省、国防省、国土安保省などの役人20数名で編成された代表団が中国入りした。

2016-01-09 12:46:16
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中国側は外交部、国防科工委員会、航空航天部から人材を選出。代表を航天部副部長で「中国人工衛星の父」と言われる孫家棟が務めることになった。北京釣魚台に米国代表団を迎え、国際商業衛星打上げの商務つまり価格攻勢などや責任、技術安全について協議した。

2016-01-09 12:53:40
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中国側は衛星の通関検査の免除や、発射場までの輸送に衛星メーカーが独自に監視につくことの許可を提示。また市場に対する脅威の懸念に対しては、まだ発展途上国であり、欧米の脅威にはなりえず、あくまで打上げサービスの選択肢をささやかに補てんする程度であると説明した。

2016-01-09 12:58:14
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中国国務院は今回の協議を成功に導くことを非常に重視していた。李鵬首相は自ら自国のロケット打上げ状況を細かくヒヤリングしてその内容を把握。また姚依林副首相に「要求は高すぎず、パイを勝ち取ることだけ考えろ」と指示。また外交部や国防科工委の代表も個別会議に明け暮れた。

2016-01-09 13:09:01
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協議は4日に及び、最終的に議題は価格面と打上げ機数と安全面に集中した。中国側は20機打上げを要求したが米国は譲らず、逆に3機までと提示。摺合せの結果9機に落ちついた。価格面でも不当に安いと言われたが、中国の国情から見て設定した価格であることを何度も説明した。

2016-01-09 13:30:28
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最終的に、米中代表は2部の覚書を交わしたが、肝心の貿易問題については見解の一致を見ず、米国での第二ラウンドに持ち越すこととなった。11月、中国の代表団が米国入りした。サンフランシスコに向かう機中から協議開催日の間にも協議文書を修正し英訳する等の作業を進めた。

2016-01-09 13:36:54
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米国通商代表部で協議の第二ラウンドは始まった。内容は中国での協議よりもさらに厳しいものになった。協議開始から米国側は高圧的だった。なにより中国の代表団とはいえ、中国での第一ラウンドと合わせてもこうした大きな交渉は初めての事であり、第一日目の協議後の夜はみな不眠状態に陥るほどだった

2016-01-09 14:01:21
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それでも少しずつ、交渉の癖を嗅ぎ取りつつ協議は続いた。が、衛星打上げ数に関する取り決めでまたも守勢に。第1ラウンドで合意したはずの機数は必ずしも予定通りに打ち上げさせるとは限らないという。ことが重大な内容でもあり、中国代表団は一旦中央政府に打診することにした。

2016-01-09 14:31:13
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航天部部長が米国滞在中の代表団から電話を受けた時中国は深夜だった。朝になって部長はさっそく李鵬首相に電話を入れたが首相は外遊中、副首相に電話がつながり経緯を説明すると、李鵬首相が副首相に指示したとおりに「まずは席を勝ち取ることが重要だ、打上げ機数は気にするな」と答えた。

2016-01-09 14:35:39
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副首相の判断が代表団に届き、協議を続行。その後も続いた協議の間に幾度も厳しいやり取りが繰り広げられたが、最終合意にはまだ至っていなかった。クリスマスイブになって新たな覚書を交わし、ようやく米国製衛星の打上げにめどがついたかに思われた。

2016-01-09 14:42:45
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要解決事項は他にもあった。輸出許可協議に先立って、ロケットと衛星の搭載規格に関する協議を進めていたが、規格を合わせるために悪戦苦闘していた。搭載アダプタとの設置が7㎜ずれているというのでしょっぱなから調整がストップ。フェアリングの技術指標も国際規格に合わないなど問題が続出していた

2016-01-09 14:56:37