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モンティ・ホールの問題は,要するに,最後の段階で「選んだドアを常に変える場合」と「選んだドアを常に変えない場合」のそれぞれの場合で「当たりを引く」確率を計算し,どちらの場合で確率が大きいのか答えよ,ということですよね。
2016-01-13 12:10:58それなのに,直観は,ドアを変えることができるということにばかり気を取られてしまって,肝心の問題を読み違えてしまっている…?
2016-01-13 12:11:54モンティ・ホール問題は,要するに,1枚目の状況と2枚目の状況のそれぞれの場合で「当たりを引く」確率を計算し,どちらの場合で確率が大きいのか答えよ,ということですよね。 pic.twitter.com/3pI2tvQtbg
2016-01-13 12:44:58先日,Twitterタイムライン上に「モンティ・ホール問題」という言葉が流れてきました。この「モンティ・ホール(Monty Hall)」という人物の名を冠したこの問題の原型は,Wikipedia英語版及び日本語版によれば,次のようなものです。
2016-01-13 17:18:41「あなたはゲームショーの挑戦者で,あなたの目の前には3つのドアがある。3つの内1つのドアの裏には車が1台置いてあり,他の2つのドアの裏にはヤギが1頭ずつ置いてある。見事車を引き当てれば当たりで,ヤギを引き当ててしまえば外れである。(続く)
2016-01-13 17:23:05(承前)なお,ドアの裏に車とヤギを置いたのは司会者なので,どのドアの裏に車が置かれていて,どのドアの裏にヤギが置かれているのかを,司会者は知っている。では,ゲームの手順を説明しよう。(続く)
2016-01-13 17:27:56(承前) (1)まず,挑戦者であるあなたに,ドアを1つ選んでもらう。 (2)次に,あなたが選ばなかった2つのドアの内,裏にヤギが置かれた外れのドアを1つ,司会者は開ける。もし,この2つのドアの両方ともが外れのドアであるなら,司会者は,ランダムにどちらかを開ける。 (続く)
2016-01-13 17:33:06(承前) (3)この時点で開いていないドアは2つである。ここで,挑戦者であるあなたには,選択権が与えられる。選んだドアを今のままにしておくか,それとも他のドアに変更するか,というものである。 (4)そして最後に残る2つのドアが開かれ,結果が判明する。 (続く)
2016-01-13 17:39:06(承前)ここで問題。(3)において,挑戦者であるあなたが,選んだドアを今のままにしておく「選び直さない」場合と,他のドアに変更する「選び直す」場合とでは,一体どちらが当たりである車を引き当てる確率が高いだろうか。」
2016-01-13 17:42:26…というものです。詰まる所,この問題で求められていることは次の通りです。 (1)「選び直さない」場合に当たりである車を引き当てる確率を求めよ。 (2)「選び直す」場合に当たりである車を引き当てる確率を求めよ。 (3)(1)と(2)のどちらの確率が高いか答えよ。
2016-01-13 17:45:00この図は,「選び直さない」場合の流れを説明したものです。「Start」から始まり,各結節点を経て,「挑戦者がドアを選び直さない」に到達します。「→」の上に記された数字は,直前の結節点からその経路に分岐する確率を表しています。 pic.twitter.com/iswMnDthqu
2016-01-13 17:51:57↑
すみません!この投稿は入力間違いにより誤字があり,間違った意味になってしまっています!
正しくは下の【誤字訂正】のほうです!
↓
【誤字訂正】この図は,「選び直す」場合の流れを説明したものです。「Start」から始まり,各結節点を経て,「挑戦者がドアを選び直す」に到達します。「→」の上に記された数字は,直前の結節点からその経路に分岐する確率を表しています。 pic.twitter.com/7aGu7mFpdv
2016-01-21 20:13:08この図は,「選び直す」場合の流れを説明したものです。「Start」から始まり,各結節点を経て,「挑戦者がドアを選び直さない」に到達します。「→」の上に記された数字は,直前の結節点からその経路に分岐する確率を表しています。 pic.twitter.com/1qQAMBLM3n
2016-01-13 17:52:34まずは「選び直さない」場合に,当たりを引く確率を計算してみましょう。「当たりに設定されるドア」の段階と「挑戦者が選ぶドア」(=「挑戦者がドアを選び直さない」)の段階のドアが一致していれば当たりを引くことができます。この確率は (1/3)×(1/3)×3=1/3 です。
2016-01-13 17:57:53次に,「選び直す」場合に,当たりを引く確率を計算してみましょう。「当たりに設定されるドア」の段階と「挑戦者がドアを選び直す」の段階のドアが一致していれば当たりを引くことができます。この確率は (1/3)×(1/3)×1×1×2×3=2/3 です。
2016-01-13 18:00:26まとめると… (1)「選び直さない」場合に当たりである車を引き当てる確率は1/3である。 (2)「選び直す」場合に当たりである車を引き当てる確率は2/3である。 (3)つまり(2)の場合の確率が高い。 …という結果が得られるのです。
2016-01-13 18:02:15ところで,このモンティ・ホール問題は,「直感で答えると誤った結果が出てしまう」ということでも知られています。つまり,直感で答えると,「選び直さない場合」も「選び直す」場合も,当たりである車を引き当てる確率は共に1/2だというのです。なぜこんな誤った結果が導かれるのでしょうか。
2016-01-13 18:05:50個人的には,それが起こる理由の一つは,この文言のせいだと思います。 「挑戦者であるあなたには,選択権が与えられる。選んだドアを今のままにしておくか,それとも他のドアに変更するか,というものである」
2016-01-13 18:08:44つまり「選択」という文言に釣られて,この問題で本当に問われている内容を読み間違ってしまうのではないか,と思うのです。「2つの内1つを選択するのだから,確率は1/2ずつだろう」と。
2016-01-13 18:10:49でも実際にこの問題で要求されているのは,「選択する」ことではなく,「異なる2つの状況に関してそれぞれの確率を計算する(そして比較する)」ことなのです。
2016-01-13 18:12:26