幼なじみ

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ0 幼稚園からの幼なじみの 裕と信ちゃん 小学生の時引っ越してきた私 両隣に住んでて 兄弟のように育った 高校も一緒で毎日３人で通う でも私はいつのまにか 信ちゃんを好きになってた…

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ1 きゃー！今日もかっこいい！ 帰り際、騒がれてる校庭に目を向けると…サッカーで遊んでいる幼なじみの信ちゃん。彼を好きな子は沢山いて私もその内の１人なんだけどその輪の中には入りたくない 『なーに見とるん？』 「…裕」 『…あー、ヒナか　 　お前も相変わらずやな』

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ2 『もうすぐ俺ら卒業や。ヒナは東京行ってまうで。何もせんままか？』 「無理だよモテるし…今の関係壊したくない」 『……あんな』 《お！今から帰るん？俺も帰るから待ってーな》 信ちゃんが走って寄ってきた 『おう待っとるから早よカバン取ってこい』 「早くねー笑」

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ3 たわいもない話をしながら30分の道のりを３人で帰る。そんな毎日が当たり前に続くと思っていた… 村上君彼女出来たんだって！ 「………え？」 教室で騒いでいた女子達の話しに 頭が真っ白になる 『おい、帰るでー…って 　どしたん？？』 迎えに来た裕に抱きつく

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ4 「裕は知ってたのっ！？」 涙目になりながら顔を上げると 『あー……あの子らの話してる事？ 　…とりあえず帰ろ』 私の手を取り教室を出る 『ほら』 公園のベンチに座ると 溢れてくる涙をハンカチで拭いてくれた 『………だからゆうたやろ？ 　何もせんままかって』

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ5 「…知ってたんだ」 『好きな奴がおるのは知っとったけど付き合ったのは知らん。ヒナは自分の事あんま話さんからな』 「知ってて…信ちゃん好きな人いるのに私に告白してフラれろって思ってたんだ」 『いや、そんなん思ってへんし』 「じゃあ何であんなこと言うのっ！？」

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ6 「結果分かりきってるのに！」 涙でぐちゃぐちゃになりながら裕に当たり散らす 「…自分の気持ちに素直になってたら何か変わってたかも知れんやん」 言われてハッと気づく。居心地のいい関係を壊したくなくて、無理だから傷つきたくないからと臆病になって何もしなかったのは自分

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ7 幼なじみだから側に居れて他の女の子達とは違う距離に居れてそんな優越感に浸って何も言わなかった。モテるのに彼女作らないから安心してた。 『所詮そんなもんやねんお前の気持ちなんて』 「…………え？」 『言わんでもええような気持ち。周りで騒いでた女の子達と同じや』

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ8 『ヒナを好きって気持ちが楽しいだけやん』 「最っっ低！！！」 裕の頬を思いっきりビンタして走って家に帰る 「ひどいっ…ひどいよ…ずっと好きなの知ってたくせに…」 ベットにうつ伏せになり泣きじゃくってると部屋のドアが開く 《入るで？》 「……信ちゃん！」

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ9 《ごめんな？ノックしたんやけど返事ないから…泣いとんか？》 何で普通にしゃべるの… 笑いかけないでよ 「信ちゃん……」 《ヨコと先帰ってまうし…何かあったんか？》 そっと涙を拭ってくれるその手をずっと感じたくて 「ううん何もないよ」 告白なんてできない

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ10 臆病でワガママな自分 「大丈夫。それより信ちゃん？…彼女できたの？」 《ん？おお…情報早いな笑。ずっと好きやってん。後3ヶ月で卒業やけど向こうも東京へ進学やからダメもとでゆってん》 「そうなんだ…よかったね…信ちゃんかっこいいんだからフラれるわけないじゃん」

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ11 《んー？いや、勇気いるで？めちゃくちゃ緊張したわ》 嬉しそうに彼女の話をする信ちゃんを見てもう私の入る隙間は無いんだと思い知らされる 「おめでとう信ちゃん」 《ありがとう//お前も早よ彼氏作れよ？》 「ホントに気づいてないんだ」 《ん？》 「何でもない」

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ12 《お前はなぁ…ヨコもなぁ……》 「…裕？」 《いや、ほなもう帰るわ！明日から俺一緒に登下校できへんからな》 「…わかった」 頭をポンと叩いて信ちゃんは嬉しそうに帰っていった。彼女と行くんだろうな…ホントに何も出来ないまま長年の恋が終わっちゃったな……

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ13 翌朝玄関を出ると裕が待っていた 無視して行くと私の後ろを歩き話さないまま学校に着いた。 放課後になり、裕はいつも教室に迎えに来るから足早に下駄箱に行くと裕が待ち伏せしてた。 そしてまた無言のまま少し後ろを歩く。 「………ねぇ何なの？何がしたいの？」

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ14 『あ…いや……昨日ごめんな。言い過ぎたわ』 ……… 『ほんまに好きやったん知ってるから後悔して欲しくなかってん』 まるで自分がフラれたかのように苦しい顔をする裕 「私こそごめん……裕の言うとおりだよ…昨日信ちゃんが家に来たけど、それでもやっぱり言えなかった」

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ15 「他の子達と同じ…想ってるだけで十分な恋だったの」 『や、ちが！あれは…』 「違わないよ。ほんとに側に居たいと思ったなら言えてたはずだもん。幼なじみの甘い関係に浸ってただけかもね…て、あれ…」 涙が溢れ出る私をそっと引き寄せて 『ごめん…ごめんな』

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ16 ぎゅっと抱きしめてくれる裕の背中にそっと手を回して思いっきり泣いた。 「……はー、すっきりした」 『大丈夫か？』 「…お腹空いちゃった！帰ろ！！」 『ふっ、何やねんお前は笑』 裕が頭をポンポンとして身体を離すとどちらからともなく手を繋ぎ家に帰った

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ17 卒業式の日やっぱり最後に想いを伝える決心をした 「裕！信ちゃん！…わ！花束沢山もらっちゃって！相変わらずモテるね！」 《ははっ、何や今日で最後と思ったら寂しいな》 「ふふ…２人のやり取り見れなくなるね」 『ヒナたまには帰ってこいよ』 《おお！もちろんや》

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ18 裕の袖をぎゅっと掴み 『？』 「あのね！信ちゃん！！……私っ！信ちゃんの事大好きだったよ！」 《知っとるがな》 「違う！幼なじみじゃなくて男の人として！」 《……え？》 ビックして裕を見る 「…？12年間いつも側にいてくれてありがとう！楽しかった！！」

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ19 《あ…あ、ありがとう//ごめんな気づいてやれんくて》 頭をポンと叩いてくれる…この瞬間が好きだった 「ううん。これからも幼なじみとして大好きだよ」 彼女に呼ばれ行ってしまった信ちゃんの後ろ姿を見つめ、裕の袖をぎゅっと掴んだまま涙を必死で堪えた

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ20 『急でビックリしたけど…よお言ったな。頑張ったな。』 ポンポンと頭を撫でられ涙が溢れる 「…ゆ…う…」 『帰ろか』 帰ろうとすると女の子達が群がってきた。 あ…告白タイムかな？邪魔になるからと思い裕から離れようとするとぎゅっと手を繋がれた ……？？

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ21 『ごめん俺コイツと付き合ってんねん』 「えええっっ！！！」 私の驚きの声と女の子達の悲鳴が聞こえる中さっさと私の手を引き歩き始める 「……ちょっと！何よ今のは！やめてよ私を使うの！」 『めんどくさいねん。言い寄られても答えてあげられへんし』

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ22 「うーわ、冷た。…そういえば裕もモテるのに彼女作らないね」 『まぁな…俺結婚したいと思う人としか付き合われへん』 「えー？今からそんな事思ってんのー？笑…じゃあまだ現れてないんだ」 『……さあ？』 「何それ笑。……あーあ、一緒に下校するのも今日が最後だね」

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ23 『同じ大学やからまた一緒やんけ』 「えー？また一緒に行くの？１人でも行けるよー！」 『お前起きられへんやん。何回起こしに行った思ってんねん』 「すみませんね宜しくお願いしますー」 『棒読みやん笑』 楽しくてキラキラしてちょっと切ない高校生活が終わった……

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

幼なじみ24 大学生になって半年 『…い！おい！起きろて！』 「んにゃ…ゆう？」 『遅れるて！起きろや！』 …ねむいー起こして。と両手を伸ばすと引っ張って起こしてくれる 「…ふぁ、おはよ裕」 『おはよやあらへん！はよ着替えろ！』 のそのそ起きあがり着替える