千葉雅也×東浩紀「思弁的実在論の展開について——メイヤスー『有限性の後で』刊行直前対談」 #ゲンロン160115
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東浩紀は『現代思想 1月号』において「人間が人間であるかぎり、人文学はなくなることはない。」と言う。 一方でメイヤスーの思考は「人間がいなくても成り立つ人文学とはどの様なものであるか。」と理解することができる。 反復不可能な人文学は「偶然性の必然性なのか「必然性の偶然性」なのか。
2015-12-29 01:18:30千葉雅也「思弁的実在論と無解釈的なもの」をぜんぶ読んだ。2節以降の独自の展開がすごくおもしろかった。SRを論じたもののなかで、読んでてもっとも興奮した!無関係さがレベルアップしていく感じが、入不二基義っぽい。→
2015-12-29 22:37:40さらなる解釈をつぎつぎと作動させる「穴-秘密」(解釈不能なもの、ラカン的・レヴィナス的他者)から、解釈をあきらめさせ、思考停止におちいらせる「石-秘密」(無解釈的なもの、SR的他者)へのレベルアップ。→
2015-12-29 22:38:07「思弁的実在論と無解釈的なもの」(『講座 現代』7)では、一切の解釈から隔離された秘密が、文化・社会内に散らばっていると考えるアプローチを、ラリュエルをふまえて「非-人文学」と呼んだ。これは、ギャロウェイ氏とのやりとりのなかで、氏に「ノンスタンダード人文学」と換言された。
2015-12-30 10:04:11無解釈的なもの=秘密は、終わりなき解釈の源泉となりうる秘密ではなく、そうした秘密の向こう側の秘密である。ごく図式的に言えば、ラカン的な現実界のさらに彼岸である。00年代以来、「動物性」や「物質性」といった範疇で言われてきた「身も蓋もないもの」のは、そうした無解釈的なものである。
2015-12-30 10:09:05解釈「不可能なもの」と言うと、不可能性が可能性を与えるというポスト構造主義的な(非)論理が残存してしまうので、僕は、解釈から全く分離・隔離されているという意味で「無解釈的 non-interpretive」と言っている。松本卓也が強調するサントームのあり方にもその面がある。
2015-12-30 10:14:33「思弁的実在論と無解釈的なもの」では、終わりなき解釈の源泉になりうる秘密を「穴-秘密」と呼び(ラカン的な現実界を考えてほしい)、そこから区別された、絶対的に解釈を諦めさせ、中断させる秘密を「石-秘密」と呼んだ。(ハイデガーのテーゼ「石には世界がない」のひとつの使い道を考えた。)
2015-12-30 10:19:05僕の「石-秘密」に関する議論は、『「シェア」の思想』所収のインタビュー「悪いこともできる建築」のなかで、決して解消されえない後ろ暗い何かをもっている「建築」(広い意味でのアーキテクチャ)についての論、という形で予示されている。これはごく簡単にではあるが、戦後日本論にもなっている。
2015-12-30 10:25:32あと、メイヤスー周辺はなんかちょっとアレだなあという向きから、ガブリエルならオッケー(まあ、いろいろ文脈読解はできるな)という流れがあるようなないようなな空気は、懸念されるべきことと思いますね。どっちも淡々と読むべき。
2015-12-31 14:02:59身も蓋もなく言えば、メイヤスーおもろい=思想サブカル系 vs ガブリエルは偉い人=なんとなく左派と親和性ありそう・伝統を踏まえてる・まともな大学人・アカデミズム保守性を適度に満たしている、というような対立が、日本のSR受容で、来年にもっと目立ってくると予想。回避すべきだが。
2015-12-31 14:12:13小泉義之×千葉雅也「ドゥルーズを忘れることは可能か」(『ドゥルーズ』河出書房新社)を読む。思弁的実在論に関する議論の中で取り上げられている超越論性の話が特に面白い。あと、「フランクフルト学派やアルチュセール派の再読からやり直した方がよい」(21)という小泉氏の発言箇所も興味深い。
2015-12-31 22:01:591/15に行われるこのイベントのために、1日かけてカンタン・メイヤスー『有限性の後で』のゲラを読んだ。すばらしく面白い。ぼくの世界観(郵便的とかいうやつ)ととても似ている。→ 千葉雅也×東浩紀 「思弁的実在論の展開について」 ptix.co/1Pyatyl
2016-01-02 23:10:44先日千葉さんと打ち合わせをしたときは読んでいなかったのだが、いまならまったく違う打ち合わせになったはず。いやはや。これはとてもいい。SF畑で言えば、イーガンやチャンの読者はこの本は絶対読むべきだと思う。世界の本質は偶然性であり、自然法則も偶然であるという前提で必然を考える哲学。
2016-01-02 23:12:52とても嬉しいです!対談に向けて僕もあらためて論点を整理します。ゲラ読後のご感想、当日に楽しみにしています! twitter.com/hazuma/status/…
2016-01-02 23:15:58可能世界の数は超限数だから、今日も明日も自然法則がかわらんだから現実的に自然法則は必然であると見なすべきだという出発点(頻度の問題)は論理的に維持できないというあたりの議論とか、読んでいてあまりにSF的でにやにやしてしまった。
2016-01-02 23:17:05誤解を招かないようにいっておくと、メイヤスーはめちゃめちゃなひとで、そこが面白いということではないですよ。むしろ、カント=超越論的転回以降の哲学が、「人類や地球誕生以前の世界についての知」の確実性についてなにが言えるかという科学哲学的な問題意識を真摯に問うているひとです。
2016-01-02 23:21:05いま気づいたが、1/15のイベント時には『有限性の後で』発売されていないのか! これは煽るだけ煽る、視聴者にとってはストレスの堪るイベントになりそうだな(笑)
2016-01-02 23:26:28こちら2月1日に発売になります。SFあるいはフィクション一般のことを考えるのにも必須の書物と思います。よろしくお願い致します。:有限性の後で 偶然性の必然性についての試論 カンタン・メイヤスー著 千葉雅也・大橋完太郎・星野太訳amazon.co.jp/dp/4409030906/…
2016-01-02 23:20:31千葉雅也 @masayachiba 訳、カンタン・メイヤスー『有限性の後で』は、今月末、人文書院から発売されます。2016年最初の人文界超注目作!(営業本部N) jimbunshoin.co.jp/book/b211522.h… twitter.com/hazuma/status/…
2016-01-02 23:20:58千葉雅也といえば、『岩波講座現代 第7巻 身体と親密圏の変容』(発売中)に「思弁的実在論と無解釈的なもの」が収められています。今年は現代哲学の新潮流と言われる「思弁的実在論」にますます注目の集まる年になりそうです。(営業本部N) honyaclub.com/shop/g/g175428…
2016-01-03 00:01:54さらに、発売中の『現代思想』1月号は、「特集 ポスト現代思想」。巻頭を飾るのは千葉雅也とアレクサンダー・ギャロウェイの討議「権威(オーソリティ)の問題 思弁的実在論から出発して」です。(営業本部N) honyaclub.com/shop/g/g175536…
2016-01-03 00:09:28